レトロ銭湯へようこそ西日本版 松本康治

 先に近畿版が出ているので関西の銭湯は載っていない。東日本と西日本で分けていると思いきや。
 本書では昔から長く続いてきた銭湯を写真と文で紹介している。番台さんや経営者も高齢の人が多い。ゆえに歴史ある銭湯でも経営者としては三代目だったりする。銭湯の経歴としては買い取られた銭湯も多いわけで、ほとんどそういう形では代を重ねていないのも銭湯を運営する人の愛着を感じさせられた。

 古いだけに現代の視点からはびっくりするような構造の銭湯もあって、脱衣所と浴場の間にしきりがないのは地域性もあるにしろ、村之湯の湯船の板の下から自噴しているのと寿湯の路地の奥にあるのにはぶったまげた。

 北九州の銭湯が富士山の絵師を招聘して絵を描いてもらったら経営が上向いた話は景気がよかった。
 人吉の銭湯は今年の水害が心配になった……。

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ピラミッド―紀元前1万500年の天宮図― ロバート・ボウヴァル

 開かれた封印 古代世界の謎1

 シリーズ1冊目は、ゆんゆんしてるーっ!!シリーズ名のおどろおどろしいフォントで書かれた「開かれた封印 古代世界の謎」にふさわしい内容。
 ピラミッドが建設されたのは通説に反して紀元前1万500年だったと主張する本だった。アトランティスの末裔がピラミッドを……という妄言が飛び出しているが、同じシリーズのアトランティスを扱った本は言われるままのアトランティスの存在に肯定的とは言い難かった気がする。
 まぁ、三大ピラミッドの配置がオリオンの三つ星に似ているのは意味があるかもなぁ。スフィンクスの身体が獅子だから獅子座の時代に造られたと言われても、そもそもエジプトの星座でも獅子座が獅子に見立てられていたのかが自分には分からない。
 ギリシアとエジプトなら、かなり近そうではあるが。

 スフィンクスの地下に坑道があるらしいのは気になる話だった。エジプト側が調査を禁じていることがオカルトの人たちを勢いづかせている?
 そういえば日本の科学者がミューオンでピラミッドを分析して、エジプト政府を怒らせたこともあったな。

開かれた封印 古代世界の謎シリーズ感想記事一覧

カテゴリ:雑学 | 22:52 | comments(0) | -

錬金術−黄金と不老不死の妙薬− ロバート・ジャクソン

 開かれた封印 古代世界の謎

 金への欲望にとりつかれた西洋世界の山師たち錬金術師について取り扱った小さな本。
 科学方面での貢献にはあえて深入りせず、怪しい連中としての錬金術師を掘り下げ続ける姿勢が愉快だ。おかげで錬金術に傾倒したニュートンの痛い側面も強調されることに(本書の中での扱いは擁護的だが)。

 錬金術師から金を増やすからと言って借りた金を奪っていったアラブの錬金術師のエピソードには笑ってしまった。まるで漫画クロサギのようだ。

 最後に出てきた赤色水銀なる水銀とアンチモンの融合品について気になったので検索してみたが、本書を引用している記事がみつかっただけだった。
 だいたい察した。

カテゴリ:雑学 | 19:48 | comments(0) | -

知られざる聖杯伝説−死海文書と聖杯の謎−

 クリストファー・ナイト&ロバート・ロマス著 開かれた封印 古代世界の謎6

 いまやアーサー王物語と不可分の関係にある聖杯伝説。その源流をおいかけていくと、テンプル騎士団がエルサレムで聖杯を掘り出した可能性がみえて……こない気がしないでもない、わずかに。
 このシリーズ内では結構ゆんゆんした内容だった。タイトルがあからさまにゆんゆんしていることは反動でブレーキが掛かるけれど、聖杯はそうではなかったらしい。
 神の王(レックス・デウス)なる家系は本当に存在するのか?陰謀論的な色彩を帯びているのは否めなかった。けっきょく聖杯がイングランドにあるとして、誰が持ってきたかもあやふやだし……アリマタヤのヨセフなのか、テンプル騎士団なのか。

 聖杯探しがアーサー王の騎士団に致命的なダメージを与える結果になったことは何か寓話的で興味深かった。あの流れならガラハッドに任せればいいのに、なんでみんな探して回るんだか。それこそが欲望だから聖杯を手に入れられるはずもなく……。

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失われたアトランティス−伝説と謎に満ちた大陸−

 ジェニファー・ウエストウッド著、開かれた封印 古代世界の謎2

 プラトンが対話篇で言及した問題の島、アトランティス。その正体に関する侃々諤々の論争が紹介されている。
 アトランティスの名前は知っていても、その概要は知らなかったので最初のまとめが勉強になった。まさかアトランティスが地中海世界を侵略して、9000年前のアテネ軍と死闘を繰り広げていたとは……苦笑を禁じ得ない。

 アトランティス=テラ・クレタ島仮説はわりと説得力があったけれど、小アジアとリビアを足した大きさがあったとする説明が思いっきり足を引っ張っている。
 そして、小アジアそのものをアトランティスとする説は大きさの例えを完全に無視しているなぁ。

 ギリシア人の民族的な記憶を反映したものである可能性までは完全否定できないので、クレタ説とは逆さまになるが、アトランティスの話に謎に包まれた「海の民」のヒントが隠されているかもしれないとも思った。

 アトランティスのアクロポリスに関する記述は、漫画「進撃の巨人」で壁の構造に取り入れられていそう。進撃の巨人は三重で、アトランティスのアクロポリスは五重だが。
 漫画「ヒストリエ」でアリストテレスが、アトランティスをプラトン先生の作り話と話していたのは事実である以上に彼の主張であったこともわかった。

カテゴリ:雑学 | 21:59 | comments(0) | -

レイライン−大地をつらぬく神秘− ナイジェル・ペニック

 開かれた封印 古代世界の謎

 ヨーロッパ各地に残る直線状構造。その扱いの歴史が分かる本。
 UFOの航路などと言われ出してからの盛り上がりは、レイの提唱者であるワトキンズが気の毒になるほどだった。彼の旅を徹底的に脚色・捏造してしまうところなど、御輿にしていても敬意は欠片もない。
 向こうにもこういう人たちがいるんだなと妙な親近感を覚えてしまったのも事実である。

 レイラインがまったくの虚像であるかと言えば、それは違っていて、人間が造ったといえるものも中には確かに混じっているらしい。
 まぁ、人間がつくる構造物が直線の形をしていてもおかしなことはない。都市計画に同心円上のものがあるヨーロッパだからこそ、特別に思われたところもあるのかなぁ。現実の地形に合わせないレベルにもよるが。

 ところで英語の「ruler」の単語に定規と支配者の意味があるって話は、墨家における「鉅子」を彷彿とさせるものがある。考えることは洋の東西で一緒か。

カテゴリ:雑学 | 23:31 | comments(0) | -

見えない脅威 生物兵器 小林直樹 アリアドネ企画

 炭疽菌、ボツリヌス毒素……etc.etc.
 生物兵器の実際について解説した本。911の直後に出版されたらしく化学兵器が使用された地下鉄サリン事件には、かなり言及している。
 オウム真理教が炭疽菌の散布も試みていて、感染の条件が揃わなかっただけということに戦慄した。生物兵器攻撃に、失敗した場合に、仕掛けた側は失敗したことが分かっても、仕掛けられた側は攻撃を受けたことすら認識できないかもしれない。
 成功するまでトライ・アンド・エラーを繰り返されたら……そんな恐ろしさも感じた。

 最強威力のものにこだわらなければ、生物兵器の材料になる細菌や生物毒が付近にいくらでもあることも恐ろしい。
 アメリカ軍でも、攻撃されることを防ぐのは難しく、攻撃されてからの対応に重点を置いているという。

 ソ連が自ら禁止条約に調印した生物兵器の開発を密かに続けていて、ロシアになってもやめていないらしいことは、(本書が書かれた後におきた)イラク戦争が存在がきわめて怪しい生物化学兵器の保有を理由におこなわれたことを考えると、理不尽に思えるのだった。
 亡命者により、もっと証拠がはっきりしているロシアは殴らず、イラクは殴るんだ。

 終盤に細菌兵器にむいた細菌やウイルスの紹介があり、感染力や致死性などで五段階評価されている。ちょっと書くのが楽しそう……まぁ、現実と切り離してみることができれば、気持ちはわかる。

カテゴリ:雑学 | 23:33 | comments(0) | -

失われた黄金と宝石の謎 魅惑の財宝伝説 ナショナルジオグラフィック

 人間は光り物が大好き。古代から近代までの財宝を大きな写真で並べてみせるナショナルジオグラフィックの別冊。
 個人的にはこの写真で満足かな。
 ムガール帝国の書記が使っていたインク壷には強く惹かれるが……インドの宝飾品は大したものだ。エジプトやスキタイと違って質と同時に量を確保したまま現代に至っているのだから。
 盗掘や略奪を受けて延べ棒にされてしまった芸術品の数々を思う。

 沈没船の財宝探しではアトーチャ号とセントラルアメリカ号の話が紹介されている。
 引き上げに成功すれば大裁判に巻き込まれる。実にアメリカらしい恐ろしさで、ゴールドラッシュで実際にいった人よりも関連の商売をした人の方が得をした逸話を思い出させる。
 火中の栗を拾うようなものだな。

魅惑の財宝伝説 失われた黄金と宝石の謎 (ナショナル ジオグラフィック 別冊)
ナショナル ジオグラフィック
日経ナショナルジオグラフィック社 (2017-04-13)
カテゴリ:雑学 | 13:01 | comments(0) | -

宇宙から地球を観る 地球観測衛星「だいち」の目2

 余色立体図でみた広島のビルが見事に浮かび上がってみえて、つい側面を凝視してしまった。硫黄島の地図化に活用されたのも納得の立体感だった。
 硫黄島って、航空写真はなかなか撮れないが、現地調査はできるんだな……。

 世界各地の農地を比べた写真もおもしろい。
 アメリカの農地が区画とは別方向に畝を立てていて「等高線農法」をやっていることが伺えた。社会で学んだ知識を実際目にすることができるのは楽しい。
 日本の北海道の農地は等高線もおかまいなしに木の生える川をそのまま飲み込んで方形の防風林を作っている。野生動物の移動にとってはありがたそうだ。

 著名人が衛星画像でゆかりのある土地をみて語っている。岡田監督はホテルとスタジアムの往復ばかりで不適任だろう……本人が悪いのではなく。
 パリダカの話とエベレスト登山の話は読み応えがあった。600人のポーターを動員した後者はまるっきりの極地法だ。アレクサンドロス大王の行軍はこんな感じだったのだろうと実感できる現代では数少ない機会だったのではないか。

だいちの目 2 宇宙から地球を観る (地球観測衛星「だいち」の目)
宇宙航空研究開発機構(JAXA)
日経ナショナルジオグラフィック社 (2008-01-17)
カテゴリ:雑学 | 12:40 | comments(0) | -

タリバン 田中宇 光文社新書

 2001年10月25日初版、同11月20日第4版。
 ここに911直後の騒然とした世相を感じ取る。著者はジャーナリストとしてタリバン支配下のアフガニスタンを取材した経験をもっている。
 アメリカが難民慣れしてしまったアフガニスタンと戦うことはアメリカ側に失うものが大きすぎると指摘している。アメリカ側の政権は何とか立ったが、いまでもアフガニスタンは争乱状態なので、その通りかもしれない。

 パキスタンとアフガニスタンの深い関係も述べられていて興味深かった。
 ペシャワールのブラックマーケットなど、アフガニスタンとパキスタンの癒着が強すぎて、分離手術できる気がしない……。
 ソ連撤退後にムジャヒディンが意気揚々と進撃したら、傀儡政権の軍に大敗した展開は、ゲリラ軍を正規軍に転換することの難しさを物語っている。
 アメリカもパキスタンも正規軍への転換に協力する動機がなかったみだいだし。

 911についてイスラエルの陰謀説が載っているのは、事件直後だからこそ危うい感じがした。好意的にみればリアルタイムで集められる限りの情報を集めて、載せたのだろうけど。

タリバン (光文社新書)
田中 宇
光文社 (2014-08-22)
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