異邦戦艦、鋼鉄の凱歌3〜ソロモン決戦! 林譲治

 気がついたらマキシムゴーリキー号戦記になっていた。異邦戦(闘)艦とは元々ロシアの船だったマキシムゴーリキー号のことを指していたのか!?
 戦艦丹後1944年までが撃沈されないことはプロローグでハッキリしているからなぁ。マキシムゴーリキー号の方がスリリングだった。
 生みの親はダグラス・マッカーサー元帥である!
 レーダーを搭載した状況判断能力のある指揮官が乗った軍艦が現場にあるだけで戦況は大きく変わる。そんな結論にたどり着いた。

 3巻までなので玉木運用長の運用が改善されそうで「面白くなってきたな」発言が、続かないことが寂しい。
 タイトルに戦艦があっても陸戦要素の強い話だったことも覚えておきたい。旧式戦艦で艦砲射撃の贅沢ができるのは制空権を確実に握れる米軍だけで、日本帝国軍の艦砲射撃には丹後のような巡洋戦艦こそがふさわしかったのかも知れない。
 いっそ、高速のモニター艦もありなのでは?陸軍が建造して船舶工兵に使わせそう……。

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カテゴリ:架空戦記小説 | 23:35 | comments(0) | -

異邦戦艦、鋼鉄の凱歌2〜ポートモレスビー作戦! 林譲治

 架空戦記作家は自分が殺したフレッチャー提督の人数を覚えているか?

 空母機動部隊戦の手頃なやられ役として何度も何度も殺されるフレッチャー提督が可哀想。死亡ループモノでフレッチャー提督を主人公にすれば、面白い作品ができるかもしれない。メタすぎる?
 今回の空母が損傷して巡洋戦艦に追撃され、砲撃で死亡は、なかなか壮絶なコースだった。史実ではイギリス海軍の空母フューリアスが巡洋戦艦にやられているなぁ……。

 ポートモレスビーとダーウィンのインフラストラクチャーが破壊されて地獄絵図になる展開は、ポートモレスビーに関しては著者の他の作品でもみた。
 連合軍にとってのガダルカナルにするなら都市の方が便利と言うことか。

 予定寿命2ヶ月のでっちあげ空母マキシムゴーリキーは作者に愛されそうだ。火星探査機みたいに予定を超えて数年生きる可能性も否定はできない。

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カテゴリ:架空戦記小説 | 21:15 | comments(0) | -

異邦戦艦、鋼鉄の凱歌〜マレー沖の激突! 林譲治

 タイ海軍が日本やイギリスに発注した戦艦ターチンとメークロン。その存在は南シナ海のパワーバランスを複雑にしていた。
 ターチンとメークロンの整備をうけおうバンコクの中村造船所では日本による2戦艦奪取の陰謀が巡らされ、太平洋戦争開戦と同時に彼女たちは日本のものとなる。

 数奇な運命をたどる出戻り輸出用戦艦の戦記。
 いきなりタイ海軍が戦艦を2隻も保有するバランスの悪さが、各国の外交事情で説明されている。ふつうは巡洋艦にしておくだろう……しかも、大砲に関しては42センチで大和級以外では最大口径ときた。
 防御は巡洋戦艦並だがダメージコントロールに配慮して、干された藤本少将の復讐心がこもった仕事だけに尖ったスペックになっていた。

 火災による電線と塗料の話は、林譲治氏の作品でみない例がないと思えるほど頻出している。今回も駆逐艦の火災実験で発見されると思いきや、Z艦隊との実戦で知られる結果となった。
 空母機動部隊に同行することでダメコン思想が、空母にも展開されていく形になりそうだ。

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カテゴリ:架空戦記小説 | 23:50 | comments(0) | -

南太平洋大決戦3〜ダーウィン沖激突! 林譲治

 表紙にキングジョージ浩さ蘋鏨呂いるので気になっていた。デューク・オブ・ヨークだった。気がついたらイギリスとばかり戦っていた。オーストラリア陸軍とも戦っているが、ビショップの部隊との戦いが中途半端に終わった感じがある。3巻の分量でいい着地点を見つけるのは難しいのか。
 気がつけば半分は、工藤のおっちゃん戦記だったなぁ。酒屋のやり手経営者は南半球でも有能。

 ボフォース40mm機関砲をサルベージするところで、同じ著者のプリンス・オブ・ウェールズをサルベージして使用する話を思い出した。
 技術者たちの会話には、自分で自分の作品に突っ込んでいるところがあるような……あの作品の杵柄を使って書いているのも感じたが。

 イギリス海軍の側が、通商破壊戦を仕掛けてくる展開は、なかなか新鮮でおもしろかった。商船改造空母と客船を活用して巧みに戦っていた。

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南太平洋大決戦(3) ダーウィン沖激突! (ヴィクトリーノベルス)
林 譲治
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カテゴリ:架空戦記小説 | 23:18 | comments(0) | -

南太平洋大決戦2〜豪州攻略作戦! 林譲治

 1巻のダーウィン攻略に続いて、2巻では同時に行われたクックタウン攻略がメイン。ポートモレスビーへの過酷な攻撃もある。地上侵攻で酷い目にあった史実の運命が、ポートモレスビーの住民に降りかかっている。土地の生産力があって都市になっているわけじゃなく、交易地として繁栄したから、通商路の切断には酷く弱いということか。このポートモレスビーの住民にはなりたくないと思ったが、新型コロナのパンデミックで都市がロックダウンされれば近い目に遭うかもしれない……。

 ポートモレスビーを餌にして輸送船団をつりあげ、次々と壊滅させる展開になっている。兵隊元帥欧州戦記の2巻みたいに、空母も大活躍。1巻で本作の顔になると思われた商船改造空母攻鷹はそれほど出番はなかったが。
 最後は正規空母の飛龍と山口多聞が目立っていた。エンタープライズとの一騎打ちは熱い。むこうは艦長が指揮を執っているレベルなので経験値から考えても日本がかなり有利である。

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南太平洋大決戦(2) 豪州攻略作戦! (ヴィクトリーノベルス)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 20:10 | comments(0) | -

南太平洋大決戦1〜オーストラリア侵攻! 林譲治

 焦熱の波濤以来オーストラリアに強いこだわりを見せてきた作者による限定的なオーストラリア侵攻作戦。ミッドウェー海戦で奇跡的に飛龍が生き残ったことで、ミッドウェー海戦の関係者が「死人に口なし」されず、むしろ権威をもって海軍の改革に取り組める環境が出来ている。

 鉄道破壊専用爆弾の性格の悪さには、エア・ランド・バトルを感じる。あまり深く考えていないにしても先進的な戦略で連合軍を攻撃できている。
 オーストラリア軍が第五列による破壊工作と勘違いした結果おきた地域コミュニティの崩壊が恐ろしかった。トゥキュディディスの戦史以来、有事における隣人問題はまったく改善されていないなぁ。悲しいことだ。

 齟齬からピンチに追い込まれるかに思われた西村艦隊は、むしろ大金星をあげる結果になっている。被害が0じゃないにしても。
 米軍の魚雷問題は必ずと言っていいほど出てくるのに、酸素魚雷の過敏信管問題は発生しないの、ちょっとずるい。

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南太平洋大決戦(1) オーストラリア侵攻! (ヴィクトリーノベルス)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 12:00 | comments(0) | -

新生八八機動部隊3〜ソロモン諸島、激突! 林譲治

 オーストラリアの手前で、この作品の落とし子である戦艦紀伊と尾張、装甲空母扶桑と山城が激闘を演じる最終巻。
 はじめて電探を搭載した仮装巡洋艦慶事丸も大活躍。一気にレーダーの運用技術が進歩した。最初にレーダーを手に入れた部隊の働きが非常に重要なことが分かる。
 初期から数が出ていれば、その問題もある程度は解決できるのだけど……資源のない日本は運用者ガチャを引くしかない。

 敵軍の指揮官が日本の兵器を舐めているおかげもあり、最後まで大きな被害を受けないワンサイドゲームで話が終わっている。プロローグの話でも犠牲は航空部隊だけだし、この社会情勢で読者の失敗耐性が低くなっているのかなぁ。

 昔の架空戦記小説にはふつうにあった戦況図や巻中のイラストもなくなってしまって、寂しい限りである。表紙イラストだけは守護らねば。

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新生八八機動部隊 (3) ソロモン諸島、激突! (RYU NOVELS)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 20:41 | comments(0) | -

新生八八機動部隊2〜マレー沖海戦! 林譲治

 この展開なら多少距離はあっても「シンガポール沖海戦!」と呼ぶマスコミも出そう。シンガポール陥落間近であることを印象づけられる。マレーとシンガポール、当時の日本ではどっちがビッグネームだったのかな?

 東南アジアに集結したアメリカ・イギリス・オランダ・オーストラリアの連合艦隊と、日本海軍の戦い。
 航空兵力をほとんど持たない相手をひたすら追いかけ回して一方的に撃沈する展開で、作品の折り返しまで使うとは思わなかった。
 とりあえずレーダーの存在は認識された。

 ドールマン少将、フィリップス大将ともに駄目な指揮官として描かれていて、ほろ苦い。ドールマン少将が背負っていたものを考えれば狂気に冒されてもしかたない気はしてくる。しかも、敵は圧倒的に強大なのだ。
 厳しい評価ももっともだけど、同じ立場には立ちたくないよ。

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新生八八機動部隊 (2) マレー沖海戦! (RYU NOVELS)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 21:17 | comments(0) | -

新生八八機動部隊1〜南シナ海の激闘 林譲治

 フィリピンに配置された戦艦コロラドに感情移入してしまっている。航空機輸送艦テンペストも名前がカッコいい。商船改造の員数外戦力にかき回させるのは作者の得意技だが、それをアメリカ側に用意した点でも珍しい作品だ。

 日本側の新機軸は戦艦扶桑が触雷したことで生まれた戦艦紀伊と尾張。そして装甲空母に変更された扶桑と山城である。そういえば紀伊と尾張をセットにしているなら、三番艦は御三家の水戸にするのが自然じゃないのかな?そういう架空戦記に記憶がないのは不思議だ。
 電探の存在に1巻の終わりまで完全には気づけていない点でも、本作はちょっと珍しい。フィリピンにいたアメリカ艦隊とイギリスのZ艦隊に日本艦隊が絡むことで、ややこしい事態が招かれている。

 紀伊と尾張の自慢の主砲が火を噴くことはあるのだろうか。日本の経済を動かした「大山理論」は現代的な問題提起でもある。現代は公共事業としての軍事は大っぴらにはやりにくいし、兵器の自給率も下がっているけれど。

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新生八八機動部隊 南シナ海の激闘 (RYU NOVELS)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 21:47 | comments(0) | -

帝国海軍イージス戦隊1〜鉄壁の超速射砲、炸裂! 林譲治

 空母などに艦体の流用が可能な設計をされた軽巡洋艦阿賀野型。その構想から関わってきた森山少将が、阿賀野型4隻の戦隊をひきいて奮戦する。
 毎分20発の発射が可能な15センチ砲「超速射砲」の存在が恐ろしい。
 対空、対艦、対地、隙がないよね。だから米軍も負けまくっているよ。

 最後はサウスダコタ級戦艦(と空母3隻)が投入されてくるので、流石に滅多打ちとはいかないはずだが、プロローグで阿賀野型が全艦健在っぽいことから、林譲治式詐術で始末してしまう可能性が高い。横山信義の八八艦隊物語では最上型が戦艦に撃ち勝っていたなぁ。
 本作で高速戦艦を倒すのは、駆逐艦の雷撃か、航空攻撃か。
 搭載機数が限られるからと、阿賀野型ベース空母2隻に戦闘機だけを積んで防御に徹したら、逆に詰む状況だ。こうしてみると戦艦も有効なカードである。

 8500トンの阿賀野型の構想はアメリカ海軍のグリーブランド級軽巡洋艦とインディペンデンズ級軽空母が下敷きになっている?搭載機数36機から考えても、おおよそ近い感じである。
 電探と超速射砲の組み合わせによって、さらに恐ろしい存在と化しているが……TV信管まで繋げるのは無理そうだ。

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カテゴリ:架空戦記小説 | 20:53 | comments(0) | -
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