ビジュアルでわかる地球と人類の46億年史 土屋健・宮崎正勝

 地学と歴史が一冊の本になった変わった構成の一冊。
 接続部分はなかなか自然な感じに出来ている。しかし、歴史と地理をもっと繋げてほしかった。後を引き継ぐ歴史側が一方的に連携の負担をうけもつことになりがちなので大変だなぁ。
 さかのぼり系歴史本で、歴史と地学を連結させたら、かなりおもしろいものが出来るかもしれない。

 内容については地学はどんどん情報が更新されているのに、歴史は劇的な変化は難しいことが分かる。
 そういう意味で古い地学の方が新鮮である。
 歴史も具体的な数字をあげてくれていたりして、興味を引かれる部分はあった。
 やはり世界史だと日本の出番はどうしても限定的になってしまう。それこそ喜界島の破局噴火を絡めてフックを強めることはできないものか。

関連書評
生命史図譜 土屋健 群馬県立自然史博物館 監修
古第三紀・新第三紀・第四紀の生物・下 土屋健

地球と人類の46億年史
地球と人類の46億年史
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:14 | comments(0) | trackbacks(0)

地球情報地図50〜自然環境から国際情勢まで アラステア・ボネット

 山崎正浩 訳。
 非常に範囲の広いテーマでまとめられた世界地図50枚が展開される地図の本。たった一枚にまとめられている情報の背景には非常に大規模で入念な活動が展開されたことも意識したい。
 情報地図の一枚一枚が非常に多くの情報を与えてくれる。誤読もありえるが、可能性は無限である。

 世界地図であるから同じ指標で、世界中の国々を比較することができる。そのため、著者が指摘するごとく、アフリカ大陸南部の国がそれなりに安定していることが見えてくる。
 病気に対応する経済力さえ備われば、彼らは浮上して来れるはずだ。長期的な投資先として有望かもしれない。

 有毒動物や両生類の種類など、様々な視点から各地の自然の豊かさが見えてくる地図もあった。ロシアみたいに国土の広さで種類を増やしていたり、フランスみたいに南米の領土も統計にふくまれている場合もあるので、一概には判断できないが、やはり興味深い。
 著者がアジアを「世界の工場」として注目している点も興味深かった。自分の意識はなかなか変われていないが現実は劇的に変化している。それが地図を通してみえてくる。
 本書の力を借りて、少しでも思いこみを修正し、より正確な未来を見通せるようになりたい。


 あと、世界に二人しかいないメキシコ先住民の「アヤパネコ語」話者同士の仲が悪くて、一緒に会話するのを嫌がることがあるとのエピソードが笑っちゃいけないのに笑ってしまった。まじめに考えると、本人たちに限度を超えた苦痛を与えてまで少数言語を生き残らせるべきなのか、人権的な問題になってくる。
 話者が少なくなるほど、その個性によって言語の生き残りが左右されかねないのだなぁ。変質のリスクもまた高くなる(それを考えると仲が悪い場合にも長所がある?間違った言葉遣いは指摘されるので)。

関連書評
地図で見るラテンアメリカハンドブック 原書房
アラブ・イスラエル紛争地図 マーティン・ギルバート 小林和香子・監訳

地球情報地図50: 自然環境から国際情勢まで
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カテゴリ:架空戦記小説 | 22:35 | comments(0) | trackbacks(0)

世界の絶景 ハワイ ナショナルジオグラフィックDVD

 ハワイにイエローストーン、グランドキャニオン……世界の絶景と銘打ちながらアメリカ合衆国の絶景しか紹介する気がないんじゃあるまいな?
 それができるほどアメリカが広大な国で、中でも北西ハワイ諸島は周囲から隔絶された特殊な土地柄ではあった。タイトルはわかりやすく「ハワイ」となっているけれど、その西の端は日本人にも有名なミッドウェー環礁である。クレ環礁というのもミッドウェーの近くにあるらしい。
 第二次世界大戦オタクには知られているはずの「フレンチフリゲート環礁」は「フレンチフリゲート瀬」と呼ばれていた。おそらく環礁の形をなしていないから?

 さすがに太平洋の暖かい海は美しく、生命も多様だったのだが、モンクアザラシの雄が集団で雌を襲い、雌の命を危険に晒すこともあると知っておののいた。
 さすがは海生ほ乳類。私の評価はそのような形で落ち着いた。現場をおさえてしまったときのモンクアザラシを保護する側の気分は想像しにくい……。擬人化して考えすぎか。

 岩場に取り付いての生物サンプルの採集と素手によるイタチザメの捕獲は「決して真似しないでください」のテロップがつきそうな危険行為だった。イタチザメが飛び立つのに失敗したアホウドリの雛を食べちゃうシーンをみると、よけいに怖くなる。
 アメリカの海洋科学者たちもよくやるなぁ……冒険家の末裔だけのことはある。

関連書評
世界の絶景 イエローストーン ナショナルジオグラフィック
世界の絶景 グランド・キャニオン ナショナルジオグラフィック

DVD 世界の絶景
DVD 世界の絶景
カテゴリ:架空戦記小説 | 18:50 | comments(0) | trackbacks(0)

伝統工芸のきほん3〜木工と金工 理論社

 江戸指物と南部鉄器をそれぞれの代表にくわしく製造方法を説明し、他にも各地の伝統的な木工と金工が並べられている本。
 江戸指物の製造に使われる豆かんながカワイイ。面取りの重要性は木工でも変わらないのだな。ほぞを使って指し合わせるから「指物」ということも覚えておきたい。
 製造風景の写真からは、ほぞのピッチは「職人の中で規格化」されているように見えた。

 南部鉄器はぶつぶつの模様づくりに一日以上掛けている点にめまいがした。とてつもなく根気がいる作業である。これと瞬間的な集中力がいる鋳鉄の流し込み作業があるわけで、異なった集中力が要求される仕事だ。
 うるしとおはぐろを使った表面仕上げも興味深かった。場合によっては塗り直すこともあるのかなぁ。
 ひとつの南部鉄器の鉄瓶を作るのに7〜10日掛かるようで、値段もそれなりになることが想像できる。

 みんななんとか製造技術が生き残っていってほしいものだ。

関連書評
金・銀・銅の日本史 村上隆
ヴィジュアル史料日本職人史[]職人の誕生[古代・中世編] 遠藤元男

伝統工芸のきほん〈3〉木工と金工
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カテゴリ:架空戦記小説 | 23:14 | comments(0) | trackbacks(0)

はじめての無料でできるWindowsムービーメーカー 羽石相

 無料は甘美な響き。タダより高いものはないとも言って、機能的に不足なために遠回りの損をする場合もあるかもしれないけれど、結局はやりたいこと次第である。
 本書はマイクロソフトが提供しているWindowsムービーメーカーの使い方を懇切丁寧におしえて一応のことができるようにしてくれる本だ。無料でもその機能を使いこなすまでは行っていない気がする。

 ムービーメーカーは流石にマイクロソフト、直感的に操作できそうなUIになっている。パワーポイントにちょっと似ている部分もある。
 DVDに焼くために他の無料ソフトを紹介されたおかげで、ムービーメーカーのわかりやすさが際だった。あとはパソコン操作の基本的な知識の見直しになった。
 著者おすすめのディスククリーンアップで要領が確保できる時代は短いと思うけどな。DirectXをつかったパソコンのスペックチェックは付箋を貼ってやってみる!

 巻末の用語集も意味を知らずに使っている言葉が多くて意外と勉強になった。サムネイルが親指の爪が語源だったなんて、言われてみればその通りの単語なのに気づかなかったよ(いや、前にも驚いて忘れていただけの気がしてきた……)。

関連書評
MikuMikuDanceでPさんと呼ばれる本

はじめての無料でできるWindowsムービーメーカー (BASIC MASTER SERIES)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 23:23 | comments(0) | trackbacks(0)

信長軍の合戦史1560-1582 日本史史料研究会・監修 渡邊大門・編

 信長軍の合戦について11人の著者がそれぞれのテーマで解説する。長篠の合戦みたいに諸説入り乱れていることの紹介に終始している話もあれば、姉川の合戦みたいに織田軍が奇襲を受けたのだと自分の説を言い切っている話もある。
 著者によって歴史の語り方は様々であった。

 この分野の研究進展は著しいらしく、いつの間にか「常識」が古い説になってしまっている。岩村城に武田氏が配置した人物が秋山ではなかったらしいと書かれていて驚いた。
 信長公記に対しても信長を顕彰するための作為があると、批判的な読み解き方をする人がいて、前述の姉川の合戦は奇襲を受けているし、荒木村重は臆病ではなかったと再評価されている。
 興味深いがまた別の説が出てきて、その繰り返しになるかもしれない。

 中国戦線は織田軍の「ボロ」が結構でている印象で、やはり急速な戦線拡大が背景にあるんじゃないかと思った。あと、鳥取城の戦いで、羽衣石城を孤塁となりつつも守り続け、毛利軍の補給を遮断した南條元続の功績はもっと評価されるべき。

関連書評
信長軍の司令官 谷口克広

信長軍の合戦史
信長軍の合戦史
カテゴリ:架空戦記小説 | 00:19 | comments(0) | trackbacks(0)

覇者の戦塵1945〜戦略爆撃阻止 谷甲州

 各務大佐……退場させられたんじゃなかったのか?
 意味不明のしぶとさに戦慄した。若手将校の弱った心につけこむ謎の能力も披露して、ますます怪物じみてきた。上村尽瞑と精神世界で戦ってこいよ。現実に出てきてはいけない。
 残り2巻の貴重な紙面なんだから――あとがきでの宣言にとても寂しくなった。ここに至るまでに27年も掛かっているからしかたないね。挿絵の佐藤道明先生もずっと担当しているのだっけ?
 著者が次なる架空戦記小説の構想をもっている可能性はあるのかなぁ。それよりも新・航空宇宙軍史の続きをお願いしたいが、ともかく著者の健康を祈る。

 タイトルからB-29と国土防空部隊の戦いを想像したのだけど、意外にも主戦場は東にあって、アメリカ空母機動部隊と国土防空部隊の戦いだった。翔竜大量搭載陸奥の出番は先送りにされた。このまま硫黄島での海戦になると、出番なしで終わる可能性さえ?
 ここは原爆搭載B-29を撃墜してほしい……でも、エノラ・ゲイが現れるまで戦いが続いていたら日本は負けているかも?

 講和に関連して中国が日本と戦っていない世界の戦後に関する話題がちょこちょこと出てきたが、核兵器が使われないまま終わることも相当大きな影響を与えそうである。
 まぁ、核実験だけでも威力は伝わるかな。
 秋津大佐と蒋介石の会談も楽しみである。昨日の今日ですごい移動力だ。心身が鋼鉄で出来ていなければ参謀本部の最高実力者はつとまらない。
 独断専行気味ながら日本の代表者とは北満州油田のころから考えれば本当に出世したものだ。
 上海まで飛行機で行くと聞いたときには、いつかの超長距離機に久々の出番を期待したのだが現実は甘くなかった。もしも使うならマルタやヤルタに追いかける時かな。ないないそれはない。

 アメリカ軍が表紙にもなっているブラックウィドゥを投入してきたのに対して、日本軍側も彩雲改を筆頭にいろいろな新世代の機種が投入されて、安定して機能している点もよろこばしかった。
 やっぱり疾風が本土防空の切り札になりそうだ。生産体制がしっかりしたこの世界なら紫電改と違って引っかかる部分のない名機!

谷甲州作品感想記事一覧

覇者の戦塵1945 - 戦略爆撃阻止 (C★NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 23:55 | comments(0) | trackbacks(0)

大人が読みたいアインシュタインの話 石川憲二

 理論物理学者アインシュタインの「意外な一面」演出のために捏造され掛かっていたイメージを突き崩し、結果的に意外な一面を見せてくれる伝記。
 相対性理論に対する説明もあるが数式はほとんど使っていない。音波を中間の例に持ち出してくれたところは分かりやすくて良かった。
 アインシュタインの人生にエジソンによる直流発電の売り込みが影響していたことは驚きのようで、エジソンほどの影響力があれば当然にも思われる。

 東北大教授を打診されたことがあったのは非常に興味深い。それは成らなかったが講演で43日間滞在した日本に原爆が使われてしまうとは彼もショックだっただろう。

 舌を出した写真が例外的な姿を写したものだったとか、家庭関係はけっこうドロドロしていたとか、妹の頭にボウリング球を投げつけたとか、個人としてのエピソードも驚きがあって楽しめた。単純に楽しんでいいものなのかは疑問なのだが、楽しんでしまった。

大人が読みたいアインシュタインの話-エジソンの発明と相対性理論の意外な関係- (B&Tブックス)
大人が読みたいアインシュタインの話-エジソンの発明と相対性理論の意外な関係- (B&Tブックス)
カテゴリ:架空戦記小説 | 20:03 | comments(0) | trackbacks(0)

新漢詩紀行 副読本<<下巻>> 石川忠久・監修

 やや暗めの詩が多い下巻。
 炭を売る翁は何度読んでもつらい。せめて炭を半分にして市場にもっていけばリスク分散になったのだが、市場が遠ければそんな手間を掛けられないし、二回行って二回ともやられてしまう展開もないとは言い切れない……。
 そんな詩を書いた白楽天が、引退しろしろ言いながら自分は引退しなかった詩を書いていたのも解説ごと思い出せて、ちょっとだけ和んだ。

 巻末には漢詩関連の年表や地図が収録されていて興味深い。
 李白とトホは二人だけで年表をもらっている。李白の年表には「○○で遊ぶ」が多すぎる。どんだけ遊び人あつかいなんだ。トホも「遊んで」ほしかった。人生が豊かそうなのはどっちと考えはじめるとうまく結論が出せない……。

 中国全体の年表からは唐の詩人がものすごく充実していたことが分かる。なにせ、そこだけ二行にわかれて詩人の名前をならべているのである。北宋の時代が過ぎてからは、ちょっと寂しい。今の時代、ここに名を連ねられる詩人が生まれうるのかなぁ。

新漢詩紀行 ~石川忠久監修~ 10巻BOX [DVD]
新漢詩紀行 ~石川忠久監修~ 10巻BOX [DVD]
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:23 | comments(0) | trackbacks(0)

半島有事5〜嵐の挟撃軍団 大石英司

 大邱から大田までの詳細地図が収録されて読みやすくなった。
 なかなかソウルには近づけないようで、海や空からの作戦は何度か行われている。北朝鮮軍は補給能力で勝ち目がないし、そろそろ手を挙げた方がいいんだけどな。現実が見えている人間が指揮していなければ、まだまだ多くの土地を制圧していると勘違いして、死守命令すら出しかねない?

 まぁ、今のところ死守命令は出ていなくて、柔軟に戦線をまとめる意志はあるみたい。さすがにソウルが戦場になった場合は簡単には下がれないのではないか。
 38度線より北では戦いたくないに違いないし……。

 90式戦車4両が連続砲撃で北朝鮮軍の戦車を射的撃ちしてしまう展開には、ちょっと冷めた。ただセンサーなどの関係で条件がそろえば、あの結果になることも違和感はない。
 湾岸戦争を考えてもこんなものか?見通しのいい砂漠ではなく、山岳地や市街地を舞台にしている分、北朝鮮軍戦車隊の方がまたやりようはありそうだ。
 そういえば中国軍戦車の性能はどうなっているのかな。電子機器はいろいろ更新されてマシになっているんだろうか?

 柳大尉と孟大尉が主人公に見えてきた。サイレントコアは強すぎるし、あくまでもお手伝いさんだから。
 韓国の国道は奇数が南北で、偶数が東西に走っているのは分かりやすくていいなぁ。

大石英司作品感想記事一覧

半島有事5 嵐の挟撃軍団 (C★NOVELS)
半島有事5 嵐の挟撃軍団 (C★NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 12:49 | comments(0) | trackbacks(0)
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