おいしい”つぶつぶ”穀物の知恵 盛口満 文・絵

 ゲッチョ先生の穀物コレクション

 とっても身近な作物、穀物について収穫前の姿からスケッチをしている絵本。最初に出てくるのはイネ科の旗手イネであるが、イネ科に属さない双子葉植物のアマランサスやソバにも出番が与えられていた。
 インドで作物化されている雑草があったり、ヒエだけは日本原産の可能性が隠されていたり、おいしいつぶつぶ穀物の世界も奥が深い。

 雑草にも丁寧に処理すれば食べられるつぶつぶがたくさんあることを知った。でも、サバイバル本で採集を勧められているところは、あまり見ないような……そんな雑草を収穫に適した性質に品種改良して、現代に伝えてくれた先祖に感謝である。
 収穫量の多い穀物だけに偏らず、バランスよく後世に受け継いでいけたらいいなぁ。

 品種改良について穀物側が生き残るために「考えた」ような視点から説明していた。それも一つの見方ではあるけれど、やはり人間による淘汰圧を意識せざるを得ない。

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おいしい“つぶつぶ
おいしい“つぶつぶ" 穀物の知恵 ゲッチョ先生の穀物コレクション(ゲッチョ先生の自然誌コレクション)
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ジブリの猫たち 宝島社

 「猫の恩返し」上映にあわせて出版されたらしいジブリと猫の本。猫の恩返し以外の作品からも猫が紹介されているが、期待したよりも少なくて猫バスとジジが主力である。「耳をすませば」にも猫は出ているのだが、猫の恩返しと共通の世界という感じで本書での存在感は弱かった。

 ジブリスタッフにより自分の猫自慢やジブリ周辺の野良猫写真は、どうでもいい感じがどうにもいい。
 牛子と呼ばれる牛柄の猫については覚えてしまった。しかし、15年前の本だから元気にしているかなぁ……。

 インタビューでは鈴木プロデューサーが流石にいいことを言っている。15年前から激動の時代で、若者はがんばりにくいと思われていたのか。参ってしまうな。
 自分が「猫の恩返し」のダイジェスト紹介で感じたのは、価値観の違う世界はほんわかして見えても落とし穴があるってことで、主人公の成長ではなかったが、それは通してみないと分からないのだろう。

ジブリの猫たち
ジブリの猫たち
カテゴリ:写真・イラスト集 | 21:55 | comments(0) | trackbacks(0)

奇岩の世界 山田英春 編 創元社

 フリー写真をふんだんに使った奇岩写真集。一部は編集者が自分で撮影したもので巻末にクレジットのついている写真もあるのだが、時代はここまで来たかと驚きを禁じ得ない。
 そのまま本で印刷しても通用するほど高解像度の写真がネットにあふれているのか。さすがにフリーと言ってもプロが撮影した高解像度の写真がメインかなぁ。

 不思議なバランスを保っている奇岩はどれも「??」と思わせてくれた。バランスを保てない岩は崩れてしまうので、保てているものだけが奇岩と言われる一種の生存バイアスである。
 載っているだけじゃなくて、くっついている関係でおそろしいほど奇妙な形状をたもっている岩もある。表紙にもなっている「翼の王」などまるでリーゼントヘアーだった。

 奇岩が人の住みかになっている場合もあるが、さすがに修道院や要塞などの特殊な施設が多めだ。
 だがポルトガル人は本気で岩に住む。たしか住居にデータロガーを設置して調べている本でもイベリア人がくり抜いた岩の中に住んでいた(スペイン人だった可能性もある)。
 そういうのも一種の文化なのであろう。

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奇岩の世界
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高度1万メートルから届いた 世界の夕景・夜景 杉江弘

 合計飛行時間3万時間以上!
 世界中の空を飛び回ったパイロットである著者による世界の夕景および夜景の写真集。微妙な時間帯だけに、その瞬間にしか存在しえなかった景色が切り取られて展開されている。
 特に都市は刻々と姿を変えていくので、いまはまったく別の姿をしているに違いない。貴重な写真だ。

 撮影テクニックの講座もあるが、パイロット目線からみた飛行機雲の話が興味深かった。飛行機雲から気流を読みとり安全性や経済性から高度変更の判断をする。
 ある意味で職業病といえるかもしれない。

 地上からでも飛行機雲は気象に関する情報を与えてくれるはずで、飛行機が飛んでいなかった時代には存在しなかったファクターだ。だから観天望気の蓄積が足りないとすれば、詳しく追ってみる価値がある。
 夕景のベスト3に大阪が、夜景のベスト3に東京が入っていた。こういうところでも名古屋は入れないんだ……まったく名古屋は地味だぜ!フウハハハハー!!

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高度1万メートルから届いた世界の夕景・夜景
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PLANET ZOO〜世界の動物園 奥宮誠次

 全日空月刊機内誌「翼の王国」用に掲載された世界の動物園写真集が書籍化されたもの。
 主役は動物じゃなくて動物園であるため、訪れる人やユニークなサービスも撮影されている。あるいは動物の展示スペースに意識の向いている写真もあった。
 著者の視点がそういう方向に変化していった様子が興味深い。

 表紙にもなっている下からミーアキャットのフィールドに頭をつきだせる展示は、写真映えするなぁ。いまだとSNSにあげられまくっていそう。

 動物園内に人工の岩山を築いてエレベーター付きの展望台にする風習(奇習)が欧米にあるっぽいのも、ちょっとおもしろかった。
 アムステルダムなど都市と動物園の景観が融合していて、日本庭園の遠景の使い方を思わせる。日本の動物園は展示方法で工夫しているが、非日常空間であることを意識しているように感じた。

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世界の動物園
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なぜか頭からはなれない奇妙な絶景spot50 渋川育由

 確かに奇妙。
 ここに暮らしている人々は奇妙さを感じることなく、慣れて生活しているのかな?それとも、ずっとセンスオブワンダーを働かせているのだろうか。

 そんな想いをこめて眺められる世界の風景写真集。
 泰山の階段約7000段は、いまならカウントした人がネットで報告していそうなものである。数え間違いの情報が入り乱れてよけいに混乱しているかも?

 オーストラリアのピンク色の湖、ミドル島のヒリアー湖は絵の具をあらうバケツみたい。海へピンク色が漏れていかないことが不思議に思えるコントラストだった。

 ボリビアのユンガスの道は世界の酷道。観光客にはスリルあふれる刺激的な道でも現地住民にはたまったものではない。
 あたらしい道がひらかれてよかった。

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なぜか頭からはなれない奇妙な絶景50
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世界の写真家たちによる冒険の記録 世界でいちばん美しい洞窟、魅惑の石窟

 魅力的な地下世界をえがいた写真集。
 特に中国の二王洞は独自の気候や生態系すら持っているらしい。そこを行く写真家の姿は、まさに冒険家であった。フランスにすら最深部に到達されていないベルガー洞窟があるというから驚きだ。そして、洪水で死者がでるほど危険だ。
 地上の口をふさいで洪水を防ごうにも細かい水の流入口が無数にあるのかもしれない。

 アイスランドなどに見られる氷河の下にある氷洞は、地球温暖化にともなって危機に瀕しているものが多いらしく、いまのうちに見ておかなければ絶対に見れなくなるかもしれないと感じてしまった。

 あと、洞窟内にテーブルのおかれたオシャレなポリニャーノ・ア・マーレの洞窟レストランにアドベンチャーゲームの背景で見覚えがあった……思わぬところで再会するなぁ。
 マサダ要塞なみの存在感をほこるスリランカのシギリヤもとても格好良く出来るものなら行ってみたい。アフガニスタンどころか、ミャンマーやスリランカの名前にさえ物騒なものを感じてしまう世情がつらいところだ。

 洞窟内の照明や中国やベトナムではかなりカラフルにしている様子。ヨーロッパはシンプルかと思いきやドイツの洞窟に怪しいものがあった。本書の印象だけで言えばアメリカ人の方がヨーロッパ人より素朴な自然を重視していそう。

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世界でいちばん美しい洞窟、魅惑の石窟 世界の写真家たちによる冒険の記録
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食べられたがる果物のヒミツ 盛口満 文・絵

 果物にまつわる自然の知識果物のカラーイラストで説明される。
 柑橘類の輪切りスケッチがたくさん出てくる。現実には果汁が出てきてスケッチほどは観察しやすくないはず。そういうところにもスケッチの利点を感じた。
 本書ではみかんの先祖は不明になってしまっていると説明されているけれど、ちょうど遺伝子解析によって絞り込まれてきたとのニュースが流れたところである。
 南大東島の天然漂着みかんにはロマンを感じた。著者は茨城の海岸で椰子のみを発見しているらしく、渥美半島くらいは余裕のようだ。

 スケッチの対象は果物にとどまらず、葉や果物によってくる動物にまで及んでいる。
 昆虫は五倍スケールで描かれているから、ちょっと注意。

 あと、海外の果物として、台湾とニュージーランドのものが紹介されていて、ひとくち食べてみたくなった。
 ちなみに、ニュージーランドでブレイクしたキウイは日本の国内生産もうまく行っていて南半球のニュージーランドと旬を補い合っているらしい。

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見てびっくり野菜の植物学 盛口満 文・絵
そだててあそぼう14〜イチゴの絵本 きむらまさゆき・へん

食べられたがる果物のヒミツ―ゲッチョ先生の果物コレクション
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見てびっくり野菜の植物学 盛口満 文・絵

 序盤にパイナップルが出てきてびっくり。野菜……か?そういえば途中で出てきたスイカには何も違和感を覚えなかった。中国では種を食べるための品種があるとの記述に驚いてしまって、それどころではなかったせいかもしれない。

 本書では一冊に収まっているのが不思議なほどたくさんの野菜のイラストをみることが出来た。
 同じ野菜でも品種によって姿がまったく違う場合があるので、描き分けられている。一方でダイコンとカブという別物の野菜なのに姿がよく似ていて見分けることが難しい例も示されていた。

 国内の珍しい品種を描かれると、その貴重な品種の維持が心配になってしまうことがあった。
 もっとも、下仁田ネギや安納いもなどブレイクしている「勝ち組」も混ざっているのだが。

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世界の不思議な野菜 湯浅浩史 子供の科学サイエンスブック
おもしろふしぎ日本の伝統食材3〜だいこん

見てびっくり野菜の植物学―ゲッチョ先生の野菜コレクション
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緊急報道写真集2014.9.27御嶽山噴火 信濃毎日新聞社

 火山災害としては戦後最大の犠牲者を出した2014年の御嶽山噴火の報道写真集。
 地元長野県の新聞社らしい現地に密着した情報が数多く得られている。反面、岐阜県側の存在感が希薄になってしまっている様子は不満が残った。岐阜新聞はこういう本を出しているのかなぁ。

 救助活動の写真をみると、火山灰に早い時期から亀裂構造が生じている。少量でも雨が降ったのか現地の気象状況を間接的に伝えている気がした。
 大雨が降ってからの救助活動は本当に大変そうで、泥まみれになった自衛隊員が要救助者と見間違えそうな状態になっている写真まであった。
 警察、消防も連日救助活動にあたっていて、体力の限界に挑むような苦労がしのばれた。噴石除けの盾までもって空気の薄い高山に登っているわけで……。

 噴火対策については地元の玉滝村はせっせと準備を進めていたが、国は監視を縮小する方法だったとの指摘が巻末でなされている。少なくとも東日本大震災直後からは監視体制を強化するべきだったのだ……。

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緊急出版 平成28年熊本地震 発生から2週間の記録

緊急報道写真集 2014.9.27 御嶽山噴火
緊急報道写真集 2014.9.27 御嶽山噴火
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