セラミックス 第55巻 7月号(2020年)


■超高圧合成による超高靭性・透明セラミックスの開発
 元々は地学の地球深部の研究に使われていた高圧の機器が工学に応用されるようになっている。地学も世の中の役に立っているのだ。研究用としては高圧を出せる代わりにビーキーな機器だろうから、生産になるといろいろ障害が多そうだ。

■ CAD/CAMシステムを用いた歯科用ジルコニア審美修復
 残念ながら歯科治療とは縁が深いので身近に感じて興味深く読んだ。透明感の出し方にかなり拘りがあるようだ。自然にみせるためには、多層にして調整しないといけないなんて人体は複雑だな。

■ 深層学習による焼結体物性予測と説明可能性
 AIの難しい話。AIが注目している部分も間接的に推量する必要があるのか。確かにブラックボックス。相関性があるものは、さらに着眼点が読みにくい。評価の難しいことだ。

この人にきく 
 白磁を焼いている陶芸家のインタビュー。先達である富本憲吉の「紋様から紋様をつくるべからず」の言葉は、有名なアニメ監督も似たことを言っていた気がする。検索したら「紋様」じゃなくて「模様」でヒットした。陶芸なら紋様のほうが自然に思うけど。
 白磁の形を陰影で表現することは、光の当て方しだいで作品の表情が変わることになり、絵付けをされた作品よりも長く楽しめる可能性を感じた。
カテゴリ:工学 | 21:26 | comments(0) | -

耐火物 2020/7

・クロム及びジルコニウムフリーポーラスれんがの開発
クロムはわかるが、ジルコニウムも放射性同位体が含まれることから忌避されるようになっていた。縛りが増える中でも代替品が見つかっていることが、たまに不思議に思える。最初からそいつを開発できなかったのかと?やはりコストの問題も大きいのかな。


・不定形耐火物の粗粒原料種が各種物性値に及ぼす影響
間隙の存在によって材質そのものの熱伝導と耐火物の熱伝導が違ってくるという話。間隙ができやすいSiCは強度的にはどうなのか、疑問に思った。応用すれば熱伝導率の変化によって耐火物の状態をモニタリングすることができるかもしれない。

・プレヒーター・クーラーにおけるノンセメントキャスタブルの適用
アチューマットによるコーチング除去はセメントキルンに熱が残った状態でおこなわれているのか?門外漢には前提となる部分が当然の情報として流されている感覚。さすがに運転中に高圧水を打ち込める構造になっているわけじゃないと思うが。

・セメントキルンにおけるK2SO4の塩基性耐火物への影響
ペリクレースって聞き覚えがあると思って検索。酸化マグネシウムのことらしい。鉱物から疎遠になってしまったなぁ。

・高強度乾式吹付け材の開発とセメントキルンへの適用例
写真の比較部が回転方向なのか軸方向なのか分からなかった。耐久度比較には回転方向のほうが好ましいと思うが。原料の落下部と断っているから回転方向かな?

・耐火物サロン野球と温泉
打順3番で送りバントを得意とする体格のいい選手。いろいろ奇策を考えるものだ。しっかり偵察されると通じなそうではある。
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セラミックス 第55巻 5月号(2020年)

随想 陶磁器用顔料の開発
 コバルトの釉薬は周囲に溶け込んで色が滲みやすいのか。博物館で染付をみたときに確認してみたい。にじみを抑えつつ色を維持するための工夫が最後は力技的だった。まぁ、ともかく安定して発色しなければ話にならないからなぁ。

■ モルフォロジクス:材料の「かたち」と「はたらき」を紐解く科学
 モルフォ蝶のモルフォと同じ語源なのかな。構造色のイメージが強い言葉だが、機能に注目した研究のようだった。

■ 数理的均質化法に基づく材料微視構造のトポロジー最適化
 数値計算で最適なミクロ構造を割りだそうという研究。梁の長さによってミクロ構造も大きく変化していくので、「万能の構造」探しとは
逆方向のやりかたみたいだ。開発コストが上がってもリターンが見込めるのは大量生産する高付加価値製品の部品開発か。

■ ナノスケールの積木細工─ナノブロックの集積による形態制御と機能開拓─
 四角い建物がならぶ街の地図みたいな画像がついている。著者も積み木に例えている。これを狙い通りにつくれるのは凄い。

ほっとSpring 焼き物の里、砥部を訪ねて
 愛媛県の砥部。窯元が100もあることに驚いた。砥石屑が窯業原料になったことも。博物館じゃなくて産業会館が広告塔になって企画展などもしているみたい。
カテゴリ:工学 | 23:45 | comments(0) | -

工業加熱 2020/5 VOL.57 NO.3

新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針
 三密の説明は、3つの条件が重ならなければ一つ一つなら大丈夫って印象を受け手に与えそうだと危惧した。一つ一つでも感染しうるし、これらを満たさない場合でも感染するときは感染するものと思っておいたほうがいいはず。
 筋肉トレーニングの紹介がありがたい。

〜廃熱回収と”活エネルギー”のご提案〜
 排ガスの熱回収によるエネルギー活用の提案。蒸気の需要がある工場でどんどん実用化してもらいたい。フラッシュ蒸気が湯になったあとも水と熱交換させるフローが徹底的に熱を絞り出していて強い。

モノを温めるために、新しきを知る皆さんへ 第3回
 1975年の日本食が(塩分を除いて)理想的というのは、どこかで聞いてことがある。金属同士の滑り軸受はチャリオット時代からの数千年の実績があるはず。グリスを入れていても発熱すごかったに違いない。

噴煙をあげる富士山
 よく調べられている。やはり富士山は活動的な火山だ。画狂老人卍なら題材にした当時の様子を調べて煙を描いていても不思議はない気がした。買いかぶり過ぎかな。
カテゴリ:工学 | 20:31 | comments(0) | -

耐火物 2020/5月号

随想 耐火物の理屈
 専門書の海賊版おじさんの思い出から専門書の話。台湾の大学街には専門書コピーしまくり業者がいて、本のまま海賊版コピーをできるコピー機をもっていて学生相手に商売していると留学生に聞いたものだ。いまはちゃんとしているのだろうか。
 目の前の現象に理屈を与えてくれる知識は大切という話だった。

解説 動物・細胞を用いた評価
 リフラクトリーセラミックファイバーの問題はまだまだ続いている。人間がファイバーを使い続けるかぎり、ずっと続きそうだ。紹介されている生理食塩水への溶解試験で生分解性確認は、わりとお手軽な方法だな。簡易ゆえに認可をえるには使えないっぽいが。

高温耐用性を向上した生体内低残存性ウールの加熱特性
 1400℃用生分解性ファイバーの性能試験結果。なかなか優秀な値を示すが、RCFとの大きな違いは1400℃をオーバーした途端に大きく変質してしまう点にあるようだ。性能の限界近くで使っている感じ。
 制御の暴走で高温になってしまったり、モニタリングしていなくて部分的に高温になる場所にはRCF以上の注意が必要と思われる。

サロン 青色
青色にも寒々しい色というマイナス要素があるよ。たしかにラピスラズリは貴重だけど、植物から青色をとってきた地域とは価値観が違いそう。ヨーロッパも色のいまいちな藍をとる植物はあったらしい。
 などと面倒くさいことを思いながらだいたい同意した。
カテゴリ:工学 | 21:46 | comments(0) | -

工業加熱 2020/3 VOL.57 NO.2

熱処理知識向上のための基礎講座
 鉄の相転移がたいていの金属とは逆であり、加熱によって密度の低い方から高い方に転移するため焼入れが可能になるとのこと。後半の図に出てくる温度の矢印が逆になっているようだ。

製造設備におけるIoT
 話題のIoTを可能にする機器の紹介記事。バーナーの制御システムについてのもの。ちょっと難しかった。

技術・製品PR
 火炎識別装置のPR。燃料によって向いているセンサが違うことを知る。まぁ。天然ガス・プロパンガスと重油くらいしか意識していなかった。水素も天然ガスと同じ枠に入っているのでいいが、万が一微粉炭を使うときには注意が必要だな。
 バーナーを向かい合わせで使った場合の誤検知問題も興味深かった。

モノを温めるために、新しきを知る皆さんへ 第2回
 豊田自動織機の織機開発話。著者が博物館の織機を観察して木材を分析している。学芸員に聞いても知見はなかったのかな?自分で調べるのは立派なことだと思いつつ、気になった。

気候変動と歴史
 まがりなりにも専門的な教育を受けた自分にはモヤモヤする話。調べて書かれた部分には書き方が気になるだけで済んでいたが、恐竜が大きかったのは自転の遠心力で重力が〜〜だったのかな?でダメだった。いくら閑話休題でも理系の雑誌にこれはないだろう。地学はどこまで軽視されているんだ……つらたん。
カテゴリ:工学 | 18:00 | comments(0) | -

耐火物 2020/4

・MT車は素敵だ!
愛車のフィアット自慢からMTの効用についてまで話を広げている。著者が持つ2台の比較ではデュアロジックのフィアットの方がMTのフィアットよりも町中での燃費がよく、MTの最後の砦とされた燃費のよさも陥落しているらしい。MTの運転が脳のトレーニングになるという考えは事故のリスクを考えるとレースゲームでやってほしくはある。自動車を日常で使用する高齢者でも、VRでトレーニングできるようになるといいなぁ。うまくすれば点数で異常が早めにわかるし。

・細胞機能の活性化におけるイオンの組合せ効果
Si,Ca,Mgが骨芽細胞にあたえる影響を調査した研究。ミックスして使った場合、Mgは単体で使う以上の+効果をもたらすらしい。3つの最適な割合について割り出されている。
単体では影響のない元素が他と組み合わせることで大きな影響を及ぼしたりしそうな分野だ。

・珪砂キラの有効利用
良質な柱になる木材が枯渇してきたので、合板で家を建てる方法を検討するみたいな話。バインダーの工夫によって利用の可能性はあるらしい。まったく同等の性能を求めなければいけるのかもしれないが、その場合はコスト次第か。

・宇宙をネットサーフィン
専門分野じゃないとはいえ雑誌で披露する知識がこんなものでいいのだろうか。タイトルからはグーグルアースの天球版をみているかと思った。ニュースの関連リンクは強力だな。
カテゴリ:工学 | 22:54 | comments(0) | -

セラミックス 第55巻 4月号(2020年)

随想 未来の研究者たちに託す思い
 社外秘のため特許以外の情報が公開されていない埋もれてしまった技術。冷戦期にたくさんありそうだなぁ。車輪の再発明にエネルギーを使わないためにも情報がまとまってほしいものだ。
 芝蘭(シラン)は香りの良い花だったのか。どんな荒れ地でも育つたくましさしか認識していなかった。それとも自分が思っているのとは別の品種か?

■ アンモニア合成と分解の基礎
 ハーバー・ボッシュ法の説明。ボッシュの名前が入るなら、触媒を探索したアルヴィン・ミッタシュの名前も入れてあげてほしくなった。エネルギーを大量に使っているプロセスはメタンから水素を取り出す反応なので、再生可能エネルギーの電気分解で水素を確保する研究が行われている由。酸素の方もまとめてバーナーを使うプロセスで利用すれば排ガスのボリュームが減って省エネになるのだが保存や輸送のコストが問題か。

■ 再エネ由来の水素を原料にしたアンモニア製造およびアンモニアガスタービン発電─福島再生可能エネルギー研究所における取り組み─
 アンモニア燃焼のバーナーが開発されている。部品へのアルミ使用は厳禁だな。当然現れるNOx大量発生の問題にも対応しているが、操作が厳しいという印象は変わらない。着火は650℃らしいが、何度まで出せるのだろう。それも効率に関わってくるはずだが。

ほっとSpring TOTOミュージアム〜社会・地域と共に〜
 衛生陶器以外に食器なども製造していたTOTOの歴史がわかるミュージアム。座席が便器の形をした「トイレバイク」のインパクトが強すぎる!イベント時には便器の中にキャンディを入れて配っていたらしい。お、おぅ・・・外見のイメージに引っ張られないのが大事だな。本当に見るべきものは製造と使用の履歴。
カテゴリ:工学 | 17:44 | comments(0) | -

家づくりの図集2〜狭い敷地での間取り 泉幸甫・川口通正

 狭い敷地に建築家のテクニックを尽くして建てられた家の間取り集。最小は6坪、最大でも35坪しかない。しかも、旗竿地などの扱いにくい敷地での建築も多い。
 よくぞ建てたものだと感心するものの、住んでいる住民の満足度は載っていなかった。同じプロの目線から賞賛されているのみで、ちょっと不安になる。
 まぁ、こんな家を建てるには打ち合わせが必要なわけで、後から「こんなはずじゃなかった」と思う場合はあっても、納得済みのことであろう。
 家族構成の変化に対応できるのか、老婆心で心配した。日中は仕事に出ているから一階の日当たりは諦めている家も、土日や老後はどうしているのやら。活動的な住民なんだろうなぁ。

 吹き抜けや中庭などの空間を利用して狭い中にも開放感を与える工夫が目立った。
 まるでイスラム圏の都市建築で、参考にしていても違和感はない。それとも収斂進化なのか?
 予算の関係もあってか、景観の調和については気を使っておらず、尖っている家が多かった。コルゲートパイプの家とシリンダの家には笑った。用語解説でコルゲートパイプが出てくるのは、一軒のためだけっていう……。
 一度地下に降りないと入れない家もおもしろかった。

狭い敷地での間取り (家づくりの図集)
狭い敷地での間取り (家づくりの図集)
カテゴリ:工学 | 23:14 | comments(0) | -

古代世界の超技術〜あっと驚く「巨石文明の智慧」 志村史夫

 エジプト・ギリシア・ローマそしてメソアメリカとアンデスの文明における超技術を紹介する文庫。姉妹本の古代日本の超技術に比べると文献に頼る部分が多いのは当然だが、それでも著者が現地に行った経験があって、活かされている。
 職人の声については日本の石工から情報をえていた。ピラミッドの石を焼いて割る説で、カルタゴのハンニバルがアルプスの石を焼いて割った逸話を思い出した。酢もかけていたかもしれない?相手は石灰岩だし。

 四大文明は日本の歴史教育が生んだ鬼子であることを紹介しつつ、マヤ(メソアメリカ)とインカ(アンデス)を加えた六大文明の概念も紹介。
 インダス文明やエジプト文明へのメソポタミア文明の影響を考えると、独自性の高いマヤ文明はもっと評価されるべきではあるな。文字もあるし。
 アンデス文明の石垣加工で金属製のノミが使われただろうというところで、青銅製にならべて隕鉄製のノミの可能性をあげているのは、コスト的に無理がありそう。製鉄技術のない時代の古代メソポタミアでは金より貴重だったのだから、それくらいなら金のノミの方が……。

 現代人の効率や経済性中心の考え方で古代文明の技術をみると、読み解けないことがたくさんあるとの説明には納得させられた。宗教施設については特に不経済なことが信仰の証明になってしまう部分さえあったかもしれない。
 殉死がそうであるように。

古代世界の超技術 あっと驚く「巨石文明」の智慧 (ブルーバックス)
古代世界の超技術 あっと驚く「巨石文明」の智慧 (ブルーバックス)
カテゴリ:工学 | 20:25 | comments(0) | -
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