プロが真面目に飼育施設を考えてみた古生物動物園のつくり方 土屋健
2024.03.06 Wednesday | by sanasen
黒丸・イラスト原案、土屋香・絵、佐野祐介・飼育監修、古生物動物園研究者チーム・生物監修。
霧の中から古生物が出てくる設定(古生物出現!空想トラベルガイド)に接ぎ木をして、古生物を捕獲して動物園で飼育するSFが組み立てられている。恐ろしく強力な国際組織「国際自然史保護連合(IUCNH)」や「国際古生物保護条約」が背景になっている。
古生物の飼育に膨大な資源を使っているが、もしかしたらこの世界の軍は古生物対応で手一杯で戦争の可能性がなくなっているのでは?と想像させられて、そのリソースを使うなら出来そうな気がしてきた。
まぁ、間違いなく「僕が考えた最強の動物園」と化している。自然に近い生活が可能な展示場――水生生物や飛行生物も!――非常に大きな余裕を見込んだバックヤード、徹底した飼育員と観客の防護策。
バックヤードが巨大すぎて実際に配置したら次の古生物を見るまでに、むちゃくちゃ歩く必要が出てきそう。著者も一日では回りきれないと言っているし、外側には4つの駅がある専用鉄道まで巡らされている
やっぱりケツァルコアトルスとツパンダクティルスが飼育されるドームが飛び抜けてヤバい。東京ドーム2個分、高さ40メートルの金網で出来たドームとか、古代中国で衛の君主が鶴を飼うために造った飼育施設かよ……予算の負担的に。
監修担当者が古生物の傾向でだいたい分かれていて、担当者で古生物の種類がだいたい分かった。地質時代の方は比較的柔軟性がある。マチカネワニの担当が主に恐竜を研究している林昭次氏なのは意外だった。
他の危険な巨大古生物は軍が対応しているのに、マチカネワニは大阪の公務員がガムテープで口をグルグル巻きにしているのがなんとも……。
イラストはたくさんあって施設も主役であるためかシンプル寄り。恐竜でも羽毛が感じられない(プシッタコサウルスの尻尾の剛毛を除く)。アンキロサウルスが出来ないという解説と違って尾を上に振り上げている絵になっているのは違和感を覚えた。
土屋健(オフィスジオパレント)著作感想記事一覧
霧の中から古生物が出てくる設定(古生物出現!空想トラベルガイド)に接ぎ木をして、古生物を捕獲して動物園で飼育するSFが組み立てられている。恐ろしく強力な国際組織「国際自然史保護連合(IUCNH)」や「国際古生物保護条約」が背景になっている。
古生物の飼育に膨大な資源を使っているが、もしかしたらこの世界の軍は古生物対応で手一杯で戦争の可能性がなくなっているのでは?と想像させられて、そのリソースを使うなら出来そうな気がしてきた。
まぁ、間違いなく「僕が考えた最強の動物園」と化している。自然に近い生活が可能な展示場――水生生物や飛行生物も!――非常に大きな余裕を見込んだバックヤード、徹底した飼育員と観客の防護策。
バックヤードが巨大すぎて実際に配置したら次の古生物を見るまでに、むちゃくちゃ歩く必要が出てきそう。著者も一日では回りきれないと言っているし、外側には4つの駅がある専用鉄道まで巡らされている
やっぱりケツァルコアトルスとツパンダクティルスが飼育されるドームが飛び抜けてヤバい。東京ドーム2個分、高さ40メートルの金網で出来たドームとか、古代中国で衛の君主が鶴を飼うために造った飼育施設かよ……予算の負担的に。
監修担当者が古生物の傾向でだいたい分かれていて、担当者で古生物の種類がだいたい分かった。地質時代の方は比較的柔軟性がある。マチカネワニの担当が主に恐竜を研究している林昭次氏なのは意外だった。
他の危険な巨大古生物は軍が対応しているのに、マチカネワニは大阪の公務員がガムテープで口をグルグル巻きにしているのがなんとも……。
イラストはたくさんあって施設も主役であるためかシンプル寄り。恐竜でも羽毛が感じられない(プシッタコサウルスの尻尾の剛毛を除く)。アンキロサウルスが出来ないという解説と違って尾を上に振り上げている絵になっているのは違和感を覚えた。
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