地層ってなんだろう3〜歴史をしらべよう 目代邦康

 天然記念物の指定は1960年代以降すすんでいないそうだ。ジオパークを推進するとき一緒に、あるいは前作業として天然記念物化を進めればいいのにと思ったが、実際にはやっているかもしれない。

 カキが縦だとその場所で生きていたもの、カキが横になっていると死んで流されてきたもの。
 ここを覚えてみよう。
 サンゴも見事なものが千葉県の丘陵に出ているんだなぁ。海進期を実感させられる。現地に行けばもっと強く感じられるだろう。

 液状化現象を示す地層がぐちゃぐちゃになった露頭もすごかった。
 写真で上の方にいる人のポーズがちょっとコミカル。スケールになるからね、人が写るのは正しい。

地層ってなんだろう〈3〉歴史をしらべよう
地層ってなんだろう〈3〉歴史をしらべよう
カテゴリ:地学 | 21:28 | comments(0) | -

地層ってなんだろう2〜実験しよう 目代邦康


 小学校の校庭に河川実験施設があって、理科の授業で水を流して河川の形成を観察したことを思い出した。あとビーカーかペットボトルに土を入れて級化を観察する実験も義務教育期間にやった覚えがある。
 けっこう強い印象に残っているので、子供にはできるだけ地学の実験を経験してほしいと思った。
 近くにやっている博物館があれば恵まれている。

 実験が上手くいかなかった時がチャンスで条件の違いなどを考えてみようと書いているコラムを読んで思ったのだが、間違っていた条件がちょうど重力や素材の違う火星やタイタンの地学現象を再現している可能性もあるのかなぁ。
 そんな例がみつかったら最高だ。

地層ってなんだろう〈2〉実験しよう
地層ってなんだろう〈2〉実験しよう
カテゴリ:地学 | 22:58 | comments(0) | -

地層ってなんだろう1〜観察しよう 目代邦康

 まずは地層を生み出す様々な地形を写真と図で紹介していく。すべて国内の写真であり、日本の地形が多様なこともわかる。

 高山や南の島は近くに住んでいないと子供が観察するには難易度が高い。しかし、身近な地層がそういう場所で出来ている可能性を意識してほしいものだ。
 川の攻撃斜面は覚えやすいが、滑走斜面はすぐに忘れてしまう。インブリケーションの説明が懐かしかった。

 河岸段丘の断面図に日本には珍しい正断層が描かれている?それとも地滑りをイメージしているのかな?そう思っていたが2巻で同じ図が出てきて、河川堆積物を表しているにすぎないことに気づいた。
 地層の色を変えているところがポイントか。不整合面が湾曲していれば勘違いしにくかったのだが。

地層ってなんだろう〈1〉観察しよう
地層ってなんだろう〈1〉観察しよう
カテゴリ:地学 | 23:53 | comments(0) | -

雲のカタログ[空がわかる全種分類図鑑] 村井昭夫・鵜山義晃

 雲の種類は飛行機雲を加えてもたったの11種類!だが、その見分けは簡単ではなく、説明している本でも間違っていることがある。そのことを打開したいと考えた著者による雲のカタログ写真集。
 視直径によって雲の種類を見分けることは覚えておくと良さそうだ。そして、気象の変化に敏感になりたい。なんかカッコいいし。

 レアな光象の写真を撮るためにも雲の種類を見分ける能力は欠かせず、それぞれの関係を覚えておくことで目立たないがもっとレアなイベントにも気づける可能性がある。
 空の写真を撮りたいと考えている人にはとても参考になる本だ。

 それにしても星の数でレア度を煽る本が増えたなぁ。ガチャのあるソーシャルゲームの影響がじわじわ来ているのかもしれない……。

雲のカタログ  空がわかる全種分類図鑑
雲のカタログ 空がわかる全種分類図鑑
カテゴリ:地学 | 21:51 | comments(0) | -

宮沢賢治の地学実習 柴山元彦

 宮沢賢治が学んできた地学的な知識や露頭、逆に教えてきた地学などが紹介されている。
 個人的にあまり親しみのない東北地方のフィールドに興味がわいた。イギリス海岸のネーミングが強すぎる!
 中盤からは東北地方に限らず、魅力的な化石採集地や体験施設が紹介されている。岐阜県下呂市で行われている蛍石鉱山の採集体験ツアーが気になる。


 自分もそれなりに地学のことは学んできたはずなのだが、宮沢賢治と同じように人に教えられる自信がまったく持てない……自分の中で知識を消化することについて、改めて反省させられる。

 地学知識が取り込まれた作品については、けっこう難解で、読者の大半は何となく読んでいた予感がした。それでも、地学に親しむ切っ掛けになってくれれば関係者にはとても助かったことであろう。

宮沢賢治の地学実習
宮沢賢治の地学実習
カテゴリ:地学 | 22:40 | comments(0) | -

世界の富士山 伊藤和明/監修

 観光的な本を予想していたら、がっつり富士山の災害対策を啓蒙する本であった。
 びっくりした。

 まず、富士山が属するタイプの成層火山が世界各地で災害を引き起こしていることが説明される。どの火山も恐ろしいが、セント・ヘレンズ山に起こった噴火現象の描写は簡潔にしてダイナミック。一編の記録映像を展開されるがごとき迫力があった。
 実際の死亡例は多くないのだが、爆風が怖すぎる。

 富士山の噴火形式を説明するところでは山頂噴火は比較的大きな噴火になること、最近の噴火は珍しく山頂以外からの噴火で大規模なものが続いていることが印象的だった。
 これらのパターンからは次の噴火が読めない。そのことにも危機感を覚える。

 それでもハザードマップは作成されていて、その紹介が本書の最後を飾っている。ハザードマップそのものも付録についているのだが、滝や湧水地の紹介まで入っているのは、イメージ悪化を心配する観光業者への配慮と思われた。
 その紙面でもっと情報を盛り込んでほしい気もしてしまったが、実際に影響があるだろうから仕方ないのかな。

世界の富士山
世界の富士山
カテゴリ:地学 | 20:57 | comments(0) | -

海と陸をつなぐ進化論 須藤斎

 不定期的な湧昇に適応した珪藻の爆発的な増加は、地球全体規模の気候変動を反映していたかもしれない。さらにはクジラをはじめとする他の動物の進化にも大きな影響を与えていたかもしれない。

 そんな著者の説が丹念な珪藻の休眠胞子観察から組み立てられていく科学読み物。
 すべての時間を顕微鏡観察に捧げられてはじめて一人前の研究者という著者の先輩研究者の話も出てくるが、さすがにそこまでできない著者が結果を出していることに期待をかけたい。
 表紙の珪藻が綺麗である。見ていて飽きないとまでは言えないけれど、目を楽しませてくれる瞬間のある研究なのだろう。

 休眠胞子の上下を区別させてくれる突起は、上と下が外れにくくするために付いているのだろうな。
 わりと市販のプラスチック容器などにありそうな仕組みでおもしろかった。人間は自然の再発明をしているところがあるからなぁ。

海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化 (ブルーバックス)
海と陸をつなぐ進化論 気候変動と微生物がもたらした驚きの共進化 (ブルーバックス)
カテゴリ:地学 | 09:27 | comments(0) | trackbacks(0)

球状コンクリーションの科学 吉田英一

 世界各地から、はては火星でも発見されている球状コンクリーション。この成因について画期的な研究をおこなってきた著者による一冊。
 研究の重要性を伝える冒頭で現代技術をもってしてもコンクリートは100年もたないと書いているが、ローマ時代のコンクリートは遙かに長持ちしている。
 耐用年数は鉄筋コンクリートにしている影響が大きいはずで、コンクリーション並の強度なら現代技術でも再現できないのかな?そんな疑問が湧いた(強度比較がほしかった)。
 そのため、懐疑的な姿勢で読み進めたが、途中で疑問に思ったことにはだいたい回答がでてくる内容になっていた。一番してほしかった再現実験もおこなわれている。
 地質学的には短期間でも再現実験するには長期間みたいなことにはならなくて良かった。

 いちばん引っかかったのは(一部)アンモナイトのコンクリーションが扁平な理由の説明かなぁ。ツノガイみたいに口の部分を中心に腐食酸がひろがるなら、やっぱり球状に広がらないと違和感がある。そういう例も紹介されていたし。
 殻の縁から漏れているの?

 鉄コンクリーションの元となるコンクリーションは生物起源じゃないところも多少の混乱をかきたてた。化石が入っていなければ同位体分析するしかないってことかな。

 核廃棄物処理場のシールに使うのは、スケールが小さいから地震で壊れない構造も、大きくなると壊れる可能性がある問題に直面すると想像したが、どうなのだろうか。

球状コンクリーションの科学
球状コンクリーションの科学
カテゴリ:地学 | 12:33 | comments(0) | trackbacks(0)

法則の事典 Newtonライト

 物理化学生物の法則がいくつかまとめられた冊子……地学は?地層累重の法則くらい載せてくれてもいいのでは?
 数式は経験式的なものが多くなってしまうけれどさ。

 ニクロムの説明に「非常に抵抗の大きい合金のことです」と書いていたのは首を傾げた。下の図にあるように「ニッケルとクロムの合金であり、非常に抵抗が大きい」みたいに言った方が正確なのでは?
 ページ数が限られるからこそ、記述には慎重でなければならないのだが、わりとやっつけに感じてしまったのが正直なところであった。

 アボガドロ数の定義が2019年に変わったことは重要なニュースだなぁ。

Newtonライト『法則の事典』 (ニュートンムック)
Newtonライト『法則の事典』 (ニュートンムック)
カテゴリ:地学 | 22:19 | comments(0) | trackbacks(0)

東海のジオサイトを楽しむ 森勇一

 東海四県のジオサイトを興味深い話題とともに紹介する一冊。東海三県の本があったところに静岡県をくわえて加筆修正したらしい。ジオサイトに関して静岡県は強力すぎる。
 単独でも他の三県に対抗できるのではないか。

 とはいえ他の三県にもそれぞれの見所があって、なかなか興味深かった。
 愛知県にだけ県立の総合博物館がないという悲しい事実も知った。単に箱物を造ればいいだけとは思わないけれど……。

 苗木の花崗岩のことを本書では「苗木石」と呼んでいるが、自分の記憶では変種ジルコンのことを苗木石と呼んだはず。岩石と鉱物でそれぞれに苗木石がある?
 紹介されている中津川市の鉱物博物館では、鉱物の苗木石が紹介されていたと思う。

 なお、考古学に深く関わってきた著者の経歴も異色に感じられておもしろかった。

関連書評
地質と地形で見る日本のジオサイト―傾斜量図がひらく世界― 脇田浩二・井上誠

東海のジオサイトを楽しむ (爽BOOKS)
東海のジオサイトを楽しむ (爽BOOKS)
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