完全版釉薬基礎ノート 基本がわかる、釉薬の見本帖 津坂和秀
2024.03.17 Sunday | by sanasen
「調合計算」CD-ROMつき!とのことでゼーゲル式の計算ができるエクセルシートがCD-ROMに付属した釉薬の本完全版。通常版の7年後の2004年に発行された。
ジルコン釉薬ののっぺりした白色を低評価から救いたい……そういう記述をみた記憶がないけど、疑似マヨルカ焼の素地としてなら?
透明釉、灰釉、鉄釉、銅釉、色釉などで章を分けて作品例やテストピース、考え方などをまとめている。鉄と銅の多彩な変化には魅了される。
しかし、銅釉を還元焼成したときの「辰砂」は鉱物名になっているせいで有毒金属の水銀を使っていると勘違いさせてしまいそう――顔料としては過去にありえたわけだし。色を表現したいだけにしては迂闊なネーミングだったと過去の人に言いたくなる。
色釉の章をみた印象では価数が変化する金属元素でも、鉄や銅ほどの多彩さを持つものは他にないのかな。
有毒性を無視すればウラン、カドミウム、セレンも美しい色になると書いていてクロムは普通に釉薬に使われている。六価クロムの生成については注意しておかなくてもいいのかな。そういえば透明釉に鉛釉は出てこなかったなぁ。
やきものには歴史があるだけに、考えてみるといろいろと……。
銅釉のテストピースで条件によっては表面が潰れたみたいになっているのも印象的だった。印花文があっても、これでは台無しだ。
関連書評
やきものをつくる釉薬基礎ノート 津坂和秀
やきものをつくる釉薬応用ノート 津坂和秀
ジルコン釉薬ののっぺりした白色を低評価から救いたい……そういう記述をみた記憶がないけど、疑似マヨルカ焼の素地としてなら?
透明釉、灰釉、鉄釉、銅釉、色釉などで章を分けて作品例やテストピース、考え方などをまとめている。鉄と銅の多彩な変化には魅了される。
しかし、銅釉を還元焼成したときの「辰砂」は鉱物名になっているせいで有毒金属の水銀を使っていると勘違いさせてしまいそう――顔料としては過去にありえたわけだし。色を表現したいだけにしては迂闊なネーミングだったと過去の人に言いたくなる。
色釉の章をみた印象では価数が変化する金属元素でも、鉄や銅ほどの多彩さを持つものは他にないのかな。
有毒性を無視すればウラン、カドミウム、セレンも美しい色になると書いていてクロムは普通に釉薬に使われている。六価クロムの生成については注意しておかなくてもいいのかな。そういえば透明釉に鉛釉は出てこなかったなぁ。
やきものには歴史があるだけに、考えてみるといろいろと……。
銅釉のテストピースで条件によっては表面が潰れたみたいになっているのも印象的だった。印花文があっても、これでは台無しだ。
関連書評
やきものをつくる釉薬基礎ノート 津坂和秀
やきものをつくる釉薬応用ノート 津坂和秀