高速ジャンクション&橋梁の鑑賞法

 こんな本まで出ている……マニアックなことに驚きつつ自分も読んでいるし、巨大建造物が好きな人間は一定数いるから、それほど不思議はないのかもしれない。
 ちょっと鉄道マニアに近い要素を感じる部分もあった。鉄道の橋梁から入った人もいるかもしれないな。

 ジャンクションの構造について、少しばかり勉強になったし、付属設備にまで目が行き届いているところが良かった。メンテナンス性はとても大切だ。
「イカの耳」と呼ばれる発展性を考えて造られたパーツについて、ちょっと気をつけてみたい。

 詳しく紹介されているジャンクションは東京と大阪のジャンクションに偏っているので他の地域に暮らしている人には実際に見に行く機会は限られそうだ。
 でも、クローバー型の鳥栖ジャンクションが一番気になった。

高速ジャンクション&橋梁の鑑賞法 (The New Fifties)
高速ジャンクション&橋梁の鑑賞法 (The New Fifties)
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世界の伝承あやとり アジア・アフリカ・ヨーロッパのあやとり 野口とも

 対象が広い!
 あやとり協会にとって起点となる日本のあやとりから、少しずつ報告のあがってきたアジア各国のあやとり、エキゾチックなアフリカのあやとりなどが紹介されている。
 まったく同じあやとりでも別の名前がついているところは「星座」を連想させる。情報が少ないから色々なものを自由に連想できて、それが文化を反映している。

 意外にもヨーロッパのあやとりは少ないらしいのだが、実用品である古代ギリシアの「吊りほうたい」が異彩を放っていた。記録を残すことは大切だな。

アジア・アフリカ・ヨーロッパのあやとり: 世界に広がるあやとりの輪 (世界の伝承あやとり)
アジア・アフリカ・ヨーロッパのあやとり: 世界に広がるあやとりの輪 (世界の伝承あやとり)
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世界の伝承あやとり 極北圏のあやとり 野口とも

 3ヶ月の夜長に極北圏の人たちが取っていた超絶技巧のあやとりたち。
「シベリアの家2階建て」の二段階ギミックが凄い。変化していくあやとりはたくさんあるのだろうが、他のあやとりも含めて一連の物語にすることへのこだわりが感じられた。

 技術的には「山間の月」が凄まじいようで、ひもの一部をゆるめたままとり続けていた。どれほどの集中力が必要とされることか。
 名前だけ出てきた「犬のふん」には、極北にすむ人々の関心がむく方向が感じられる。モンゴルには馬の柄を表現する単語が無数にあるように。

極北圏のあやとり: 極寒の中から生まれた文化遺産 (世界の伝承あやとり)
極北圏のあやとり: 極寒の中から生まれた文化遺産 (世界の伝承あやとり)
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古代史散策ガイド 巨大古墳の歩き方 大塚初重

 大阪と奈良は古墳のメッカ。それに比べてしまうと京都は別に巨大古墳が多いわけではない。むしろ、岡山の方が際だっている。
 その事実だけでも古墳時代の雰囲気を感じることができる。大陸との関係が重要な時代だったから、京都では奥まりすぎていたのだろう。
 それにしても百舌鳥・古市古墳群が世界遺産になれそうなことを睨んで編まれた本であることが分かりやすい。かなりの古墳が破壊されてしまったと思うべきか、よくこれだけの古墳が残ったと思うべきか。
 陵墓の問題も絡んで複雑な気分である。

 古墳の知識については、あまり新鮮に感じる情報はなかった。ただ、おさらいとして効果はあった。
 しかし、推定と事実の書き分けが、やや不十分で――陵墓の件もあって――混乱させられる記述が見られた。学界の通説も今後の変化がありえるとはいえ、宮内庁の昔からまったくアップデートされない推定と同列にあつかっていいものなのか……。

 日本中のオススメ古墳が案内されていて全部見て回れたら楽しそうだった。

古代史散策ガイド 巨大古墳の歩き方
古代史散策ガイド 巨大古墳の歩き方
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陶芸で多面体〜フラーレン、ナノチューブ、トポロジー 石黒武彦

 陶土を素材にして数学的に有名な立体をいろいろ作成してみた本。常に新しい形態を追求している陶芸家にとってヒントになりそうだ。
 計算さえすれば形が自然と決まってくるところも陶芸家には新鮮であろう。まぁ、計算通りの形をえるための試行錯誤は、かなりあった様子が伺える。
 折り紙の折り方が説明されていても、正確に折るためには技量が必要なことに似ている。

 釉薬の使い方は比較的に素朴で、面がわかりやすくする機能を重視しているところがある。
 最後に載せられている作品は上手と思ったら、長年陶芸を学んだ著者の奥さんが作った作品であった。
 フラーレンの形が何度も話題になっているけれど、個人的には石榴石によく見られる結晶形が陶器で再現されている点がおもしろかった。

陶芸で多面体―フラーレン,ナノチューブ,トポロジー― (Ceramic Art Approach to Polyhedrons)
陶芸で多面体―フラーレン,ナノチューブ,トポロジー― (Ceramic Art Approach to Polyhedrons)
カテゴリ:ハウツー | 21:17 | comments(0) | trackbacks(0)

ほんものみたいなジュエルソープ みなみざわななえ

 面角一定の法則が満たされていない!作り直し!!

 鉱物マニアには見せない方がいい透明な石鹸による模造宝石のつくりかたを紹介した本。どうして人は水晶をリアルよりも尖らせたがるのか……?

 めくじらばかり立てなければ、ブルーレースアゲートの層状構造をうまく再現したり、なかなか面白い作品もあった。
 とりあえず綺麗で生活を彩ってくれることは間違いない。

 パワーストーン効果の説明をされても、模造品にも効果あるの?と突っ込むしかないのだが――香料とか使ってあるから、本物よりも効果あるかもな。

ほんものみたいなジュエルソープ
ほんものみたいなジュエルソープ
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カクタスハンドブック〜原種サボテンを楽しむ 山本規詔

 種類豊富なサボテンのハンドブック。学名よりも遙かに覚えにくい明治以来の和名がたくさんあることが分かる。いちおう法則性をもうけたりしているらしいが……今となっては趣味人の裾野を狭める役割を果たしていそう。
 著者がラベルに学名を書くことの提案を「極論」と言ってしまうほどにサボテン趣味業界は独自の世界になっているらしい。
 斑入りの品種が日本やアジア諸国では人気で、欧米では見向きもされないところが興味深かった。わざと歪めた茶器を愛好する日本の文化が、園芸でも表れるのだなぁ。
 オススメの一冊に原著がタイ語のサボテン図鑑が入っていることにも時代を感じた。

 サボテンの花がどれも美しくて、ぜひ咲いた姿をみたいと思った。
 ついつい棘だらけの乾燥に耐える姿を連想するが、花には生気が満ちあふれている。

 栽培や接ぎ木などの方法も簡単に説明されている。

カクタスハンドブック 原種サボテンを楽しむ
カクタスハンドブック 原種サボテンを楽しむ
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ブロメリア 栽培の教科書シリーズ 友野京

 アメリカ大陸に分布する植物の一種ブロメリア。有名な「エアプランツ」も含まれるブロメリアの品種カタログ。
「日光をあててカッチリ育てる」が頻出すぎるが、ごくまれに日陰を好むブロメリアもいるので気をつけよう。名前のあがる育種家は場所柄からアメリカ人が多い。なぜかオーストラリア人もいるが、気候に類似性があるのかもしれない。
 日本は気候がかなり違うとはいえ、ブロメリアが丈夫なおかげで、ちゃんと育つ品種は多い。しかも、肥料をほとんど必要としない性質から、管理の手間が一部省かれている。

 日本の35度以上の気温は熱帯にも分布するブロメリアにとっても過酷であることに衝撃を受けた。霜でやられるのは分かるけれど、世界的にみても酷暑がそこまで厳しいとは……数十年前ならもっと育てやすかったのではないかな。
 海外の植物を育てることには、気候に敏感になるメリットもありそうだ。

 クリプタンサス・アブソリュートゼロのネーミングに笑った。だれかクリプタンサス・エターナルフォースブリザードを創ってくれ!
 苦労の末にブロメリアが生涯に一度だけ咲かせるという花をみれたら感動するだろうな。

ブロメリア-美しいブロメリアの世界- 栽培の教科書シリーズ (サクラBooks)
ブロメリア-美しいブロメリアの世界- 栽培の教科書シリーズ (サクラBooks)
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コケリウム〜コケでつくるはじめてのテラリウム 陶武利

 コケと呼ばれる植物は現在は三つの門に分かれている。もちろん、地衣類やシダ類は別である。そんな三つ(使われるのは二つ)の門のコケを利用してテラリウムを作る方法を紹介する本。

 密閉できる容器なら頻繁な水やりをしなくても、コケの健康状態を保てるらしい。
 大航海時代に世界各地からイギリスに植物を運ぶのに使われた箱と同じことだな。
 コルクの栓でも湿気は通過しないのか、多少は通過しても問題ないのか。容器の中で宇宙が完結しているわけじゃないからなぁ。

 図鑑のところで「外来種なので取り扱い注意」としっかり書かれていた。山でコケを取ってくるよりも栽培されたコケを買った方が育成の面でも都合がいいらしい。
 自然の趣味が自然破壊をしているなんて事がないように楽しみたいものだ。

コケリウム− コケでつくるはじめてのテラリウム − 栽培の教科書シリーズ (サクラBooks)
コケリウム− コケでつくるはじめてのテラリウム − 栽培の教科書シリーズ (サクラBooks)
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小さな鉄道の小さな旅 長屋良行・水崎薫

 経営の危機と戦い続けている東海三県各地(最後に滋賀県の近江鉄道)の小さな鉄道を取材した本。
 意外とボリュームたっぷりで読み応えがあった。
 その鉄道のだいたいの歴史と、沿線の観光地を一度に知ることができる。小さな鉄道を使った小さな旅を望んでいる人にはよい本だ。

 ナローゲージの軽便鉄道がこの地域に残っている点も興味深い。
 衰退しつつも何とかバランスを保っているのかなぁ。自動車産業による税収が地方自治体に流れているおかげで支えられているのだとしたら皮肉な話である。

 地域密着型で地元の足として巧く活かしてもらえる鉄道は生き残れるようだ。産業と結びついて生き残るのは難しいが、セメント原料を運んでいる三岐鉄道は特別な例外。最近になっても中部国際空港用の土砂を大量輸送した実績をもっている凄い鉄道だった。

小さな鉄道の小さな旅
小さな鉄道の小さな旅
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