花粉症がラクになる 赤城智美・吉村史郎

 花粉症の基本的な知識と日常での対処方法がえられる本。花粉に対する暴露量だけが相関していて、大気汚染との関係は認められていない点で知識をアップデートできた。
 やはり花粉との接触を徹底的に避けることが一番の対処法になる。
 ここに書いてあることを実践すれば、生活習慣も改善されて、花粉症になる前より健康的に――なるのは難しいかもしれないが、わざわい転じて福となすを狙ってやりたい。悔しいので。
 それにしても杉林の拡大はとんでもない失政だよなぁ。当時の連中は誰も責任を取らない。子孫も花粉症に苦しめられているとは思うが。

 山に広葉樹を植える活動の人が寄稿していたけれど、しょうじき現地の種を使っているか、心配でしょうがなかった。
 活動で遺伝子多様性が損なわれていないことを祈る。杉・桧の植林でも損なわれてはいるか……。

関連書評
日本人はスギ花粉症を克服できるか 平英彰
日本の農林水産業 林業 宮林茂幸・監修
森林異変〜日本の林業に未来はあるか 田中淳夫

花粉症がラクになる
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図解 誰でもできる石積み入門 真田純子

 段々畑になくてはならない農家の人が作った石積み。その技術が失われようとしている中、著者が立ち上がり石積み教室を開いた。
 高齢の石積み技術者から著者が得たノウハウをわかりやすくまとめた一冊。
 コンクリートやモルタルを使わない空石積みはエコであり、資源の再利用が可能。人力「さえあれば」築くことができる。そんな実態がわかり、城跡巡りを趣味にしている人にも興味深いと思われる。
 よく農家の築いた石垣を、戦国時代の石垣と間違えてしまって問題になるので、城跡研究家も石積み教室に参加してみると面白いかもしれない。まぁ、石が斜めに入る落とし積みが近世以降の技術であることは有名だが。

 しかし、作業はやっぱり大変そうだ。最初のうちは30分ごとに休憩を入れておかないと疲れてしまうらしい。「ぐり石」が表面の石よりも重要な面があることも分かった。
 長年の石積みで培われてきた作業に関する細かいノウハウは、羽柴秀吉がいれば一つも逃さず記憶したに違いない。

 イタリアの事例も紹介されていて、独立壁を築いて中に土を運び上げて畑にしていたと知った。まるで山の輪中だな……。最初に写真が紹介された徳島県の「高開の石積み」は、まるでマチュピチュに見えた。これは名所にもなるわ。

関連書評
戦国の城の一生〜つくる・壊す・蘇る 竹井英文
石造物が語る中世職能集団〜日本史リブレット29 山川均

図解 誰でもできる石積み入門
図解 誰でもできる石積み入門
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手作り実験工作室2〜手作り工作編 久保利加子

 キット販売!そういうのもあるのか!
 アニメがグッズ展開で経費を補填するみたいに、実験キットの宣伝にすることで本を安めにできていたりするのかな?どうかな。
 100円ショップで実験部品を集める方法も紹介しているので良心的である。

 視覚的にもわかりやすい光関連の実験が多くて、子供にも楽しそうだった。原理の説明はだんだん込み入ってくるが。
 本だけでは説明できない部分は動画へのリンクがQLコードで掲載されている。

 個人的には偏光シートを使った実験が見逃せない。偏光顕微鏡では岩石ばかり見ていたけれど、他の物も調べてみると面白かったんだな。
 プラスチックの検査に偏光が活用されていることは勉強になった。

関連書評
手作り実験工作室1手軽な実験編 久保利加子

手作り実験工作室〈2〉手作り工作編 (I・O BOOKS)
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世界の伝承あやとり〜オセアニアのあやとり2 野口とも

 オセアニアのあやとり1はオーストラリアやニュージーランド、パプアニューギニアなど大きな陸地のあやとりが収録されていた。2には小さな島々のあやとりが集められている。

 思わぬところでナウルの近況を知った。戦前のナウルはあやとりが盛んで大会まであり、老若男女があやとりに親しんでいたのに、日本軍がやってきて滅茶苦茶にしてしまったらしい。
 それでも近年復興してきているとのことで、リンの資源が途絶えたナウルには珍しく明るいニュースだった。
 ナウルには人物のあやとりが多くても日本人のあやとりは収録されていないな(作られていても良い意味ではなさそう)。ドイツ人医師は作られているのに(第一次世界大戦前のつながりか)。

 ハワイのあやとりは日本でも人気の物があるらしい。けっこう名前を変えて紹介されているあやとりがあることも知った。できるだけそのまま教えて、ついでに文化も伝える形にしてほしいと思った。

 ところで表紙は日本人が現地の人たちの格好をしてあやとりをしているみたい。これはアメリカで白人がやっていたら炎上する奴では……気をつけてほしい。著者にはアメリカ在住経験もあるので大丈夫なんだろうけど。

関連書評
世界の伝承あやとり〜オセアニアのあやとり1 野口とも
世界の伝承あやとり〜南北アメリカのあやとり 野口とも

オセアニアのあやとり 2: あやとりの宝庫で見つけた傑作選[太平洋の小さな島々編] (世界の伝承あやとり)
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世界の伝承あやとり〜オセアニアのあやとり1 野口とも

 国際あやとり協会が採集した3000以上のあやとり中、オセアニアのあやとりは3分の2を占める。
 非常にあやとり文化が豊かなオセアニアのあやとりを紹介する本の1冊目。
 オーストラリア・パプアニューギニア・ニュージーランドのあやとりが掲載されている。天の川とワニのあやとりを使って、子供達に天の川が昇る時期には川のワニに注意するよう教えていたという説が興味深かった。
 あやとりは単体では不完全で、一緒に語られる物語をふくめて文化として完成するのかもしれない。

 国際あやとり協会が日本発祥の組織で、現在はアメリカに本部を移して活動していることが興味深い。
 あやとりに言葉の壁をこえる力があった証拠でもありそうだ。

 野口廣氏が勧められてパプアニューギニアで行った採集方法――市場で黙々とあやとりをしていると人が集まって珍しいあやとりを見せてくれる――が面白かった。

オセアニアのあやとり 1: あやとりの宝庫で見つけた傑作選[オーストラリア・パプアニューギニア・ニュージーランド編] (世界の伝承あやとり)
オセアニアのあやとり 1: あやとりの宝庫で見つけた傑作選[オーストラリア・パプアニューギニア・ニュージーランド編] (世界の伝承あやとり)
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世界の伝承あやとり〜南北アメリカのあやとり 野口とも

 文字をもたない文化でもあやとりによって情報を子孫に伝えることができる!手の操作と完成品に口伝を結びつければ、かなり強力な記憶術になる。アメリカ先住民達の誇りでもあるあやとりの数々が紹介されている。
 相対的に文献まで残せている日本が恵まれていることを意識してしまった。当然のように思っていて大切さに気づけないことに気づかせてくれたとも言える。

 ナバホ族のあやとりは星に竜巻、稲妻と住んでいた土地柄をよく伝えている。稲妻は一気に完成する驚きも楽しいのだろう。自分で作っているのに、できあがる形が正確にはわからない――ような気がする――ところも、あやとりの魅力なんだろうな。

 「開拓者の家」みたいな立体的な造形あり、蝶々には羽ばたくギミックあり、遊び道具が限られている中で工夫してきた人々の想いも垣間見えた。

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大陸別世界歴史地図3〜北アメリカ大陸歴史地図
大陸別世界歴史地図4〜南アメリカ大陸歴史地図

南北アメリカのあやとり: 先住民の文化と生活から生まれたかたち (世界の伝承あやとり)
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手作り実験工作室1手軽な実験編 久保利加子

 不思議な文房具やおもちゃを取っかかりに家庭でできる実験を紹介していく本。
 その裏には最新の科学を使ってアイデア商品を生み出している人がいる。10年後には新しいアイデア商品が生まれているに違いない。

 ペーパー・クロマトグラフィ(もどき)は実際にやってみたくなる。コーヒーの紙と濾紙では結構違いがあった。
 ゴムは伸びた状態で熱を加えると縮むが、そのままでは縮まないのはおもしろい。
 ペットボトルのカバーを縮めて他の物にかぶせる遊びは気をつけないと変な物を間違えて飲みそうで心配になった。

 酸性やアルカリ性のものを扱う実験でも注意書きは控えめである。読み仮名もないし、親と一緒に読んでもらうことが前提なのかもしれない。

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鉱物レシピ〜結晶づくりと遊びかた さとうかよこ

手作り実験工作室〈1〉手軽な実験編 (I・O BOOKS)
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世界の辺境案内 蔵前仁一・金子貴一・鎌倉文也・山本高樹ほか

 副題は「観光ガイドではたどりつけない!?”世界の果て”の歩き方」
 表紙はおそらくシーランド公国(折り返しでシーランド公国が含まれるマンセル要塞だと確認できた)。ネタ的な未承認国家から核廃棄物があふれかえり接近するだけで死亡する恐怖の土地まで、世界中で近づきがたい土地の案内を集めた物好きな本。
 案外、アマゾンの秘境は少ないもので、情報のインパクトも重視されている模様。アマゾンで唯一出てきたケマダ・グランデ島は大量の毒蛇が住んでいて、その毒が犯罪に使われると警察が特定できない可能性があるという島だった。
 トロルの舌は確か死者が出たんだよな。

 日本の沖ノ島は何故か登場していない。タイミングが悪かったのかもしれない。青木ヶ原樹海はここに取り上げられている秘境と比べれば小粒に感じた。ただ紀行文は良かったので不満には思わなかった。
 できるだけ実際に訪れたことのある人に紹介記事を書いてもらう編集姿勢は立派だった。ただし、キャプションが間違っているところが2カ所あった(前の写真のキャプションがそのまま入っている)。

 地獄の門(トルクメニスタン)とセントラリア(アメリカ)のイメージが重なって混乱する。前者には行ってみたいなぁ。アクセスしやすいのは後者だが。

関連書評
秘境マルケサス諸島 佐藤秀明・篠遠喜彦
世界で一番美しいペンギン図鑑 水口博也・長野敦

世界の辺境案内
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世界一楽しい遊べる鉱物図鑑 さとうかよこ

 鉱物で楽しく遊ぶ肩肘の張らない本。図鑑に載せられている鉱物は一般市民が購入できるグレードのものが多い。ダイアモンドは流石にがっかり品質すぎた気もするが……。
 漢字の和名と英名のカタカナ表記を併記していることも特徴だ。発音にうるさい人には微妙かもしれないが、ミネラルショーで聞く分には使えそう。
 ただ図鑑に書いてあることはウェブサイトくらいの信用度で読んだ方がいい。自然鉄が月にはあるけど、地球には発見されていないなどと間違った内容も見つけた。

 後半からの鉱物での遊び方が本題で劈開で割ってみたり、蛍光させたり、人工結晶を作ったりといろいろ楽しんでいる。人工結晶図鑑は新鮮だった。
 工作でつくる標本箱もなかなか本格的だ。標本箱ネックレスは少し作ってみたいと思わされた。

関連書評
楽しい鉱物図鑑 堀秀道
ときめく鉱物図鑑 宮脇律郎 山と渓谷社
宝石と鉱物の大図鑑〜地球が生んだ自然の宝物 スミソニアン協会

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世界一楽しい 遊べる鉱物図鑑
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グーグルアースでもっと地球を遊ぼう!徹底活用編(感想二回目)

 沢村徹・エクスメディア共著
 2007年9月版のグーグルアースなので、もう十年以上前のソフトになってしまう。それなのに驚きの機能がたくさん搭載させていて、まったく使いこなせそうにないことに何ともいえない気分になってしまった。
 スマホが普及する前でもあるらしく、GPSはわざわざソニー製のロガーを用意している。
 確かグーグルプラスの機能はフリーに解放されたはず。プロも?
 紹介されているファイルのリンクはどれくらい残っているのかなぁ。

 都市の3Dデータも充実しているに違いなく現状が楽しみである。当時は一部の都市からデータが集まり始めていたと知ることができるのは、資料的な価値があるかもしれない。
 グーグルマーズは当然として、いまならグーグルプルトーもあるんだろうな。

 オプションを使ってのカスタマイズ方法が、目的別に3種類にわけて紹介されている。あまり考えずに目指す設定ができるので便利そうだった。
 予算が許すなら、ともかく早い回線と高性能パソコンを保有しちゃうのが一番よさそうではある。

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グーグルアースで地球をもっと遊ぼう! 澤村徹:読んだことを完全に忘れていた…。
Google Earthでみる地球の歴史 後藤和久

超図解 Web2.0グーグルアースでもっと地球を遊ぼう!徹底活用編 (超図解シリーズ)
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