第二次世界大戦〜歴史に埋もれた真実 ナショナルジオグラフィック

 ノルウェーにあるナチスの純水製造工場攻撃に向かったノルウェー人レジスタンスの戦いと、日本軍の甲標的と神風特攻が描かれている。前者と後者ではずいぶん違う。
 前者の人々はしぶとく生還しているからな……崖の底まで降りて、反対側の崖を登り「ここは通れるぞ」と仲間に言ったエピソードを読んだときは(ナチスも大変な連中を敵に回したものだ)と思ってしまった。
 そういう人たちだから潜入工作員に選ばれたのだ。
 無辜の人々が乗っているフェリーを爆破した件は、ノルウェー人レジスタンスなのに、そこまでイギリスの命令に逆らえないものなのかと驚いた。
 失敗したことにしちゃう手もあったし、隣人や家族を手に掛ける可能性すらあったから、投降してもしかたのない状況に思われた。イギリスに一緒に逃げた人がいて、人質にとられた気分だったのかもしれない。

 神風については、アメリカ人がその脅威を大きく語っていることが印象的だった。本当に脅威だったのか、「自分はこんな危険を潜り抜けてきたんだ」と自慢したいところもあるのか。
 とりあえず57隻の戦艦を撃沈は嘘である。アメリカの生産力でも、さすがにそれは……こんなコテコテの翻訳ミスをした奴は誰だ!?
 甲標的が間に挟まっているのは、一応生還を考慮した無謀な作戦があったことを示したうえで、神風特攻の助かる見込みのなさを印象づけたかったから?
 鹵獲された甲標的がアメリカ国内での宣伝に引き回されたことを知って、あの作戦全体への評価に影響を受けた。

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シルクロード憧憬 マルコ・ポーロ 遙かなる東方への旅

 ナショナルジオグラフィック。
 ナショナルジオグラフィック協会の写真家マイケル・ヤマシタ、雲南で豚の生肉を食う。いくらなんでも危険行為すぎる。現地の人が健康そうだから、自分も食べるって理屈は、日本人などしか海藻を分解する能力がないことから考えても危険である。
 ただし、旅行先で現地住民に勧められたときに、現地住民側がそういう背後関係を分かっていないとトラブルを招きかねない。究極の選択を迫られる場合もあるだろう。

 マルコ・ポーロについては中国に行った説と行かなかった説をぶつける形で話が展開している。
 だが、行った説を後押しするのは旅行カメラマンで、行かなかった説を後押しするのはイギリスの学者だ。疑似的な議論を成り立たせる関係が揃っているとは言い難い。
 個人的にはマルコ・ポーロが中国に行かなかった説があることそのものに驚いてしまった。それほど自分の中では事実と化していた。
 言われてみれば怪しいし、前述したナショナルジオグラフィックのやり口からも行った説の心証が悪化した。ただ、マルコ・ポーロが描かなかったのは当時の人にとって常識すぎたからの可能性はある。そういう効果で、よく大事な日常の情報が抜け落ちる。
 彼の場合は海外から来た人間なので、当然のことでも驚きをもって描写してくれそうではあるのだが……旅人の残す記録が旅人の出身地だけじゃなくて、旅先の人々にとっても大切なことは間違いがなかった。

 中国の珍しい風習として鵜飼いが紹介されていた。日系人のマイケル・ヤマシタ氏は日本にもあることを知らない?鵜が飲み込めないほど大きな魚をくわえていて、漁師がそれを取っている様子がおもしろかった。

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ユダの福音書〜イエスと”裏切り者”の密約 ナショジオ

 モロッコでスピノサウルスの化石が追跡されたごとく、エジプトで古代の福音書がナショナルジオグラフィックによって捜索される。
 パピルスに書かれた「ユダの福音書」は初期キリスト教におけるグノーシス派の考えを示していた。初期には4つの福音書だけではなく、30もの福音書があったとのこと。名前だけ出てくるトマスの福音書も気になった。

 しかし、ユダがイエスの指示通りに、彼を「肉体の衣」から解放したなら、なぜ自殺する必要があったのか。そこはユダの福音書に説明してほしいところだ。
 もっとも、裏切った時点で物語を終わらせているらしいので、ユダの福音書におけるユダの末路はわからない。予言者の言葉通り天国に行けたはずではあるが。

 この映像ではユダの首吊りを再現するシーンが繰り返し流されていて精神衛生的に厳しいものがあった。自殺報道のガイドラインェ……。
 ユダとユダヤ人が同一視されて後世の迫害につながったことは、指摘されているようにイエスや他の使徒もユダヤ人であることを考えれば、理不尽である。
 名前の類似性という小さな事に引っ張られた感じもするのだった。

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草原を駆ける縞模様 ナショナルジオグラフィックDVD

 ボツワナの大地を生きるシマウマの生態を描いた映像作品。厳しい草食動物社会の姿があらわになる。
 サブーティー国立公園を中心に南と北西に移動を繰り返しているシマウマたちの動きは人間が強い影響を与えてできあがったものなのではないか。サブーティーにおけるライオンやハイエナ、リカオンなどシマウマの天敵の多さにも人間の活動が影響を与えていそうだと感じた。
 それでも安定すればいいのだが、撮影当時の現実は移動するシマウマの頭数が減少するばかりだったようで……アフリカでは安定したボツワナだけに、状況が改善されていることを祈る。

 危険な夜に仲間が襲われては、朝に再編成を繰り返しているところは、Uボートと戦う護送船団みたいであった。昼は食べないといけないし、夜は混乱の中を逃げ回っている。
 そんなシマウマの毎日は過酷である。

 だが、シマウマが攻撃者になることも希にはあり、迷子のヌーの子供を天敵を呼び寄せるからと蹴り殺した場面は衝撃的だった。あの蹴りを子シマウマをむさぼるハイエナ相手に使っていないのは何故?威力があるかわりに隙ができてしまう動きなのかなぁ。

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海の王者 シャチ ナショナルジオグラフィックDVD

 王者というか覇者である。成体で7トンと生まれたてのシロナガスクジラに匹敵する体重をほこるシャチのハンティングを洋の南北を問わずにみていく。
 シャケやニシンをねらうシャチもいれば、海生哺乳類をねらうシャチもいる。それぞれが受け継いできた「文化」によって狩猟がおこなわれていて、母から子への授業風景もみることができた。
 シャチくらいになると文化の違いによって種の分化が起こることは考えられないのであろうか。この動画がつくられた時代においては性的交流には謎が多いとされているので、答えのとっかかりもつかめない。

 特にシャチが浜に乗り上げて行うビーチハンティングは迫力満点。陸上動物として恐怖を覚えずにはいられない隠密性と破壊力をもっていた。
 そして、満腹になったシャチが子供のアザラシを浜に押し返した謎の行動も興味深かった。賢さによって「もっと太ってから餌になれ」と半ば養殖をおこなっている気分だった可能性もあるか?
 ひたすら子供を狙うのは、陸上のハンターにも似ている。大人が手強いだけじゃなくて、食料となる子供の再生産を願っているのかもしれない。

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ボーイング747進化を支える製造現場 ナショナルジオグラフィック

 まさに不死鳥。ボーイング747が787の技術を導入して、効率的な旅客機ボーイング747ラッシュエイトとして蘇る様子を描く。
 ボーイング747が誕生したときも長寿機になるとは考えられておらず、超音速旅客機が生まれるまでの中継ぎと考えられていたらしい。なかなか予想したとおりには進まないものだ。
 二階建て設計をあきらめたはずが、ラッシュエイトでは事実上の二階建て状態になっているし。

 巨大すぎるボーイングの工場は内部で雲みたいなものまで発生したことがあるそうで、もはや一つの環境。スペースコロニーの内部みたいになりかけている。
 機体を運ぶ巨大な天井クレーンの動きも興味深い。相手が巨大なのに、非常に精度の高い操作を要求されている作業員たちの熟練技術が拝める。

 ボーイング社の広告的な映像にみえてしまったが、エアバスA380も制作してバランスを取っている、つもりらしい

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ジェーン・グドール〜我が愛しのチンパンジー ナショジオ

 チンパンジーの行動観察で名を馳せたジェーン・グドールのドキュメンタリー。動物観察が大好きだった少女時代から、初めてチンパンジーを詳細に調べはじめた研究者の駆け出し時代、そしてチンパンジーのことを啓蒙している撮影当時。
 彼女の生涯が緻密に描かれている。
 それだけナショナルジオグラフィックがジェーンの研究に付き添って動画や写真を撮っていて、ライブラリを炸裂させていることが背後にある。

 ジェーンのチンパンジーに対する姿勢はなかなか特殊に感じられるもので興味深かった。一般的な研究者のイメージよりは、研究も行っている動物園職員のイメージに近いところがあるかもしれない。
 いまでは彼女の切り開いた研究姿勢に習っている研究者もたくさんいるはずなのだが。

 最初の夫は「セレンゲティに生きる」でも前半の主人公的な立場で出てきた。息子グラブの出番はセレンゲティに生きるの方が多かった。
 ジェーンが「息子が動物を苦手とすることは生涯変わらなかった」と発言しているから亡くなったのかと……翻訳のニュアンスがまずかったのかなぁ。

 チンパンジーの群の変遷。個性的なリーダーたちの進退にも関心をかき立てられた。はったりだけでボスになった穏和なチンパンジーがおもしろい。ヤンキー漫画の主人公みたい。

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錯覚の不思議 あなたの脳はだまされる! ナショジオ

 錯視に限らず人間の脳がだまされる不思議な現象をあつめた映像作品。注意力の不思議などにくらべると騙されたことの不快感はおとなしかった。「脳が勝手にやっていること」だと意識できているおかげかな?

 ラバーハンド錯覚の実験を受けている人の姿をみて、ついつい自分も試してみたくなった。でも、いきなりやられると心臓がびっくりしそう。
 1割ていどはラバーハンド錯覚の起きない人がいることにも驚いた。

 錯覚とは違うが、エコーロケーションができる盲目の男性も出演していて、自転車に乗るという技まで披露していた。1才のときに視力を失ったという話だから、目が見えなくなってから自転車を練習したはずである。そのチャレンジ精神に感嘆する。
 目が見える場合でも小さいときから訓練をつめばエコーロケーションは可能らしい。エコーロケーションをしている際に、脳の視野に関連する部分が働いていることも興味深かった。
 騙されてバカだと思ってしまう一方で、脳の柔軟性は想像を超えている。

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ナショナル ジオグラフィック〔DVD〕 錯覚の不思議 あなたの脳はだまされる!
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エアフォース・ワン ナショナルジオグラフィックDVD

 エアフォース・ワンは特定の機体を指す言葉ではなくアメリカ大統領の搭乗した空軍機がエアフォース・ワンとなる。
 だから現地におりたった大統領の後ろには常にエアフォース・ワンがあるとの説明は、自己撞着的な文章だった。
 しかし、基本的にはボーイングのジャンボジェットがエアフォース・ワンで、出てくるエアフォース・ワンはほとんどそれだった(フランクリン・D・ルーズベルト大統領が乗った最初のエアフォース・ワンは違っていたが)。

 エアフォース・ワンがアメリカ合衆国の象徴として、ホワイトハウスと同一視され、時には大統領そのものであるかのごとく感じられてくる。
 しかし、ケネディ暗殺時のエアフォース・ワンは飼い主の帰りを待つ忠犬のごとし。

 この飛行機にまつわるアメリカ大統領のいろいろなエピソードも紹介されている。リンドン・ジョンソンが退任時にエアフォース・ワンから備品を略奪していった話はシャレにならない。
 これが現在はトランプ大統領を乗せて世界を飛び回っているわけである。

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セレンゲティに生きる ナショナルジオグラフィックDVD

 アフリカ、タンザニアの広大な大地セレンゲティ。そこに生きる動物と人を描いたドキュメンタリー。

 おたくの息子さん、北斗の拳に出てきそうな外見をしていますね?
 写真家ヒューゴー氏の息子グラブ氏が非常にそんな感じで、背景や車の雰囲気から言っても北斗の拳を彷彿とさせた。実に鍛えられた体をしている。
 母親は有名なジェーン・グドール氏らしい……。
 ヒューゴー氏もただものではなく、動物の「個性」に注目した研究の道を切り開いた先駆者とのことだった。シマウマ狩りをしていたリカオンの群れが、シマウマを倒せるほど強い二頭が死んでからはシマウマ狩りをやめた話が興味深い。
 シマウマを倒せない個体も追いかけて混乱させる役目は果たしていたのだろうが、強い二頭からシマウマを倒す技術を会得するまでには至らなかったらしい。

 後半では現地のマサイ族が時代の変化に適応を試みている姿が描かれている。マサイ族ではじめて小学校に通ってアメリカの大学で修士をとって帰ってきたサイトティ氏(作中でオロトシュル氏に名前が変わる)もすごいが、彼の父親のキャラクターが濃すぎて強烈な印象に残った。
 野球帽にメガネ、妻は8人、子供は64人の長老である。他の長老は伝統的な姿をしていたので、あれほど異端でも力を維持できる実力があったのだろうなぁ。

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