発見!恐竜の墓場 ナショナルジオグラフィックDVD

 ティラノサウルスの祖先グアンロンやトリケラトプスの祖先インロンなど恐竜のジュラ紀における進化の空白をうめる重要な発見がゴビ砂漠でなされた。
 それだけじゃなくて、垂直に肉食恐竜の死体が折り重なった特殊な状況も確認された。
 この恐竜の墓場の重要性が説明されている。

 徐星博士が若い。この人、恐竜関係の映像では頻繁に出てくる。もう名前を覚えてしまった。中国の恐竜研究における第一人者なのかな。
 ただし、インタビューの対象としてはそこまで目立たず、死の状況を探る地質学者のイバース博士が正面に出ていた。
 泥濘と化した地面の状況を再現して、足形を乗せる実験は単純ながら興味深かった。マメンチサウルスの足跡が落とし穴になったことを妄想していたが、さすがにそんな偶然はないのかな。
 恐竜の周辺だけ固まっていたのは、恐竜からでる成分によってコンクリーションが起こったと考えればよさそうだ(最近のニュースから得た知識で)。

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ナショナル ジオグラフィック[DVD] 発見!恐竜の墓場
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アイスマン〜死の真相を探る ナショナルジオグラフィック

 アルプスの氷河から発見された5000年前の「アイスマン」または「エッツィ」と呼ばれるミイラ。
 彼は背中に矢の刺さった他殺体であった。
 いったいどんな事情が彼を死に至らしめたのか。ミイラからの情報収集によって迫るDVD。

 石器時代のミイラと繰り返して言っていたが、厳密には銅器時代のミイラだった……精巧な銅の斧を所持していて、ミイラになっただけに留まらないスペシャルな存在であることが明らかだ。
 全身の残ったミイラから得られる情報は多く、DNAを取り出せたことで人類と病気の関係についても興味深い事実が判明している。それはもうイタリアだけじゃなくて人類全体の財産といえるはずだ。

 殺人の犯人についてはいろいろな状況証拠から、同じ部族の人物だと推定されていた。銅の斧を残したこと、しかし矢柄は抜いていたこと、食事の量などから説明されている。
 一緒に行動していた人物がアイスマンを後ろから射て、「あいつはクレバスに落ちて死んだ」などと仲間には説明していたのかもしれない。
 アンデス山脈での生け贄みたいに神への捧げ物として殺された可能性も考えてみたが、そういう事情があったなら他にも例がみつかってよさそうなものだし、殺害方法からも可能性は低い。

 農耕や精銅がはじまったことで貧富の差が拡大し、人類に恨みや妬みが生じる時代になってしまった証拠としてもアイスマンは雄弁な存在であった。

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ナショナル ジオグラフィック アイスマン 死の真相を探る [DVD]
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ノルマンディー上陸作戦 ナショナルジオグラフィック

 かつてノルマンディーに参戦した連合軍とドイツ軍の兵士が顔をあわせ、思い出話に花を咲かせる(ドイツ兵はちょっと気まずそうにもみえたが)。
 多数の証言を元に語られるノルマンディー上陸作戦のドキュメンタリー。困難な上陸作戦に挑戦した連合軍の並々ならない意志力がみえてくる。
 変わり者の開発者を複数活用していて、そこも連合軍の大きな強みになっていた。中でも特殊戦車をいくつも完成させたパーシー・ホバートは有能だった。
 彼のつくった怪しい戦車を信用せず、採用しなかったアメリカ軍はひどく苦戦させられている(オマハビーチでは)。DD戦車(キャンバス地で囲って無理矢理浮くようにしたシャーマン戦車)の上陸に失敗したせいもあるが。

 DD戦車が現代の実験で失敗しているのをみて、現実には別の方法が採られたものと勘違いした。答えは車体を根性でコーキングして投入した、だった……コーキングの上手にできた車体とできなかった車体が生死をわけたこともあったのではないか。

 人物のキャプションで「Privite」のことを「兵士」と訳していてモヤモヤした。訳としてはあっているみたいだが、日本の場合はああいうところは一等兵などの階級まで載せるものに思える。
 空挺のドン・バージェット兵士はずいぶん立派な格好をしていたが、最終階級はなんだったのかな。

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DVD ノルマンディー上陸作戦
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ブルジュ・ハリファ〜世界一高いビルへの挑戦

 ナショナルジオグラフィックDVD
 アメリカ版プロジェクトXは、場所もアメリカ国内じゃなくて、ドバイである。世界一高いビル建設にまつわるエピソードがいろいろと紹介されている。
 現場監督の家庭を犠牲にした働きぶりに、アメリカ人と日本人の共通点を感じてしまった。発電機が重すぎてメーカーの担当者が叱責されているところは見ているこっちの胃まで痛くなる。納入前に重量をはかる機会はなかったんだな。

 働いている人々が多様な人種で構成されていることも興味深く、よくコミュニケーション不足による事故を起こさないものだと感心する。日本人同士でも連絡不足によるトラブルの嵐なので、いろいろとルールが最適化されているのだろう。
 同じ言葉を使っていることに甘えず、真摯にそういう手法を学んでいけば日本はもっと事故を少なくできるのではないか。

 ビルの頂上にライトを設置する仕上げは、タワーを吊り上げる前にやってしまえば、それまでだった……現場作業あるあるだ。責任者のテンションがインタビューとは打って変わっておかしくなっていて、超高所の異常な雰囲気が感じられた。
 一緒に作業した仲間との連帯感は凄まじいものだったに違いない。

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ナショナル ジオグラフィック ブルジュ・ハリファ 世界一高いビルへの挑戦 [DVD]
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聖書の謎を追えDVDガイド ナショナルジオグラフィック

 DVD5枚の簡単なイントロダクションに、聖書の見事な要約が加えられた冊子。
 聖書関連の家系図や地図もとても見やすい。

 とりあえず読んだおかげで聖書の概要がわかった気分にはなれた。実際にはわかっていないとしても取っつきやすくなったはず。むしろ、むやみな自信をもって聖書に立ち向かっていきたい。

 ティトゥスがエルサレムを陥落させたときはまだ皇帝じゃなかったはずなので、そこは注意。ローマの支配者にとりいったヘロデ王がかなり胡散臭い存在にみえてきた。そんな人物でもユダヤ人の代表がいるほうがいないよりもマシという冷たい現実をみた気分になる。
 だが、ユダヤ人たちの感想はちょっと違うかもしれない。

 シリーズを通してユダヤ教が遊牧民の宗教であることがいろいろな要素から感じられた。そんな彼らが土地への強烈な執着をみせていることは皮肉であり必然でもある。

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DVD BOX 聖書の謎を追え
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聖書の謎を追え 第5話「ヨハネ黙示録」の暗号

 ナショナルジオグラフィック

 ローマ帝国に追いやられた哀れな人物、ヨハネが書いた黙示録。その意味するところが論じられる。終末思想の副作用は大きく、「ケイキョ」に至ってはグロテスクですらある。
 多くの人が不幸な目にあっている中で自分だけが救われる、その事に喜びを見いだしているかのごとく受け取れてしまうせいだ。ただ、神に選ばれて幸せになるならいいのだが、それではここまで多くの人を魅了しなかったかもしれない。

 ハルマゲドンはメギドの丘を意味するハーメギドンから来ていると説明されてメモしたが、たぶん前にも聞いたことがあった。
 皇帝ネロが大軍勢を集結させて神と戦うなんて、ヨハネもずいぶんネロを過大評価したものである。キリスト教徒にとって大きな脅威だったからこそ、過大評価せざるを得なかったのかもしれない。

 旧約聖書をあつかった4話までは考古学的要素もあって興味深かったが、5話はほとんど思想上の話に終始してしまっていた。
 エリック・クライン氏がいつもどおり出演していることが一番連続性を感じさせる要素だったかもしれない。

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DVD BOX 聖書の謎を追え
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聖書の謎を追え 第4話 「失われたアーク」を求めて

 ナショナルジオグラフィック

 この箱、静電気が帯電しまくりだよ!ちゃんとアークとってあるの!?(それはアース)
 5〜6万ボルトが貯まったとしても人を殺せるかは電流にもよる。ちょうど心臓の悪い人が発作を起こして倒れてしまう場合はありえる?とりあえず煙になるとは思えない。
 古代に電気が発見されていなかったとのコメントがあったけれど、古代に電池を使ったメッキが行われていた可能性は指摘されている。経験的に静電気を利用した可能性までは完全否定できない。
 そうすると神秘の技というよりも素朴な民衆をだます手品になってしまうけど。

 血眼になってアークを探索する「アークハンター」の呼称には、やや蔑称成分が感じられた。というか、アークハンターが自らの行動で蔑称にしてしまっている?
 正面から取り上げてしまうのは気の毒に感じる人物がいた。あるいはアークが見つからない方が都合のよさそうな人物もいた。

 もはや概念上の存在に近いアークが第三次世界大戦を引き起こす可能性を秘めているのは皮肉である。
 もしも、発掘を許可したら、十字軍が聖なる十字架でやったみたいにイスラエルがアークを「発見」する恐れがあるとイスラム教徒は思っているんじゃないかな。
 いつのまにか、そんな気がしてきた。

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DVD BOX 聖書の謎を追え
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聖書の謎を追え 第3話 検証[出エジプト] ナショナルジオグラフィック

 10のわざわいがエジプトに降りかかり、海が割れたとされる、ユダヤ人によるエジプト脱出の伝説。それを考古学的、科学的に検証する。
 わざわいについては連鎖反応が起こったので実質は2つくらいかもしれない模様だ。風が吹けば桶屋が儲かる方式で、ナイル川に赤潮が起こればユダヤ人が脱出できる?
 ユダヤ人は穀物を春には空にする厳しい習慣をもっていて、そのおかげでネズミの発生などが押さえられ、長男を皆殺しにした災厄から逃れることが出来た説が興味深い。
 しかし、春に穀物がなくなったら、次の収穫までどうするのやら。冬の間だけ穀物を食べる生活で、基本的には放牧の民だった?エジプト人が愚かだったのではなくて、そういう生活習慣を持ちたくても持てなかった感じがした。

 モーセの海割りについては溶岩で陸地ができた説にはかなりの無理を感じた。ウインドセットダウン効果も激しい風が吹く最中に陸橋をわたるのは危険である。
 まずは浅瀬の場所を探すべきだと思っていたら、元警察官のアマチュア聖書研究家がいちおう位置を示していた。学会発表で検証に耐えられればいいのだが。

 まとめは割と否定的で伝説はいろいろな経験の集合体とみている。事実を部分的に含んでいるはずだから、ややこしい。

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DVD BOX 聖書の謎を追え
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聖書の謎を追え 第2話 退廃の街「ソドムとゴモラ」

 ナショナルジオグラフィック
 聖書において神の怒りにふれて滅びた二つの都市、ソドムとゴモラ。
 それに相当する都市の発掘調査が死海のほとりで行われ、いくらかのことが明らかになる。第1話にくらべると聖書を信じ切っている人の出番が少なくて見やすかった。
 発掘責任者のトーマス・シャウブ氏が、自分が掘っている遺跡を伝説上の存在と同一視することに非常に慎重な姿勢をみせていたことが印象的である。
 むかしの考古学者が「これこそ聖書に名前の挙がっていた○○だ!」とセンセーショナルに発表したエピソードをたくさんみてきたせいだな。彼らもパトロン獲得に必死なのだ。

 都市滅亡の原因として、地下にある天然ガスが火山活動をむすびついて噴出し、火が燃え移ることで爆発したという過激な説が提唱されていた。少なくともイランのマシュカン・シャピルはそうして滅びたらしい……想像するだけでも地獄絵図だ。史上初めて火炎竜巻に遭遇した人たちかもしれない。山火事でも起き得るかな?
 断層に隣り合った都市エリコの陥落物語にも、心ひかれる。それだけリスキーな場所なのに今までずっと人が住み続けていることに!カリフォルニアや日本の都市と同じく、何かの理由があるに違いない。人口圧や勢力圏の関係で、そこしか住めないのも立派な理由だ。

 ロト家の悲劇的な末路については、若い自分たちを閉じこめた娘たちの父への復讐にもみえた。もっと前に天使の身代わりとしてソドムの民の慰み物にされそうになったから、ロトが恨まれていても違和感はない。でも、あの発言も神にしたがう立派な人間の証明なのである。文化がちがーう!
 ともかく聖書が父娘相姦を描いていて、子供まで出来たとしていることに驚いた。表現規制で近親相姦が問題になったときに、聖書まで規制するのかと聞いてみようかな……。

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DVD BOX 聖書の謎を追え
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聖書の謎を追え 第1話「ノアの箱船」の真実

 ナショナルジオグラフィック
 考古学的・地学的な検証を期待していたら、半分はゆんゆんな聖書原理主義者に占領されていて辟易した。アメリカにおける「両論併記」のラインがだいたい分かった。
 地質学者のアラン・ギシュリック氏を心の底から応援した。出てきた聖書原理主義者は対話がなりたつほうだけれど、もっとめんどうくさい人々に対応するコストをアメリカ社会は支払っているわけである。彼らが足を引っ張ってくれるおかげで、他国にも対抗の余地がある?
 そもそも聖書を盲信する人々は、聖書が書き写されるときに間違いが生じた可能性も無視できるのか?不完全と聖書にも太鼓判をおされた人間が書き写したのにミスしないわけがない。
 そこは神の意志で聖書が守られたと考えるのかなぁ。謎い。
 まぁ、聖書原理主義者の主張を切り取って、映像の締めに利用するナショナルジオグラフィックの方がおそろしい気はした。

 大洪水の原因について、地底蒸気説など荒唐無稽な説がいろいろ出てきた。彗星説は知らなかったので興味深かった。コンピューターシミュレーションまでされていた。
 実際に起きたら、ほぼ確実に津波堆積物や打ち上げられた巨石の痕跡が残るはずだけど……

 最後は王道の黒海海水流入説で締められた。この現象に人類が相対したとしたら、すさまじい苦難が生じたに違いない。それでも乗り越えて生き残った人がいるから、大洪水の伝説が存在している?さて、真実はどうかな。

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