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天空魔弾2〜原爆投下命令 伊吹秀明

 終戦間際の時代に列島まるごとタイムスリップした現代日本に原爆の魔の手が迫る。立ち向かうのは因縁浅からぬイーグルパイロット、一合戦勝利――最後の攻撃方法がよかった。てっきり祖父の同僚がやっていたように体当たりしてしまうものかと……その判断も止むなしと考えざるをえない自分がにんともかんとも。まぁ、体当たりの命令を出せるほどの猛者は流石にいなかったようで……。

 ちょっと気になったのは主人公の設定で、あまり彼であることの必然性が感じられなかった。いちおう読者の分身として共感をえられやすい立場であることは想像できるのだが、果たす役割が小さすぎる。
 まぁ、意外と冷静な姉の指摘を受けるオチはおもしろかったけどね……実は北朝鮮のミサイルを被弾したのも交代した戦中日本だったりしないかな。この世界の日本人にはそんな可能性を考えて生きてみてほしい。
 今に生きる我々だって同じだと意識できれば作品としては100点満点の成功だろう。


 第二次世界大戦の時代に出現すれば最強だろうと思えてしまえる現代日本でも、硫黄島の占領――というか奪回――すら、ままならない現実も印象的だった。国外への侵攻能力をもたないといっても、ここまで重度だと防衛にも問題になってくるよなぁ。
 仁川上陸作戦のような真似は望むべくもない。

 また、日本がいろいろ体勢を整えるには時間がないことで、戦争が長いようで短いことも意識できた。現代の日常と、戦時の非日常の対比が効果的に行われている点も興味深い作品だった。

天空魔弾 (2) (歴史群像新書)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 12:18 | comments(0) | trackbacks(0)

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