<< 古代エジプトの言葉 フランソワ=グザヴィエ・エリー編/荒俣宏訳 | main | まもって守護月天!FAN BOOK 桜野みねねのほん >>

戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.39 ガダルカナル奪回作戦

乙型駆逐艦秋月型 照月
 駆逐艦でありながら魚雷艇にやられた結末が悲しい。砲撃能力で優れているのだから水雷艇狩りにも一定の力がほしいと思ってしまうが、明暗を分けたのはやっぱりレーダーの有無なのだろうなぁ。

丹波八上城
 強硬策をとるならば玉ねぎの皮を剥くように法光寺城からせめていくべきか。谷のなかにはいらないと攻撃正面がとれないかもしれない。確かに堅城であることをうかがわせる縄張りになっていた。おもしろい城だ。

東京湾海堡
 工事の大変さを想像すると頭が痛くなってくる。これだけ国家予算を投じておいて結末が関東大震災でおじゃんというのも悲しい。射程距離の延伸に力を入れて、海堡は第一で満足しておけばよいものを……黒船への恐怖のない人間の後知恵か。

グライダー
 ギガントはインパクトのある機材だけれど……なかなかうまく使うのは難しいな。それをいえば空挺そのものが大変。イギリス軍のハミルカーが結構活躍しているのが気になった。ソ連のグライダーが高級な設計になっていたのも興味深い。

台湾陸海軍基地
 台湾とフィリピンの位置関係はどうしても意識せざるを得ないものがある。大日本帝国にとって非常に重要な島であったことは間違いない。
 CGの監修に坂井三郎氏が協力されていた。実に適任だ。

海洋国家カルタゴ
 個人的には常識的な歴史をさらりと。
 円形の軍港が大量の軍船を収容しているイラストがおもしろかった。水面に船を出す方法については疑問が残るが、普通に人力で押していたという解釈なのだろうか?
 第三次ポエニ戦争では右手に秘密の水道が掘られたはず――などと考えるのも楽しい。

ガダルカナル奪回作戦
 文体が林譲治氏的すぎて史実であるという感覚が鈍ってきてしまうのは困った問題だ……兵力や補給ではなく指揮通信能力に着目して戦いをみているところが興味深かった。まぁ、一時的に日本軍が空港の奪回に成功しても、その後の作戦でアメリカ軍の反撃意図をつぶすことができなければ最終的な消耗戦の勝者に輝くのはやっぱり連合軍になっていたと思うが。
 いつのまにか天王山になってしまった価値の微妙な戦場にどこまでの資源をつぎ込めるか。その覚悟も問われていたとすれば、資源を多く持つアメリカ側が有利だったのは否めない。

逆襲!山崎決戦
 明智光秀をかなり好意的に評価した視点で分析された本能寺の変から山崎の戦いまで。織田軍団内であそこまで頭角を伸ばしていた人物だから、これくらいの評価が正しいのかもしれない。秀吉の運があそこまで良くなければ――すべては彼のはかりごとだったら、運では片付けられないけど――織田家の方面軍司令官の争いは長期化してディアドコイ戦争みたいになっていたのだろうか。やっぱり、それは違う気がする…。

THE KOREAN WAR 中共大反攻
 戦場にされた土地に住む人間にはおそろしすぎる戦争……同胞ではなく、大国が暴れまわっているから余計にタチが悪そうだ。
 無茶苦茶な破壊力をもっているようにみえた中国義勇軍も補給に大きな問題を抱えていて、国連軍を攻めきることができなかったのは興味深い。半島という地勢的な条件が、双方に互角の戦いを強いた印象も根強かった。
 トルコが旅団を派遣して、かなりの役割を果たしていたことに驚く。

坂井三郎に学ぶ 零戦完全操縦マニュアル
 坂井氏がもっとも重要な零戦の性能として挙げられているのは「航続力」。なぜなら飛行機は飛んでいなければ意味がないから、というが、それならエンジン始動にセルモーターを使用したり、上昇力を高めたり、整備の容易性を上げることでも達成できる可能性がある。実際にアメリカ軍などがやったのはそういう事だろう。
 つまるところ達成できない性能の一部を、長時間操縦する人間に託すことで技術格差を埋めざるをえない事情が見え隠れしていた。レーダーの配備まで行ってしまうと話が拡大しすぎるが、あくまでも「搭乗員視線」で正しい評価をされている印象だった。
 操縦方法の説明では零戦がもつ機械的な複雑さに感心させられた。これでも相当凄いのに現代はそれ以上の技術の塊と言えるジェット戦闘機が飛んでいるのだから時間の流れとは恐ろしい。

海兵隊発達史
 アメリカ海兵隊は日本軍が育てた――そう主張しても通る部分がないではないようだ。不幸な昔はともかく、今は彼らに守られているなら数奇な運命といえる。

幻の四式中戦車
 先生、どうしても四式中戦車が量産品に見えません!
 性能が高いと言われるほど、そう感じてしまうのだが、高いといってもM4シャーマン76.2ミリ砲搭載型と大差ないのだから泣けてくる。まぁ、数があっても敵戦車と交戦できない戦車よりは劣勢でも戦える戦車。
 戦術で補える限界を考えればそういう結論になるのだろう。ノモンハンの時点で気付いてくれていれば…。

よくわかる築城学入門第3回「天守」が秘める防御力
 天守の戦いともなると使える兵力もギリギリのところまで追い詰められているわけで、それにふさわしく戦闘正面も狭くなっている。実際に配置についているか分からなくても十字砲火の殺戮帯に侵入するのは勇気のいる行為だっただろう。

信長の独断 武田信玄とサダム・フセイン
 信玄はまだしもフセインはどうやっても天下を取るのは無理だろう。条件設定を考えると最後のまとめが強引極まりない気がした。元よりそういう企画なんだけどさ。

戦国「安土」の歩き方
 へうげものなど読んでると更に行ってみたくなる町、安土。でも現代の状態を考えると信長にとっては安土も遷都前提の拠点だった気がしてくる。やっぱり最終的には大阪を考えていたのかなぁ。

機械伝説 石弓
 小銃と構造を共用しているのが面白い。火薬などの入手が難しくなったときに素早く作りかえる準備がしてあると戦闘力の低下を少しは押さえられるかも。

ザ・コンバート
 缶詰やレトルト食品と軍隊の関係を論じる。調理時間を他の活動に使えることは軍隊にとっては非常に大きいわけだ。社会における日常技術の進歩は市民に余暇時間を生み出すが、軍隊内においては戦闘行為(主に行軍だが)の比率を上昇させて、実質戦闘力をあげる方向に使われてしまう。なんか力が正反対に働いているみたい。

沖縄戦を生き抜いた一兵士の証言 山本義中インタビュー
 中国戦線でも戦われた方なので、そちらの話にもけっこうボリュームが割かれていた。非常に対照的な中国軍とアメリカ軍の戦いぶりが同時にでてきて興味深かった。小隊長として責任のある立場でいると、いろいろと後から悔むことが多いと良く伝わってくるお話だった。飛行機偵察より伝書鳩の方が距離感が近いところが面白い。やっぱり兵科による連帯感の差があったのかなぁ。

五式15サンチ高射砲
 B29も高価だし、自由な飛行を妨げただけでも大きな戦果をあげたと判断できてしまう、そんな立場が悲しい。二人で90キロの弾丸を動かす苦労は想像を絶するなぁ。一回だけの気合いをいれた行動ではなく、安定したペースで敵がいるかぎり続けなければならないのだから尚更苦労が偲ばれる。

十八試陸上偵察機景雲
 せめて戦後にこの機体の技術を活かせれば良かったんだが……航空機産業そのものがやられてしまったからなぁ。やっぱり発動機開発がネックになっているのは、他の機体と変わりなかった。暁雲が当初積む予定だった5000馬力のヌ号発動機って……本気で言ってるの?

電撃 桶狭間の真実
 信長の偉大なのは桶狭間の勝利を幸運に終わらせず最大限に活用して飛躍に繋げたところだと思う。敵前での陣形変更という困難もこなした今川義元が討たれるのは、世の無常を物語る。

仰天!信州真田家二百五十年の大計
 かなり好きな記事。オチまでしっかりつけて真田家は流石だ!と称えざるをえない。徳川家への怨念を箱に封じ込め続けた信之もやっぱり昌幸の息子で信繁の兄だなぁ。人材が250年にわたって残り続けたことも凄い。

ノモンハン1939
 悪夢のような自滅戦。関東軍に付き合わされるソ連・モンゴル軍も不幸な気がしてきた。ああ、いちばんついてないのは満州軍か……虹色のトロッキーを思い出した。あれの辻参謀はカッコ良いところもあったけど、やったことをみればやっぱりロクでもない参謀だったと断ぜざるをえない。

海軍漸減邀撃構想の成否
 貧乏だったらアメリカに対抗しようなんてするなよ!と文句をつけることもできる。世界情勢的に難しかったんだろうけど、外交で考えるべきところまで海軍内でどうにかしようとして、ひたすら歪んだ構想に囚われていった背景には官僚的なセクト主義も大いに絡んでいると見える。
カテゴリ:歴史 | 12:45 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 12:45 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1082
トラックバック