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群雄戦国志3〜秀忠、大返し 尾山晴紀

 石田三成がまとめあげた東軍が家康の首まで指呼の間にせまった山王山の決戦に、吉川広家の決意によって戦場加入が可能となった秀忠の山陰道軍が参戦!
 北から罠の口を閉じようとしていた東軍諸勢と突出していた石田三成の先手勢が散々な目に合わされてしまう。島左近が華々しく見事に戦死してしまった……帯のネタバレぶりが酷かったおかげで衝撃は小さいものの印象に残る場面であった。

 なんとか瞬間的な破局を逃れて岡山城にたてこもる東軍は、最後の手段として豊臣秀頼の出馬に懸ける。彼らの前にたちはだかるのは徳川家康以上の難敵、淀君……秀家たちと一緒に頭をかかえたくなってしまう相手だった。
 いっそ羽衣狐に乗っ取られていれば割り切れたかもしれない。

 豊臣のためを思って行動している秀家たちが淀君に難詰されている反対側では、毛利家の存続のために動いた吉川広家も家中の冷たい視線にさらされていた。最良の判断が困難どころの話ではない現実を前に揺れ動く人々の姿が興味深くも、わが身に照らして同情を呼んだ。

 けっきょく豊臣家のほうは郭を素通りして本丸を直撃する戦法でなんとかなったが、毛利家はどうなるのかなぁ。これで下手な動きをするとTELは10歳の秀頼以下の才覚しかもたないことになってしまいかねない……まぁ、TELだし。
 3年開戦が引き伸ばされたことが秀頼の自我の成長につながったことを思えば万感こみあげるものがあった。


 局地的だが苛烈な小戦闘では黒田長政が非常に生き生きとしていた。伊達・最上ともども採集決戦での活躍が楽しみだ。

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群雄戦国志〈3〉 (歴史群像新書)
群雄戦国志〈3〉 (歴史群像新書)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0)

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