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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.51 マーケットガーデン作戦

ハイラル要塞
 今の目からみると関東軍の東と西でソ連軍を時間差撃破しようとする作戦構想は虫が良いように見えるのだが、日露戦争の経験がありノモンハンでのショックもない時代にはそれなりに成算のある戦略だったのだろう。
 しかし、結果は南方に戦力を引きぬかれて、本来の戦闘力も発揮できず、援軍もくるわけもなく……。

第十三号型 駆潜艇
 うーん、充実した装備だ……余計に戦艦を雷撃することに特化した艦隊型駆逐艦の異様さが浮き彫りになって、感じられた。外洋での船団護衛を行うには航洋力もさることながら、対空火器が足りないよなぁ。
 この船で外洋にでて輸送船を守ろうとした人々の勇気に敬服する。

筑前鷹取城
 やりすぎて変態チックなものまで感じさせてしまう「行くところまで行った」城塞。しかし、これだけ高度があると、眼下の道を通る相手を攻撃しようとした場合、出撃時はよくても撤収時の追撃が厄介にならないかな。うまく援護射撃部隊を配置しておけば何とかなる?使いこなすにはかなりの手腕が要求されそうな城だなぁ。

超巨大爆撃機
 なぜかB29が避けられている。あれは常識的な範囲におさまる機体だとでも言うのか……位置付けがなされていないことに釈然としないものを覚えた。

マラトンの戦い
 けっこうあっさりしたものだ。戦術も単純なら結果も単純だからなぁ――すなわち解決していない。
 関連:歴史群像アーカイブvol.4 西洋戦史ギリシア・ローマ編感想

運命の古賀機
 サッチ・ウィーブ戦法の袋叩きっぷりが凄い。しかし、余程の多数で挑まなければ使いこなせない戦術になってしまっているような……後ろを取られたら急降下するだけか。無線があるから二機編隊を組みなおすチャンスも得られるし、直接的ではない部分の優位を感じる。
 零戦の鹵獲は遅かれ早かれ、といった感じだが銃撃による破壊が徹底しなかったのは浮かれ気分のミッドウェーと同時期の作戦だったせいかもしれない…。

マーケットガーデン作戦
 どうしてこうなってしまったのか……日頃臆病なほど慎重な人物がいきなりとんでもない暴走をしでかすことって、モンティの例以外にも思い当たるなぁ。無茶のしかたが分からないと、本当の無茶ができてしまう感じだろうか。何事も経験がものを言う――無茶の経験をしておくならできるだけ被害が拡大しないうちに限るのかもしれない。
 敵中で集中攻撃を受けるという悲惨な目に遭わされた空挺部隊がとても可哀想だった。まぁ、精鋭を集めて編成してみたものの意外と使いどころに困る空挺部隊という存在が抱える業がでた気もするなぁ。
 ドイツ軍の方は「素敵な免疫反応」を示しており、優れた現場をもっていることが良く伝わってきた――さらに協調が取れていれば被害を減らして戦えたのだろうが。協調に優れたアメリカ軍も、協調すべき「隣の戦線」がなければどうにもならない。そんな当然と言えば当然の結論が現れた作戦でもある…。
 この作戦を元にした映画作品、遠すぎた橋(A BRIDGE TOO FAR)感想はこちら

織田信長 尾張統一
 貴公子に思える時もある信長もけっこう苦労人だ。でも信秀が絶頂のまま倒れず、苦労して遺産を受け継いだから先代と変な比較をされて暴走する危険から逃れられたのかもしれない。うつけ者として周囲によく思われていなかっただけに、武田勝頼と比較して考えさせられるものがあった。
 信長の行動が第一に経済基盤を確保することに集中している点も注目に値する。その上でも彼にとっては東より北や西の方が魅力的だったんだろうなぁ。
 信長を描いた漫画は数あれど、この時期にくわしいものは意外と思い付かない。MISTERジパングくらいだったりして…。

ザマ会戦〜大ローマ帝国に挑んだハンニバル最後の決戦
 有坂純氏による記事の二本目。
 ハンニバルの力は偉大だが、やはり一人の力でできることには限りがあった……スペインでの実戦経験で指揮官クラスを軍拡前のドイツ軍のように鍛えることを考えていれば、もしかしたら?まぁ、そんな発想が生まれることを期待するのも無茶というもの。しかし、バルカ家はともかくカルタゴ本国が戦争の実感から離れてしまった点はハミルカルの構想のやむをえない落ち度であった気がしてくるなぁ。そもそもカルタゴ人が戦闘民族ローマ人のように慣れるわけもないか。
 ザマ会戦の記述はシンプルで――繰り返しいろいろな本で読んでいるものなので――流す感じだったが、そこに至るまでのハンニバルの苦闘が興味深かった。
 関連:歴史群像アーカイブvol.4 西洋戦史ギリシア・ローマ編感想

ハリアー大研究
 成功したV/STOL機ハリアー。しかし後継機は計画されていても、純粋に競合する機体は存在しないことが市場の狭さを感じさせる。軽空母の搭載機数など知れているし、地上で運用するならSTOL機の方が割に合うようで……ハリアーの前に立ちはだかる傑作機にならざるをえない運命の厳しさを感じてしまった。

戦時報道の実態
 けっきょく日本は真のジャーナリストをまともに確保することができていないのかもしれない……根本的には国民性や教育に行きつく問題になりそうだ。特に教育はなんとかしたいところである。
 同じことが再び繰り返されないように期待するうえでは、人の心が成長するのよりも技術の進歩が頼りだったりする。情けない話だが……。とりあえず、この記事が世間に発表されている状況には楽観的になれた。

弓と礫に威力あり
 話の前提として騎馬武者否定をもってきているよ――うーん、事実と推定の境界があいまいになってしまいそうな書き方だ。資料を丹念に整理していることは評価できる。石疵が多いからと言って刀の地位を落とした言いかたをしすぎている気はするが。
 戦争というのは結構精神的なものだから腰の大小の重みがあたえる心理的効果も武器の一種だったわけで、データに頼って偏った発言をしているきらいはある。

信長の独断 豊臣秀次とピノキオ
 秀次も可哀想な人物だ――周辺の人間をあまり幸せにできていないのがラスボス秀吉の困ったところ。特に、人のために働くのではなく、自分のために働かせるようになってからは…。
 歴史小説で絶頂を極める時期の秀吉をなんとかするために、利用されることの多い人物でもある。フィクションになっても傀儡であることから逃れられない秀次に合掌。燎原の覇者の秀次はちょっとは幸せを得られたかな?

姫路城の歩き方
 この城の縄張りはサドだわ……心理トリックを駆使して徹底的に困難な道に誘導する思想に感心するやらあきれるやら。しかし、日常的に使っていたという下道が外部の人間にも見せられるものだったとしたら、兵士を言い含めてこっちに向かわせてくる恐れもあったような。戦場心理の混乱と指示の不徹底に充分期待できるのかな。構造は変わらなくても平和が長く続けば防衛意識は弱っていくものかもしれない。
 侵入者の心理に天守の存在が大きく影響している点が特に興味深かった。

機械伝説 歴史的米軍弾薬の図
 たまに暴発事故が報道されるように、弾丸を素手で扱うのは怖い……松本先生の経験談には背筋が凍ってしまった。まぁ、よく分からずに危険を冒してしまっていることは多いわけで、幸運を喜ぶのみである。

単冠湾の南雲機動部隊
 こういう日記が敵に回収されたら防諜面でのダメージが……と、ついつい考えてしまう。戦時中は足を引っ張ることもあっただろうが、今となっては貴重な資料か。なんだかんだといいながらも、こうして出てきてくれたことは感慨深い。

大田昌秀インタビュー
 沖縄の人のインタビューが多いのは、若い人でもボリュームのある凄惨な経験をしてしまっているからだと分かる――この人の場合は当時現役の参議院議員だったこともあるのだろう。
 国民を守るべき軍が住民を犠牲にしていたという逸話は眩暈のするものがあった。大を活かすために小を殺す発想が染み付いているうえに、自己正当化にも働いてしまったいたのが感じられる…。
 結びに戦意を煽る人間に限って最後まで後方にいると痛烈な皮肉がなされていた。でも、さらに皮肉なことに、いま脊髄反射的に過激な発言を繰り返している人々はそういう安全な立場を守ることもできず、何かのせいにしながら死んでいく方向性をもっている気がするよ。

九五式装甲軌道車
 かなり素敵なハードウェア。4種類の軌道幅に対応している工夫がすばらしい。日本と満鉄、さらに広い軌道を使うシベリア鉄道を意識していたからこその工夫といえよう。ナチスドイツにこれがあったら――貨車も引っ張れるし――役に立ったんのではないか。

よくわかる築城学入門15回 山城と平城の長所を使い分ける「平山城」の戦法
 しかし、平城が破られたあとに山城として戦うのは大砲が力をもつ時代においては無理があるのでは?コンセプトはおもしろいのだけど、全能力を発揮できる時期は限定的だった気がする。まぁ、城郭はみんなそうか。
 支配体制の視覚効果は文句なく大きかっただろうな。

前田利家一代記
 最後に利家のもとに集まった諸将の石高が爽快だった。佐藤大輔氏の信長シリーズにおける信長VS家康の戦力差はこの辺から来ているのかもしれない。あのまま揉みつぶしてしまえていれば……利家死後の混沌を考えるとあまり嬉しくないか。
 「顔が広い」ということも、結構効くものである。

ユーゴ紛争史 前編
 最終的にはソ連の力も借りたとはいえ、やっぱりチトーは凄い。
 ユーゴスラビアの民族対立は根っこが同じであることが余計に複雑な事態をまねいているんだなぁ。一家のイニシアチブを握りたがる精神が拡大している感じ。枢軸軍と戦いながら他の民族を虐殺している状況になると、もう無茶苦茶もいいところだけど……。
 チェトニクの定まらない姿勢には悲哀すら覚えた――虐殺をやっているから同情はまったくできないが。

普墺戦争
 ドイツ統一を目指した二国の苦難の道……プロイセンもオーストリアもドイツ連邦の外部に領土を持っていたり、連邦内にデンマークの影響下にある州があったりで、恐ろしく入り組んだ政治状況になっている。
 ケーニヒスグレーツの戦いで、後世につながる戦訓が得られている点も興味深かった。
 イタリアの見事なオチ担当ぶりには楽しい気分になれてしまう。解説文の諧謔がすばらしいこと!

バルバロッサ作戦 凍土の戦場 Act.11スヒニチ作戦成功
 35人で連隊って……その状態になるまで戦闘を継続させられたオットー・クムの人物に興味が湧いてくる。SSということも多分に影響しているとは思われるが……。そういえば皇国の守護者の北領での生き残りもそれくらいの数だった覚えがある。
 それにしても、必ず助けが来ることは士気を維持するのにとても大事だね。

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