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戦略・戦術・戦史Magazine 歴史群像 No.64 真・電撃戦

笠寺高射砲陣地
 鳥瞰イラストを描かれているのがいつもは戦国の堅城シリーズを描いている人だ!一見でわかってしまうタッチの個性に気付かされた。斜面を描かせたら伊藤展安氏に優る人はいないのでは?
 山を張って思いっきり負けた名古屋の防空戦はひたすら悲しかった。それでも地震の被害などがあったことを考えると、日本が空襲で負けたと言いきれるのかは気になるところ。

遠州 高根城
 良く復元されていることを活かしてイラストはなし……やっぱりイラストをみないと構造を理解した気持ちになれないよ。実際に行ってみたいと思ったが、なかなか行きにくい位置にあるかもしれない。18切符で飯田線をどんぶらこ?

軽巡洋艦 大淀
 最初の案の思いきった要求、なんか好きだ。潜水艦の指揮艦だから数も揃えたい思惑があったのかもしれない――といっても用法が艦隊決戦なら限られるかなぁ。通商破壊専用に使えても面白いんだけど。

カタパルト
 実はイギリスのカタパルト技術が凄かった!というオチ?アークロイヤルの時点でかなりのものになっている。軽空母を戦力化したいはずの日本海軍はこの件に関しては後塵を拝しつづけてしまった。パッキンの技術がなぁ…。

バラクラヴァの戦い
 思考の硬直した指揮官という、ひとつの具現化した恐怖。カーディガン将軍が怖くてしかたがない。命令さえ遂行できれば自分の判断はなくてもいいのか……一種の意地でやったんだっけ?背後の事情があったはず。
 シンレッドラインの活躍はコントラストとなって鮮やかだ。

日米マストの進化論
 かかかか籠マストっ♪小説でいわれるのは良く見るが、こうして意識して写真をみたのは始めてかもしれない。扶桑級の艦橋がみていてじわじわくる…。

真・電撃戦
 仏独の明暗をわけた「第一次世界大戦後」の経緯が興味深かった。ガムラン将軍は時代や国によっては悲惨な目に遭わせられるほどの仕事をしてしまっているなぁ。戦時ではなく平時に権力を集中することはリスクが高い。
 ドイツ陸軍の機動戦思想も元来は攻撃ではなく防御的な発想から生まれてきたことがおもしろい。フランス陸軍の塹壕戦をより良く戦う思想は攻撃には応用できなかったが――もっと致命的なことは外交に応用できなかったことだ。クラウゼヴィッツを読め――ドイツ陸軍の機動防御思想は攻撃への応用がすばらしく効いた。必要は発明の母という奴かもしれない。
 英仏のあいつぐ外交の失策によりベルギーの事前進駐を認めない態度がドイツ軍の進撃を容易にした要素もあるが、彼らはそうすることで主戦場にされてしまう危険を避けたとみるのは穿ちすぎか。

失われた奥州大戦
 愛の忠臣が示した才智と限界――まぁ、この記事では批判が集中しているわけだが。上杉景勝が大きな裁量を与えてくれたから、主君が臣下の働きを自分の功績にもできるような流れで、手勢の仕事をものにできている感じが…しかし、あくまでも家臣でしかないから批判を浴び始めると、どうにもならない。そんな風にも見えた。
 希望的観測を積み上げて判断してしまうところは後北条氏を連想させる。いっぱしの地方勢力が陥りがちな思考モードがあるのかもしれない。
 情報伝達速度にも左右される興味深い駆け引きがあったようだ。鮭様は、あの絶望的な状況でも家中をしっかりまとめていられた点が凄い。彼のネタ:最終話 庄内を領土に鮭漁を始める時…!

フリードリヒ大王の七年戦争
 戦う者たち。さらに戦う者たち。さらにさらに……ひたすら戦っていた。良く飽きないものだと思ってしまう。本人たちにしてみれば止めるに止められない辛さで一杯だっただろう。初期の栄光だけで終わってくれれば――その記憶が次の戦争を巻き起こしてやっぱりどこかで辛いことになっていただろうなぁ。
 鋼鉄の意志をもつフリードリヒ大王も偉大だが、ブラウンシュバイク公の戦績の良さが気になった。相手にしたフランスが弱体化しているという話を踏まえれば第一次世界大戦でロシア軍を相手に戦っていたようなものだから?イギリス軍が重点的にテコ入れしてくれていた関係もありそうだ。
 漁夫の利をがっぽがっぽ儲けて笑いが止まらない感じのイギリスが気持ち悪かった。これで最終的には利用し尽くしたプロイセンへの援助を止めようとするのだから恨みも買うだろう。

海鷲たちの軌跡
 必要性に迫られて整備した戦力が当たった点で真・電撃戦の内容に通じるものを感じた。おそろしい成長を遂げてしまったアメリカの空母機動部隊の防御に当たって砕けたのが最後のかたちになるか……漸減邀撃を航空兵力だけで繰り返す感じだと、それは兵力の逐次投入に過ぎないよなぁ。一度に叩きつけて守備力を飽和させるチャンスを得られなかったのが痛い。

航空偵察
 写真の立体視がいつまでも苦手でメガネによく頼っていたことを思い出す。あのメガネどこにいったかなぁ。見たものを正確に理解するために知識がたくさん必要であることが興味深かった。優秀な解析者ほど現場にも親しんでいるのではないか。

検証二・二六事件
 「生々しい」部分の計画性があまりにも無い。第一に「研究不足」に感じられた。彼らはどんな精神世界に住んでいたのかと考えてしまう。鳥羽伏見の戦いと同じ号に載っているのも何かの縁か。

戦場医療の歴史7 移動陸軍外科病院とヘリコプター
 ただでさえ戦力の高いアメリカ軍が戦力の維持に血道をあげているのだから手に負えない。ひっぱられてくる将来有望な若い外科医の気持ちはともかく、兵士にとっては非常に心強い存在だったに違いない。士気を上げる方法としては素晴らしく正攻法だ。

戦史の片隅で12 深く静かに潜行せよ!
 最初は愉しくて最終的には戦争の不気味さに打ちのめされてしまうような坑道戦の話。まったく、地下鉄でも造るつもりなのやら……。

日本の勲章
 もしももらえる機会があるならやっぱり嬉しいだろうと思う勲章。金鵄勲章はいくらなんでも数が出すぎで、かえってありがたみが薄れてしまう面もありそうだが、実際にもらえる身分になればそんなことも言ってられまい。
 私の祖父が持っていたのは勲章だったか、記念章だったか……今度また見せてもらおうかな。

第三帝国興亡記の魅力
 ゲーム広告記事。スピーディーなプレイを売りにしたSLGという矛盾に近いものに挑んでいた様子。でも、そういうコンセプト、定期的に話題になる気がするなぁ。背後をいろいろ考えてしまう癖がついてしまったからいけない。マップをみてアメリカの参戦がどう処理されるのか気になった。
 第二次世界大戦シミュレーションゲーム 第三帝国興亡記

機械伝説 最終回
 最後は優雅なハサミで締め。ちょっと趣の異なるものをとの事だったが、それ以前に紹介されていた機械たちも使い込まれ人間の手に馴染んだ雰囲気があってよかった。量産品だろうとも私もそういう道具を持てるようにしたい。

日本の常識非常識 勇の首は宣伝に利用された
 文章のまとまりがどうも悪い。けっきょく何が言いたかったのか。
 呪術的な思想は興味深かった。

インタビュー 西村幸吉
 壮絶なニューギニアの「エフォギ」での遭遇戦。オーストラリア軍も相当根性があったというのは良く聞く話だが、1000人の部隊が500人以上の被害を出して戦い続けるとは……42人で立ち向かった日本側が凄まじいのは、もちろん両者に圧倒されてしまった。
 なお、インタビューを受けられた西村氏はこの戦闘のあともニューギニアでの戦いを経験されている…。

よくわかる築城学入門28 攻城術
 最終回。イラストと文章を香川元太郎氏が一手にひきうけていたことにようやく気付く。器用な人だ――絵を描くにはそれだけ詳細な知識が必要か。非常に楽しく読めるシリーズだった。

THE WAR MOVIE 14 コレリ大尉のマンドリン
 リアルな戦闘描写が気になってしかたがなくなってしまった。非日常の戦争を、ファンタジー的な恋愛を描くために巧く使いこなした作品のようで。制作年代が新しいのも目を引く。

カポレットの戦い
 ドイツおよびオーストリア同盟軍の浸透戦術がイタリア軍を崩壊させる!
 やっぱり浸透戦術は大量の捕虜をだす。くらったのがイタリア軍でなくても奇襲が成功した段階で、捕虜がでまくる結果を招いたのは変わらないのではないか。それをしてイタリアへのイメージを植え付けられてしまったとしたら若き日のロンメルに対する影響が強すぎる。カポレット以前のオーストリア軍との激戦においては、しぶとく犠牲を払い続けていただけに印象のマジックの怖さを感じた。
 大砲の射撃で雪崩が起きたのは、この戦線だったか…。

鳥羽伏見の戦い
 戦略的には圧倒的に話を進めていた徳川慶喜だが、戦術的な敗北によって全てを失ってしまう。そんな視座で記事は進められている。「大久保党」の権勢欲が生理的に気持ち悪くなるくらい強烈で嫌な気分になってしまった。
 でも、あそこまで戦争に弱くなるような組織的な欠点を抱えていた幕府が政権を維持しつづけるのも微妙か。バランスを取ると、もっと薩長の相対的な地位を引き下げる形で明治維新がなってほしかったかも。

アルジェリア戦争
 ひたすらアホな行動をするコロンは、自分たちの居心地の良い狭い世界に拘泥しているだけで、全体どころか本国の世論さえ見えていなかったようだ……財政赤字のことを考えると彼らが収奪の対象にしていたのはアルジェリア人であると同時にフランスの本国人だった可能性もなきにしもあらず。そりゃ、干されるよ…。

ツィタデル作戦Act.3ハリコフ奪回
 状況判断を間違えたまま、狂った命令を出し続けるソ連の司令部がみていられないくらいだった。ある意味、非常に漫画的な人たちだ……。
 パウル・ハウサーSS上級大将の撤退を決断したことが見せ場になってしまう逸話も印象的だった。マンシュタインに直談判に来た総統はなんとも哀愁の漂う顔をしていたなぁ。


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