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妖光の艦隊2〜さらなる混沌 林譲治

 磁場の異常によって無線通信が極めて困難になったのみならず、食糧生産が無茶苦茶になってしまった世界で各国は自国民を生き残らせるための道を必死で模索しつづける。しかし、ただでさえ情報が手に入りにくい状態で積極的に行動しなければならないことは、望むのと逆の結果を往々にして招いてしまうのだった……。
 基本的にはドタバタ喜劇なのだが、前提となっている現象が喜劇的すぎるせいでかえって悲劇的に感じられた。アメリカとソ連の軍人が勘違いキングになっているのは大国ゆえに肥大化した自我が関係している気がしないでもない――まぁ、帝国陸海軍人も自我の肥大はそうとうあったような気がするが。
 そういう人材を前線にださない時期に適した人事こそが大切か。

 通信能力の問題によって戦艦大和がすっかり変態的な船になってしまっているのがおもしろい。
 航空機による通信を重視した戦艦空母であるだけではなく、飛行甲板ではなく砲塔配置が斜めになっているという……イメージだけで頭が痛くなってきた。敵国の軍人が長時間正視してくれない戦術的な効果も認められるのではないか。
 指揮を受けるために常時みつめていなければならない味方こそ憐れなれ。

 大砲については最強戦艦魔龍の弾道と同じ路線の「クロームバナジウム弾」が使われている。さらに残り二隻をキャンセルする予算で、4隻の長門級強化版戦艦を海に送り出そうとしているのだからますます似た形になっているといえるかもしれない。
 まぁ、進化収斂みたいなものか――他のシチュエーションがあまりにも違いすぎていた。

 最後に異常気象に効果抜群の「大豆」ネタが山本五十六連合艦隊司令長官を直撃していた。いったいどれだけ食べたんだ……プラシーボ効果もバカにならないからなぁ。

妖光の艦隊1巻〜災厄の開戦 感想

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妖光の艦隊〈2〉さらなる混沌 (ワニ・ノベルス)
カテゴリ:架空戦記小説 | 23:36 | comments(0) | trackbacks(0)

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