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帝国の危機1〜予期せぬ戦争 林譲治

 外務省が害務省になり、日米戦をひきおこす。官僚制度の弊害をまざまざと見せつける架空戦記シミュレーション。まぁ、いつもは海軍や陸軍が弊害をみせるのだけど、外務省があまりにも腐った状態にあるおかげで、彼らがだいぶまともになってしまっている。まぁ、実際に在アメリカの大使館は酷いエラーをしでかしてくれたわけだが……その後、どうしたんだろう。
 選挙民の命を守るという名目でよい装備が整えられているだけではなく、陸海軍の協力体制も史実よりはだいぶよい状態にあるので、戦争部分に関していえば悪いストレスがあまりなかった。

 そして、興国海運と興国陸運の存在だ。
 国策会社として、海軍陸軍の外郭企業(天下り先)として、存在するこれらの会社がこの世界の日本に与えている影響は絶大なものがある。単純な戦力強化にとどまらず、OBが大量に在籍するために古巣への圧力をもっている点が興味深かった。
 アメリカも開戦の経緯が不本意なものであったおかげで、戦争におよびごしな雰囲気があるし真珠湾の燃料施設だけを狙った「神風攻撃」から通商破壊戦のコンボも非常に威力が高い。アメリカは受身のうえに戦力の逐次投入になってしまっているから分が悪かった。

 中島知久平総理大臣の指導下に政治主導で一丸となって講和への道を探る日本の姿を楽しむことができる作品だ――そういえば飛行機開発はどうなっているんだろう?零戦には史実通りの甲型のほかに、よりも健全な設計思想による乙型が存在するみたいだが。

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帝国の危機〈1〉予期せぬ戦争 (アスペクトノベルス)
カテゴリ:架空戦記小説 | 23:19 | comments(0) | trackbacks(1)

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