<< 真田武陣伝1〜大阪異変 仲路さとる | main | 幕末戦史 歴史群像アーカイブvol.12 >>

今吉鉱物標本 地質調査所

 今吉鉱物標本が地質調査所に寄贈されるときの整理にあわせて刊行された国産標本の写真集。
 母体があまりにも膨大であったため、一部しか収録できなかった関係で、わりと一般的な鉱物種が多くなっていると解説されている。しかし、一般的な鉱物であったとしても、鉱山が開かれていた時期に集められた標本なので驚くような質を誇っている。
 遠い昔に閉山した場所での採集になれてしまった目には本当に国産のものなのかと目を疑ってしまうようなものが目立った。自然砒で有名な赤谷鉱山のスカイブルーの霰石や秩父の車骨鉱など稼行中ならではの標本なのではないか。

 まぁ、中にはその後、さらにいい場所に当たったのか知られているもののなかではそれほどでもない鉱物もチラホラあったのだが……。
 逆にいまでも採れるからこそ、採るために費やされた苦労を思うと気が遠くなる標本もあった。山梨県黒平のアクアマリンなど、その筆頭にあげていいかもしれない。まだまだ交通機関の発達していなかった日本を東奔西走して、見事なコレクションを築かれた今吉先生の仕事ぶりに頭が下がる。わざわざ口にせずともコレクションが仕事を語ってくれるって素晴らしいなぁ。
 今吉先生の仕事といえば日本の鉱石を宝飾関係に積極的に使うこともあったそうで、表紙の鉱石タイルも面白くかつ凄い。

 地質調査所が刊行しているだけあって、蛍光写真や電子顕微鏡写真がごく自然にでてくるとこも魅力的だった。巻末の標本紹介も簡潔でも大きな意味をもっている。


鉱物関連記事一覧
カテゴリ:地学 | 19:46 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 19:46 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1169
トラックバック