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プリンス・オブ・ウェールズ奪取大作戦 林譲治

 マレー沖開戦で沈没したイギリスが誇る新鋭戦艦プリンス・オブ・ウェールズ。これをサルベージして利用しようという大本営の荒唐無稽なアイデアに翻弄された技術者たちの戦いが描かれる。

 戦記ものらしい戦闘も確かにあるものの、そのメインはサルベージに関する技術的な話が当然のように占めていた。これがなかなか興味深くて、楽しく読み進めることができた。いつのまにか主人公級になってしまっている潜水夫の名倉がやたらとカッコいい。
 重力条件が似通っているせいか、SFの主人公が投影されている雰囲気さえ受ける。

 また、普通の水上戦ではなくイギリスが送り込んできた特殊潜航艇との奇妙だが命がけの水中戦闘が描かれるところにも盛り上がった。冒険小説に技術要素をめいっぱい絡めたしあがりになっている。

 日本海軍の主流派。兵科士官への皮肉に満ちているのはお約束的な現象だ。
 同じ戦場にたってくれるとそこまで悪く思えないのだが、戦場にいないときの兵科士官はありがたみがない。まぁ、当然のことかもしれないが、それが助長されすぎている。

 プリンス・オブ・ウェールズの浮揚に関連して一足早くレーダーの技術が、日本に伝わることになったのも見逃せない点だ。戦艦のマストが高いおかげで、レーダーの回収だけは20mの深度から行うだけで済んだのも密かにおいしい点であった。
 政治的な意味合いもあり、日本海軍の戦艦亜細亜として歩むことになったプリンス・オブ・ウェールズが歴史に与えていく影響が楽しみだ。

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プリンス・オブ・ウェールズ奪取大作戦 (ジョイ・ノベルス)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 07:45 | comments(0) | trackbacks(0)

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