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プリンス・オブ・ウェールズ逆襲大作戦 林譲治

 浮揚に成功したプリンス・オブ・ウェールズだったが、予想外に状態がよくても戦力化までに紆余曲折を余儀なくされる。それはほとんど手遅れとさえいいたくなる問題であったが、それでも先行して海軍艦艇に配備されるようになった電探や優秀な射撃指揮装置などの意味は大きかった。

 ついに戦艦「亜細亜」が出撃することになった捷一号作戦では、その影響がはっきりと現れて、史実とは大きく異なる戦いが展開されることになる。
 あれでTV信管が装備されていたらどうなっていたことか。せめてプリンス・オブ・ウェールズ輸送作戦の経験を踏まえてロケット弾を……と思わないでもなかったけれど、まともに戦訓を分析しようとすればするほど、僥倖であったことが明らかになってしまうかなぁ。
 あの場に技術士官がいたことは、この一点ではマイナスだったかもしれない。ハードウェア自体は航空攻撃で沈められたプリンス・オブ・ウェールズのものを参考しておきながら、見事な対空戦闘を演じたのは皮肉な話であった。
 それだけハードウェアを活かす「運用」が大事ということでもあろう。

 まぁ、いくら助かったとはいっても戦艦から得られた情報では限界があって、戦闘機は零戦のままだったりするのだが……航空攻撃の無謀さをアメリカ軍より先に理解して奇策に切り替えたこともあり、太平洋戦争の間中ならなんとか誤魔化しが効くかもしれない。
 妙に希望がもてる部分のあるラストであった。普通では計算外の戦艦「亜細亜」が強力な戦力としてあるおかげだろうか。

 あと、根岸少佐の日記は敵軍に回収されるといくないっ!

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プリンス・オブ・ウェールズ逆襲大作戦 (ジョイ・ノベルス)
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カテゴリ:架空戦記小説 | 12:54 | comments(0) | trackbacks(0)

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