<< 修羅の戦野2〜攻防遼東半島 横山信義 | main | 修羅の戦野4〜ハルピン最終決戦 横山信義 >>

修羅の戦野3〜北満州追撃戦 横山信義

 快進撃を続けるパットン戦車軍団はソ連に大義名分をあたえている満州人民共和国の首都満州里をめざす。
 しかし大興安嶺山脈に進撃をはばまれた彼らを、戦力を再び充実させたソ連軍が戦略的に二重包囲しようと攻撃してくるのであった。勝つのも負けるのもパットンらしい展開だ。これで同盟軍司令官がモントゴメリーなら戦線崩壊していたかもしれない。それほどの窮地が楽しめた。

 戦場になることで当時の満州を冒険旅行している気分になれるところもよい――冒険する先から観光名所が破壊されていくけれど。
 まるで日本や朝鮮が焦土にされる代わりであるように、ソ連軍と日米軍が土地を行き来した満州の住民たちが可哀想だ。作中で自国ならともかく、攻め込んだ先で焦土作戦をやるかと日米の指揮官に罵られていたのは不思議に感じられた。
 日本軍やアメリカ軍だって南洋の島を放棄するときには軍事インフラを破壊していったではないか。都市の場合は、それが住民の生存にも欠かせないものになってしまっているから残酷になるが、共産主義者たちはこの件に関しては純軍事学的に行動するのであった。

 ソ連軍のテコ入れにドイツからの新兵器が参加しているところも、第二次世界大戦のちょっと未来の戦争を演出できていて面白い。
 日本軍がひたすら現実的にアメリカの兵器を採用しがちなのは寂しいが、P-51ムスタングなどと張り合うのが極めて難しいのも理解できた。あと、スターリン重戦車に近接戦闘を挑むシャーマン戦車の光景には妙に燃えるものがある。

 でも、パットン式電撃戦から言っても最後はやっぱ航空攻撃だよね!と相成るのであった。無理すれば満州の地でアメリカのエアランドバトルとソ連の縦深作戦理論が激突したと言えるかもしれない。

横山信義作品感想記事一覧

修羅の戦野〈3〉北満州追撃戦 (C・NOVELS)
修羅の戦野〈3〉北満州追撃戦 (C・NOVELS)
カテゴリ:架空戦記小説 | 21:59 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 21:59 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1225
トラックバック