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邀撃マリアナ海戦3〜最後の艦隊決戦 伊吹秀明

 大型の装甲空母に、新型の迎撃機、そして電探による航空管制とパズルのピースをひとつひとつ嵌めこむように決戦への準備を整えてきた日本海軍がついにマリアナ沖でアメリカ海軍と激突する!
 実に最終決戦らしい煮詰まった空気があって、とてもエキサイティングすることができた。わずか3巻でも目指す絵をきちんと決めておけば、これだけ大規模な雰囲気のある艦隊決戦を演出できるのだ。

 空母に戦闘機だけを積んで、戦艦の砲撃力で勝敗を決める作戦は八八艦隊物語などにも見られる発想だけど、そこにレーダーの発展を考慮した一味をくわえてきた点がよかった。あと、91式徹甲弾が地味に殊勲賞をあげている。
 砲塔を二つ減らした14インチ砲戦艦の日向が新型の16インチ砲戦艦をバタバタと倒していけたのはひとえに91式徹甲弾のおかげであろう――実際の効力はどうなんだろうなぁ。

 アメリカ側からみると、まず最初に空母機動部隊を分散し、続いて戦艦部隊を分散する兵力の逐次投入のかたちになってしまったところが非常に痛かった。
 後者については偶然の悪戯と言える面もあるが、アメリカが充分な兵力を用意してしまったがために司令部が余裕を持ちすぎたことも一因といえるかもしれない。また、マリアナに揚陸部隊を送り込んで自らの退路を断つ形になってしまったのも大きい。


 死せる天才参謀と生きたエリート参謀の戦いとしてはじまった邀撃マリアナ海戦も、ラストを迎えるころにはコピーであることを求められていた鼓武中佐が成長して樋端参謀にも負けない一流の人物になっていた。
 環境は人を創る。そんな言葉を思い出しつつ、彼の勝利に晴れやかな気分になることができた。

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カテゴリ:架空戦記小説 | 22:04 | comments(0) | trackbacks(0)

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