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氷山空母を撃沈せよ!3〜東京沖最終決戦 伊吹秀明

 まずはマリアナ沖での岸田艦隊と、体勢を完全にととのえた氷山空母ハボクックの戦い!
 これまでの経験から導き出した「ベストの作戦」が、圧倒的な打撃力とアイスマンの頭脳に次々と打ち砕かれていく絶望感が見事だった。これまで激しく干戈をまじえてきた英雄たちがひとりまたひとりと消えていく様子も戦争の空しさを伝えている。

 死力をふりしぼった最後の抵抗もついえたかに見えたとき、阿合捷一郎が歴史の表舞台に姿をあらわして、本当に最後の勝利への道を開く。
 なんだかんだで新兵器の目白押しで勝負するところはSFっぽいと言うか……詰め以外は兵力が充分にあれば新兵器がなくてもできる作戦ではあった。
 諦めずにしっかりと迎撃体勢をととのえていればハボクックにも勝機が――と考えてみたけれど、最初から専門の兵員を準備している日本軍相手ではあまりにも分が悪いなぁ。乗り移るときに舷側の高低差がどうなっているのか気になった。
 場合によっては空挺作戦で襲い掛かることも可能な戦闘艦艇。それが氷山空母ハボクックではあるが……。

 エピローグをみた感じではハボクックは戦後、合衆国に返還されたようだ。日本としては自分にも氷山空母「富嶽」さえあれば、維持に恐ろしく金の掛かりそうなハボクックはあえて必要ではなかったのだろう。
 どうも世界に定着した様子に、ソ連もまた氷山空母を建造してアメリカと覇をきそうロクでもない戦後を脳裏に描いてしまった。核兵器のおかげで相対的に重要性は低下していくとは思うが、メガフロート空母構想に似通ったものを持っているだけに氷山空母世界の未来に興味が尽きない。

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氷山空母を撃沈せよ!〈3〉東京沖最終海戦 (トクマ・ノベルズ)
カテゴリ:架空戦記小説 | 20:16 | comments(0) | trackbacks(0)

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