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戦略・戦術・戦史 Magazine 歴史群像 No.78 マレー沖海戦

筑前 小石原城
 ミニチュア感が何とも言えない城。しかし、堅固なつくりから守備力はあなどりがたいものがある。鉄砲狭間に全員を配置できるだけ兵を集めたら中の建物に収容できない気がした。
 黒田家と細川家の仲の悪い話は興味深かった。

イギリスコマンド部隊
 イラストにでてくる指揮官のスタイルが凄い。さすがはイギリス人といわざるをえない。ボーア戦争が発想の根底にあるところに歴史の連続性を感じる。

敷設艦 厳島
 歴史のある艦名をもつ機雷敷設艦。本来の目的である攻勢機雷戦をおこなう機会にはあまり恵まれなかった。水上砲戦にこだわるよりも対空火器をもっと充実しておけ……と後世の目から思う。

帝都陥落! 第四次十字軍
 悪名高い迷走の十字軍。まぁ、全員にとっての目的は達成してしまっているし、しょせんビザンティン帝国も異教徒なのか……暴走を教皇が追認するしかない状況に絶望的なものを覚えた。まともな戦闘になることなく、民衆の批判を受けて皇帝が逃走してしまうのはビザンティンのお国柄か。

軍用拳銃の世界
 一世紀選手の拳銃もあるが、さすがに最近は更新されてきている。良く考えるとそれでも40年や30年は経っているんだけどなぁ。いざというときに命を守るものだから、それくらいの実績はないと採用できないのかもしれない。

海軍婦人予備部隊 WAVES
 当然だが華やかな感じのある写真が多かった。士気への影響もやはり無視できなかっただろうなぁ。アメリカ本土での航空機輸送などはかなり危険で重要な仕事だ。前線には出なかったとはいえ、事故の犠牲者はあったのでは?そこに触れられていないところがむず痒い。

作戦分析 マレー沖海戦
 イギリスZ艦隊の戦艦二隻を沈めた史上名高く、短い海戦の記録。連合艦隊司令部が現地の司令部と違って事態を楽観していた背景には航空戦力への評価もさることながら、Z艦隊が戦艦以外は駆逐艦4隻しかいない著しくバランスを欠いた編成であった点も影響しているように思われる。
 航空攻撃にしろ、水雷戦隊の攻撃にしろ、あの編成では充分に防ぐことは困難であろう。まぁ、ミッドウェーでの日本海軍だって空母を護衛艦隊にうまく守らせることができたとは言えないわけで、この意見は連合艦隊を先見的に評価しすぎかなぁ。航空戦力に限って言えばかなりの集中ができている点は見逃せない。
 何にしてもインドミダブルや空軍の航空支援があるならばともかく、ない状態で敵の間合いに踏み込んだフィリップス提督は判断を誤ったといえる。

南海の覇者 長宗我部戦記
 一条兼定のキャラクターが強烈に焼きついた。土佐の中でみれば圧倒的な国力をもっていたのに伊予への無謀な侵攻をくりかえして、力を無為に使いまくっていたとは……無能な敵は有能な味方に優るなぁ。ほとんどの期間は協力関係にあったので、その言い方はおかしいようにも聞こえるが、長宗我部元親の協力はあとで食いつぶすために行うものなのだ。
 織田家・豊臣家が巨大すぎたのと、中央と土佐の地理関係が彼の野望を達成するには痛かった感じだ。一方で、有能な兄弟家臣に恵まれ、一両具足での凶悪とさえいえる動員を可能とした長所も覚えておきたい。

清朝激震! 太平天国の乱
 王朝が成立してからのグダグダっぷりに胸が熱くなるな……。それ以前に民衆への虐殺をおこなってしまっている点で太平天国に未来はなかったか。太平天国にとっての強敵が漢人の農民から現れている点は無視できない。一神教をモデルにしている関係で寛容性にかけるところがあったのかもしれない。まぁ、激しい攻城戦の結末は、虐殺が常といってしまえばそうなのだけど。
 太平天国の末期を支えた李秀成の孤軍奮闘が見事だった。

潜水艦解体新書
 有坂純氏はこんな記事も書かれるのか……正直なところいきなり話が転ぶことが多くておい掛けにくい文章だった。中途半端に日本海軍の潜水艦の歴史を描こうとしていたせいもある。
 艦隊構造についてなど勉強になった。ドイツ海軍潜水艦が人間を100メートル上空に凧揚げして見張りをさせた話が興味深かった。凄いことをするなぁ。

足下に潜む沈黙の悪魔 地雷
 悪魔的な使い方について嫌気が刺すほどしっかり解説されており、こんなことしていいのかとさえ思ってしまう。こんなものに立ち向かわなければならない工兵たちに同情を禁じえなかった。最悪の地雷処理方法に使われる人々には当然…。

インタビュー 高井太郎
 尉官として6つの大海戦に参加された方の経験談。乗艦が二度も撃沈された経験をもっていて、それでも終戦時まで戦意に衰えを知らなかったところが凄い。回想にあたっては、みんながそんな状態だったからこそ終戦の時期を失ったと反省されていたけれども……難しいなぁ。

THE WAR MOVIE 第26回 メンフィス・ベル
 閉鎖空間をうまく舞台装置にした作品のようだ。作品内容も気になるが、レビューの視点に学ぶところが多かった。

アメリカ軍艦紀行
 たくさんあるのも確かだけれど、国が大きいだけに広範囲に分散している。戦艦の場合は名前にされた州が引き取るパターンが多いからどうしても分散するわけだ。いちど見て回りたいと思った。

信長の独断 加藤清正と荒川静香
 荒川静香選手の方は忘れかけていた。でも、イナバウアーと言われると思いだす。清正は虎狩りの、と言われるまでもなく思い出すので流石に比重が違うと思う。

戦場のミステリー第10回 バスティーユ「攻撃」伝説
 この説はこの説で民衆が現実をみている感じがして面白いなぁ。もっとも、火薬を求めるところは現実的だが、交渉の経過が分からずに暴走してしまうところは充分に感情的ともいえる。

軍用ヘルメット1
 ドイツのヘルメットはジオンのモビルスーツにまで影響を与えているよね……。ライフル弾に耐えようとした厚さ6ミリの前面装甲板や日本陸軍のヘルメットの話が興味深かった。

スイス傭兵500年史
 スイスの歴史がよくわかる。つまり、傭兵の歴史はスイスの歴史そのものといっておかしくないほど、二つは接近した存在だったようだ。領域国家としてイタリアへの進出を試みた時期があった点が興味深い。
 内容的に狼の口(ヴォルフスムント)のことを思い出しながら読んでいた。

九鬼水軍興亡記
 熊野水軍と村上水軍の歴史的な関係が興味深い。最終的には徳川氏の政策もあって「狡兎死して良狗煮らる」に近い状況になってしまったと。

クレンス・メッケル
 トルコに招聘されていた大尉が日本にやって来ていたら、歴史はどれだけ変わっていたことだろう。もっとも、日露戦争の結果を考えればメッケルも充分な仕事をしたよ。その後、上手く行かなかった責任を負わせるのは厳しい。まぁ、良いとこどりは難しいのだ……。

栄光のレジスタンス
 ド・ゴールの自尊心の強さにも困ったものだ。まぁ、そういう人間でなければ権力者になれない時代だったのも事実なのかも。
 レジスタンスは負けたら当然バッドエンドだが、勝ってもなかなかハッピーエンドでは終われないものなのだなぁ。

ザームラント1945
 1台で15台を撃破した戦車戦が凄かった。それをなしとげたカルパネト車長の元の職業は絵描きという。攻めるソ連軍の戦力は圧倒的だが、ドイツ軍の戦力でも小国にとっては鬼のような規模である。第二次世界大戦の巨大さを感じざるをえない。


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