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戦国大合戦記2〜長久手最終戦 吉本健二

 黒田官兵衛2万石からの天下盗り!
 そう書いてみると人材の問題からも無茶苦茶な話に聞こえるのだが、そこそこの説得力をもってしまえるのが黒田官兵衛の個性なのだった。史実においても関ヶ原の戦いで、ほとんど手勢がない状態から大暴れしているからなぁ。実績とは恐ろしいものだ。

 秀吉と家康のずるずる長引かせられる対陣からはじまった戦いは、両者が激しくかみ合った直後に黒田官兵衛があやつる新生織田軍が殴り掛かる変態的な展開に……朝から日没までずっと激しく戦い続けた兵士・指揮官たちの気力に圧倒される思いだった。
 両雄にいたっては、その後の逃避行まで余儀なくされるのだから堪らない。私としてはただただ同情することしきりである。

 天下人とその次期候補が倒されたあとの戦国の趨勢は、羽柴秀長がしぶとく日本の中央に居座ったことによって、かなり不安定になっている。ここからの展開もおもしろそうなのだが、話自体は秀吉と家康が片付いた時点で終わってしまった。
 うまく秀長が天下人にならないかなぁ――なっても後継者に恵まれない問題はでてきそう。そうなると最後に勝つのは藤堂高虎かもしれない。傍目にはおもしろくも、巻き込まれる民草にとっては堪らない戦国時代、その現実を意識される作品だった。

戦国大合戦記〈2〉長久手最終戦 (歴史群像新書)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 23:32 | comments(0) | trackbacks(0)

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