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サハリン争奪戦・下 大石英司

 サハリンの地方軍を率いるイゴーリ将軍がサークル・シティに到着し、戦機は満ちていく。
 ロシア軍同士の熱い戦いがとても面白かった。いっぽうは地の利と練度で、いっぽうは装備と数で勝利を追求する立場の違いがはっきり出ている。音無二佐とサイレント・コアが関わる戦闘はだいたいワンサイドゲームになってしまうからなぁ。
 イヴァン雷帝が乗りだした追撃行ですら、海軍歩兵の増援部隊を元天才コマンドに殲滅させて株をあげるのがやっと……サイレント・コアが出てくるからと言っても、ひとつの世界におさまる状態ではとっくになくなっているのだから、定期的に犠牲者が出ても良いのではないか?そんなことを考えてしまう。
 まぁ、彼らの場合は被害をひとりも出さないところまで行ってやっと「プロの仕事」を完遂している雰囲気があるので、そういう目で見ておけば緊張感をもう少し持てるのかな?

 青年主人公を張った李拓哉くんは、途中の扱いが、刹那的な欲望に溺れる若者にみえたので展開に気を揉んでいた。最終的には男を上げてくれて万々歳と言ったところか。
 ただ、若者への厳しい目は「愚連隊」側に強く残っていた気がする。
 大地震で多くを失い、どうにも立ち直れなくなった事情を知れば多少は同情も湧いてくるのだが――それが戦場ではいちばん危険な感情なのだろうなぁ。

 上巻の導入が、最後の最後にオチの焦点を結んでくれたところも良かった。ページ数が残り少ないのを横目に駆け足する気分だったが、伏線をなかなか綺麗にまとめていた。

サハリン争奪戦〈下〉 (C・NOVELS)
サハリン争奪戦〈下〉 (C・NOVELS)
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