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戦国の堅城供\鑪・戦術に応じた多彩な城郭群

 戦国の堅城1巻に続いて、見ごたえのあるイラストレーションとパズルを解くような縄張り解説で戦国時代の日本城郭を解説していくムック。
 城ごとの紹介は「境目の城・繋ぎの城」「居城・根城」「実戦にみる城の戦い」の三つに分類されており、軍事施設としての城から政治的象徴としての城まで多角的な視点から、城をみることができた。

 それぞれの部につけられている特集記事も興味深く“未完の城”と言われる異形の城の縄張りと、惣構を通じた市民支配の話題が同じ城を題材にしているとは思えないほど方向性を異にしていて、その差が面白かった。


 個々の記述では武田氏が戦術判断力のある精鋭が戦うのに向いた城を造ったのに対して、北条氏はそこまで優秀ではない兵でも一定の成果をあげられる城を造ったというのが、とても興味深かった。城はそれぞれ背景をもって造られ、背景が多様であるかぎり、同じ城が生まれるわけがない。
 そのことを実感させる記述だ。
 武田氏の城は精鋭を失えば、防御力も一気に低下してしまう弱点があるわけで、長篠の打撃がどれだけ大きな意味をもったかを想像させる。いっぽう、北条氏の守城戦術は一定数の兵士がいないと成り立ちにくいところがあり、すべての城に充分な防御を施そうとすれば後詰決戦を行うべき主力が細ってしまう。

 このように最強の城をえるのは非常に難しいものだ。それでも状況に応じて相対的な堅城や戦略要求を満たす城を造り上げるべく知恵を絞った人々の姿が、城郭の縄張りからは見えてくる。それを教えてくれる本だった。

戦国の堅城〜築城から読み解く戦略と戦術

戦国の堅城 (2) (歴史群像シリーズ)
戦国の堅城 (2) (歴史群像シリーズ)
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