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春秋戦国新聞 春秋戦国新聞編纂委員会編

 周の末期から楚漢戦争の終わりまで春秋戦国時代を新聞形式で描いた本。出来事が整然と並べたてられており、おもしろい洞察も多くて楽しめた――必ずしもそれが真実ではないことに注意する必要があるけれど。まぁ、歴史なんてそんなもんか。

 妙に気になったのが墨子が現れる前の時代に墨守の表現が使われていたこと……その気になって探せば別の故事成語もたくさんあるだろうな。気にしはじめたら負けだと思われる。
 言葉はでてきたのに墨子自体に存在感がなかったのは、かなり残念といわざるをえない。諸子百家よりも、彼らを扱う王侯を中心に物事がとりあげられているので、民衆に近い位置で活動している人々の動きはやや見えにくいところがあった。

 なんだかんだで最後の楚漢戦争がいちばんおもしろく感じられてしまったのは、史記と違って時系列がしっかりしていたせいもあると思う。スパンも短いのでより新聞の形式に向いた時代だったと言える。
 しかし、楚漢戦争のおもしろさは春秋戦国時代の知識あってのことなのも、また事実。司馬遼太郎氏の「項羽と劉邦」単体を読んだときには気付かなかった歴史的な背景がやすやすと頭に沁み込んでくるのは新鮮な経験だった。

 それにしても項羽は人材を失いすぎ……最後に残った周勃がいままで謀反の疑いをうけた人材の恨みを晴らすように裏切ったのは、歴史の皮肉といわざるをえない。項伯がむしろ義理をまっとうした人物にみえてしまうのも興味深い。

 新聞らしく左上に4コマ漫画がつくのだが、文句なく笑えたのは2本くらい。臥薪嘗胆で目覚めているネタは素晴らしかったなぁ。あと、呂后……。

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