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非戦〜解放の戦斧2 林譲治

 植民地独立運動の沸騰にまきこまれたデモクラシーの国、日本は「帝国主義諸国」の願望を投影される形で、宣戦布告を受けることになるのであった。
 かなり効率的に戦える組織を整え、戦略的にもヨーロッパが絡むために終戦への道筋は立っている。ただ、アメリカがきっちり参戦してきたところは厄介だ。イギリスとオランダに相手が限定されては、いまいち地味かもしれないが。

 欧米人や日本人が意識しない植民地人の意志が大きく歴史を動かしていると主張する割には、独立運動を指導している人間の名前がでてこないところが印象的だった。
 そうなれば独立運動はいちぶの人間の「英雄的行動」になってしまい、かえって大衆を構成する個人個人がもつ意識が目立たなくなってしまうからだろうか。

 戦力的な差を独立運動の闘士たちがある程度おぎなってくれることは計算されているかもしれないが、終戦工作の際も彼らのことを計算しておかないと大変なことになりかねない。下手をすれば参戦していないソ連がいちばん美味しいところをさらっていく可能性もある。
 命懸けの戦い以上に、そういう深いところで緊迫させられる作品だ。


 それにしても砲艦「熱海」のポケット戦艦的コンセプトはずるい。同じ作者のゲルリッヒ砲搭載「大和」よりは大人しいが……。

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非戦―解放の戦斧 (2) (歴史群像新書)
非戦―解放の戦斧 (2) (歴史群像新書)
カテゴリ:架空戦記小説 | 22:03 | comments(0) | trackbacks(0)

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