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非戦〜解放の戦斧3 林譲治

 空母機動部隊と現地の独立運動勢力の連動によって、イギリスとオランダの現地軍は戦闘能力を喪失する。意図的に無政府状態をよびこむ日本軍の戦法が、徹底的なインフラ攻撃とは別方向に空恐ろしいものに見えた。
 確かに日本と列強との間に残る禍根は減るかもしれないが、代わりに現地の騒乱に巻き込まれた宗主国の人間の恨みは大きくなる。どれほど大きな蛮行が生まれたのか――植民地支配も蛮行の一つであるだけに――想像するのも恐ろしい。

 イギリスの場合はドイツと戦わせている植民地の兵士たちが、日本の活動によって刺激を受けていまいち頼りにできない存在になってしまいかねないのも大きかったに違いない。
 ともかく、イギリスとオランダはあっさりと脱落する。

 そして残ったアメリカは……フィリピンに太平洋艦隊の本拠地を置いていたせいで、主導権を日本に握られ続ける破目に陥った。補給艦隊が届かないものだから、フィリピンに展開している太平洋艦隊を補給艦隊の援護に出動されることもままならない。
 これは戦争が多分に突発的にはじめってしまったもので、準備が不十分だったこともあるのだろう。彼らにしてみればいいところのない戦争であった。

 当時の日本はアメリカやヨーロッパからの工業製品の輸入を必要としていたが、同時にフィリピンや蘭印も日本の工業製品を必要としていたという視点が新鮮でおもしろかった。
 でも、いろいろな関心はあとがきのLINUX話に食われてしまうのであった……。

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非戦―解放の戦斧〈3〉 (歴史群像新書)
非戦―解放の戦斧〈3〉 (歴史群像新書)
カテゴリ:架空戦記小説 | 23:05 | comments(0) | trackbacks(0)

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