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ジェムストーンの魅力〜宝石の原石を読み解く カレン・ハレル&メアリー・L・ジョンソン

 130種に及ぶジェムストーンの魅力を、原石とルース石の写真をもちいて紹介してくれる本。
 いわいるコレクター向けの伊達と酔狂でしかカットされない石まで網羅しているところが素晴らしい。硬度3、劈開完全をカットさせられる宝石職人の気持ちは想像できない。腕の見せ所と喜び勇んでいるのか、それとも……。
 その手の石だとインクルージョンを魅力的に見せるカットをした方が高価になる場合があることが語られていて、心の底からコレクター魂の凄まじさを思い知った。
 魅力の割に安い鉱物があると解説されてしまうと、ルース石の趣味にも食指が伸びてしまう。まぁ、実際アイオライトのルースくらいはもっていたりするしなぁ――超小型のパライバトルマリンも持っていた。
 台に載せる日が来そうにないから面白い。嫁に行かないことが確定している箱入り娘の魅力がある。

 写真の中で特に良かったのは緑色のグロッシュラー・ガーネット「ツァポライト」である。「魔性の」と形容したくなる素敵な緑色をしていて、胸が震えてしまった。異常なまでに輝いているスファレライトのルースも魅惑の逸品だった。硬度が4以下でもカットされてしまう理由が良く分かる。
 原石写真ではヘリオドール(黄色のベリル)が良かったな。十二面体をなしているダイアモンドの原石にも驚かされた。

 難点をあげれば宝石名が英名の「カタカナ読み」だけで押し切られていて、英名も併記されていないし、鉱物的な和名もほとんど記載されていないことが挙げられる。化学組成も中途半端に元素名を挙げるだけなので、無名どころの宝石がどの鉱物を指しているのか見抜くのに手間取ることがあった。
 見方を変えれば鉱物クイズみたいで面白かったが……。

 なお、主要産地に日本が挙げられているのは、ダンブライト(ダンブリ石)とアキシナイト(斧石)だった。宝石から見ればホウ素の国、ニッポン!?

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ジェムストーンの魅力 (GAIA BOOKS)
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カテゴリ:地学 | 20:44 | comments(0) | trackbacks(0)

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