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琥珀〜永遠のタイムカプセル アンドリュー・ロス著/城田安幸 訳

 大昔の樹液が化石化した琥珀。宝石としても利用される糖蜜色の塊に封入された昆虫の観察方法を、ロンドン自然史博物館で古生物研究をしている著者が手引きしてくれる名著。
 まず最初に贋物の見分け方を教えてくれるところが、宝石として歴史ある琥珀らしい。
 学術的に価値のない贋物作りのせいで、トカゲが絶滅しかかっているという話はシャレにならなかった。

 クモの化石であれば足を広げていたり、ほとんどの昆虫が琥珀(もどき)の中心に位置していたり、贋作は良く見せようとするあまり不自然なところがあるようだ。
 研究員の手を無駄にわずらわせる真似は止めてほしいなぁ――ちなみに表紙左側にひとつだけ偽物が混じっている。

 琥珀の中に閉じ込められた昆虫を専門にしているだけに、その紹介には非常に力が入っていて、特徴から昆虫の種類を同定する方法をゲームブック方式で載せてくれている。たくさんの琥珀入り昆虫をもっていたら、調べてみるのも愉しそうだ。
 バルティック産とドミニカ産ごとに昆虫の珍しさも載せてくれているので、そこに注意して琥珀を買えるようになれば、更に良い。
 まぁ、実際は非常に珍しいと言われている標本を、写真で見て驚くのが精々だ。数十点しか見つかっていないような琥珀には珍しい種類の昆虫も、この本なら愉しむことができる。
 その珍しい中には蚊も入っていて、ジュラシックパークみたいな真似が不可能に近い理由も説明されているのは御愛嬌。しかし、著者の研究を後押ししているのはジュラシックパークで喚起された世間の関心らしい。皮肉なものだ。

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琥珀―永遠のタイムカプセル
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カテゴリ:地学 | 12:36 | comments(0) | trackbacks(0)

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