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新三河物語・上 宮城谷昌光

 三河一向一揆が終わらない。
 大久保一族から、徳川家の成長を見守る歴史小説。これだけ人材がそろっていて、活躍しているのに徳川四天王に入れてもらえないとは、徳川家はどんだけ人材に恵まれているのやら……でも、上巻では井伊はもちろん、榊原も出ていないのだった。
 酒井、本多、大久保あたりが主力である。あと、松平一族も流石に多い。

 織田家を含めて、もしも生き残っていたら大身になったのではないかと思わせる人物がやたらと目立った。ほんの紙一重で多くの武士が運命を変えていったのだろう。それだけ、三河と尾張には人の人生を捻じ曲げる磁場が強いのであった。
 今川家支配下や一向一揆勃発中の三河は、地獄のような有様だけど、それでも人物の解説があると「後に○○で一万石の領土を授かる」などと、簡単に言われてしまうところが面白い。苦労が正統に報われていると考えられないこともないが。

 一向一揆と大久保家の上和田砦における戦いが、上巻の頂点になる。
 動員する兵が三桁どまりであるがゆえに、個人個人の働きが良くみえてくる。感覚的にも戦国時代の戦いをリアルに掴むことができた。

 ところどころにさし込まれる中国の故事は、実に作者らしい趣向である。宮城谷先生の中国モノ作品も読んでいて、おおよそ分かるおかげで、ニヤリとできる。

新 三河物語〈上巻〉
新 三河物語〈上巻〉
カテゴリ:時代・歴史小説 | 11:36 | comments(0) | trackbacks(0)

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