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中国名言集 一日一言 井波律子

 春秋時代から毛沢東まで、中国の名言を集めて366日(2月29日を含む)に並べた本。一日一言を噛み締めるように読めば、人生を豊かに過ごすことができるかもしれない。私は2日で読んでしまったが……。

 時代を網羅しているように見えて、近代は毛沢東が孤軍奮闘しているのに近かったり、異民族王朝時代が極端に少なかったり、偏りが見えた。だいぶ著者の好みが影響している感じだ。
 偶然にも私の好みとそれが一致していて、周辺事情の分かる名言がけっこう多かった。
 知らない名言ももっと楽しみたかった気がするが、けっきょく意識が知っている名言の方に吸い寄せられる結果になるのだろうか。

 発言者では、孔子に李白、杜甫がよく目立っていた――教科書でも目立つ人々である。孔子は流石に良いことを言っている。時には頷けない意見もあるけれど、発言の絶対量が多いのでより好みが有効だ。西洋の名言をあえて引けば「悪魔でも聖書を身勝手な目的のために引くことができる」状態になる。
 だから時の権力者にも利用されてしまったのであろう。孔子の場合は、こちらに異見があればとりあえず話を聞いてくれそう――故人なのに――な点も安心感がある。
 李白、杜甫を代表とする詩の名言は漢文でも鮮やかにイメージできるほど綺麗に情景を描き出していることがあり、とても面白かった。なるほど記憶に残りやすいわけである。

 古代から伝わってきただけに、日常生活の中で引いてみたいと思う名言があちらこちらに見られる。だが、実際に使うには受け手の知識を過剰に要求することになりがちなのも事実だ――言っておきながら自分が言われると名言を理解できないザマに陥ってしまいかねない。
 元が分からなくても意味が通じて、分かる人をニヤリとさせる。そんな使い方ができるようになりたいものだ。

 この本のおかげでシグルイで伊良子が顔を気にしていたのが、張儀のパロディであることに気付いた。縦横家の舌に相当する武器が貌ですか……。

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世界名言集 岩波文庫編集部

中国名言集―一日一言
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