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絵で見る十字軍物語 塩野七生/ギュスターヴ・ドレ

 フランソワ・ミショーの「十字軍の歴史」のつけられたギュスターヴ・ドレと簡単な説明文をメインに展開する十字軍の絵巻物。緻密だが読みとりやすい絵によって自分の好むペースで十字軍の歴史を追うことができる。

 個人的には十字軍国家の歴史をもっと見たかったのだが、エルサレム王国の滅亡は実にあっさりしたものだった。人間の精神力によって支えられていた国家だから、トップに座る人間の器に不足がでるとモロに煽りを受けてしまう。そういう事なのか……まぁ、単純に国力不足かな。
 いろいろマイナス面が目につく十字軍だけど、世界の辺境にあったヨーロッパ人が世界に対して積極性を見せたことは評価できるはず。
 交流からしか生まれないものも、やはり多かったのではないか。

 でも、リチャード獅子心王だけは何の変化も受けずにいてほしいかも。勇猛果敢なリチャードの描かれ方は、強烈すぎてギャグみたいだった。ギャグといえば「真なる十字架」や「聖なる槍」への皮肉にはクスクス笑ってしまったなぁ。
 さすがは塩野先生、お人が良い。

 メインとなるギュスターヴ・ドレの絵はシーンごとに緩急があって、とても印象的だった。攻城戦絡みの絵で戦士が見せるポーズが、安彦良和先生っぽく感じた。力そのものの具現みたいな戦士を描く人である――リチャードまで行くと暴力の具現になってしまっているが。
 右上につく地図が戦況図や都市の見取り図などを含む、さらに詳細で場面にあったものだったら、もっと良かったなぁ。

絵で見る十字軍物語
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