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ユダヤ人の歴史地図 マーティン・ギルバート/池田智

 世界中への離散から、イスラエルへの集合まで。ユダヤ人の歴史を地図で分かりやすく紹介している。
 人数が書き加えられている場合、出国者数でなければ犠牲者数を示しているという恐ろしい本である。民族がこれほどダイナミックに動きうるものだと知っただけでも、私には新鮮だった。
 パレスチナ以外にもユダヤ人を誘致しようとした土地がいくつかあったのだが、場所が悪かったり、パレスチナほど魅力がなかったりで、なかなか定着していないところがユダヤ人の行動力を物語る。
 地図に出てきて気になっていたロシアのユダヤ自治州の正体もおおよそ分かった。まず、湿地帯が多すぎるよ……。

 歴史的に見ると東ヨーロッパでのユダヤ人迫害が、とてつもなく激しくて淡々と地図上に描かれている内容だけでも血の気が引いてきた(同時に第二次世界大戦時にユダヤ人を救って顕彰されたポーランド人も多いのだが)。
 当時のユダヤ人が強力な国家を持っていれば、邦人を守るために出動する口実にしてもおかしくないと感じてしまうレベル。
 イスラエル成立前と後におけるアラブ・北アフリカ諸国のユダヤ人口の明白な激減も多くのことを物語っていた。一か所に集中することでリスクも高めている気がするのだが――他の民族国家ではそれが普通か。

 そんな中、イスラエルよりも多くのユダヤ人が生活しているアメリカが異色を放っている。彼らを積極的に受け容れ、活躍してもらうことでアメリカが得た利益は相当大きいはずだ。同時に不利益もあるのだろうけど。


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