<< よくわかる天体望遠鏡ガイド えびなみつる | main | 異戦国志4〜大坂落城 仲路さとる >>

世界で一番美しい元素図鑑 セオドア・グレイ/ニック・マン

 水素からウンウンオクチウムまで、現在知られている全ての元素について、美麗な写真と洒落た文章で紹介する知的好奇心に溢れた一冊。
 特に文章のセンスがすばらしく、キセノンの不貞を追求する語りには何度も笑ってしまった――しまいには擬人化して萌えてしまった。元素擬娘化アリだな……と思って検索したら普通にそういうネタの本やサイトがあった。この本の著者も大した変態だが、日本人も負けてはいない!希ガスシスターズは全員私の嫁ということで。

 鉱物趣味人としては、鉱石の写真が大抵一つは載せられているところも良かった。入手困難な放射性元素では、放射改変の過程で生まれるかもしれないという理由でウランの鉱石が載せられている。
 著者的には忸怩たる思いのようだが、私にはラッキーだった。また、4000種を遥かに超える鉱物に比べれば118種しかない元素はコレクションがしやすいように見えるが、元素コレクションには元素コレクションの苦労があることが良く分かった。特に危険なブツの保存が大変である。

 元素によって話題の量は大きく違うのだが――単体で一冊の本になれる元素もたくさんある――ほとんどが2ページで紹介されている(特別なものには+2ページの写真がつく)。この点は物足りなく感じることもあったが、同じ比重でサクサク読めるので飽きにくい。
 文章の末尾で次の元素にリレーする話題を出す形式になっており、どんな繋ぎ方をするのかと毎度意地悪な楽しみを覚えて読んだ。

 実用性は必ずしも高いとは言えないが、愉しみながら元素のことを覚えて、知識が広がる取っ掛かりにできるなら、難解で手に負えない本よりも実用的と考えることもできる。

世界で一番美しい元素図鑑
世界で一番美しい元素図鑑
カテゴリ:地学 | 11:10 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 11:10 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1466
トラックバック