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異戦国志4〜大坂落城 仲路さとる

 秀吉VS信長・家康連合軍の戦いは新たなるラウンドを迎える。
 逐電した家康の家臣、酒井忠次が秀吉についたのを機に、近江での大合戦が始まったのだ。三者とも名だたる英傑でありながら、戦場にまみえた兵力は10万に届いていかなったりするが……秀吉には九州戦線があるし、信長はかなりの痛手を被っているから、そんなものかな。
 戦いを決めたのが、石川数正の返り忠であることも難だが、戦いの展開そのものは鮮やかでエキサイティングだった。結果から見れば、同じ「おとな」でも酒井忠次より石川数正の方が三河武士だったかな。

 中央で三英傑が争う頃、島津四兄弟が野望を燃やす九州戦線も戦いの激しさを増していく。
 滅亡寸前の窮地に立たされた大友氏を秀吉が毛利と長宗我部に命じてテコ入れさせるのだが、仙石ェ……しでかす前からウザさ爆発だったぞ。
 しかし、彼を叱るべき秀吉は先に死んでしまっており、仙石秀久の身の振り方は気になるところだ。面白いことに、彼が最大の利益を与えた島津に降るのが、かえって一番危ない気がする。

 局地戦を見れば、勇猛果敢な島津軍に効果的な反撃をみせている大友軍がいるところも興味深かった。立花宗茂はもちろん、志賀親次やスーパーミラクルおばあちゃん妙林尼の抵抗がすばらしい。
 戦術的に優れているというだけではなく、この時代の人間の生き抜こうとする意志がよく伝わってくるのだ。

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大坂落城―異戦国志〈4〉 (学研M文庫)
大坂落城―異戦国志〈4〉 (学研M文庫)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 21:25 | comments(0) | trackbacks(0)

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