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三国志 第三巻 宮城谷昌光

 皇甫嵩の残念さを何と表現したら良いのか。彼は最後まで自ら思考しない「兵器」であったと思うべきかもしれない。王朝が健全なままであれば、素晴らしい名将として名声を全うできただろうなぁ。

 ついに実権を手に入れた董卓の暴れっぷりはまさに怪物。敵を各個撃破する戦術眼はたいそう優れているから、余計に腹立たしい。
 すべての現象を軍事としてみる思考方法には付き合いきれるものではない。これで正統な法治国家の君主だったら、そんなに無理な感じではなくなっていた気もするが……最終的には滅びるにしても。

 そして、暴虐な董卓がそっちのけになるくらい激しく争い始める群雄たちの愚かさが描かれる。天子を取り返していないうちからお前らは何をやっているんだ?と、当時中原に生きていた民衆なら誰でも思うのではないか。
 袁紹と袁術の骨肉の争いからは清々しいほど得るものが感じられないのであった。

 著者の袁紹評は手厳しい。まぁ、運も実力のうちと考えれば、やはり袁紹も実力者ではある。袁術も局所的には鋭い行動をすることがあるんだけどなぁ。大局的見地に立たせると、まったくものにならない。

 最後にやっと劉備が働きはじめた。登場時に身体的特徴だけをあげる掴みに笑ってしまった。関羽と張飛が劉備の成長を阻害しているという見方はなかなか興味深い。水魚の交わりの意味が深いところでわかってくる。

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三国志 第三巻
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カテゴリ:時代・歴史小説 | 23:26 | comments(0) | trackbacks(0)

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