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風は山河より 第二巻 宮城谷昌光

 いちどは三河を席巻した英雄、清康の横死によって“パッとしない二代目”松平広忠の時代にうつる。特別付録で、なにごとも三代掛かり、二代目はパッとしないことが多いと歴史の法則が語られていた。
 パッとする二代目と言えば、誰から数えはじめるかにもよるが、北条氏綱や真田信之あたりかなぁ。長宗我部もなかなか……。

 しかし、確かに広忠はパッとしないわけで、国内は麻のように乱れて、周辺諸国の脅威をいいように受けている。石高的にひとまとまりになれれば充分に対抗していけるものが、親戚を上手く扱えないばかりに悲惨なことになるとは。
 松平信定に続いて、松平信孝が問題になるところに、松平一族そのものの問題点を感じた。親戚が多いのは長所であり短所でもある。織田家みたいにとことん内訌をやりきってしまうのでなければ、うまく顔を立たせてやらなければならない。


 低迷する松平家の代わりに尾張の織田信秀が輝いていた。
 負けても落ち込むことなく、次々と奇抜な行動を起こして見せる。その積極性と明るさがかけがえない魅力を放っていた。寄進によって寺社や朝廷の覚えをめでたくしていることが、信長の雄飛にも繋がっていたのであろう。もちろん、津島の経済力があってこそ出来ることだが。

 そんな信秀軍8000をわずか800で破った井田野の戦いは実に三河武士らしい戦だった。姉川の合戦であそこまで奮戦できた理由もなんとなく分かった気がする。
 あそこまでしっかり陣形を固めてじりじりと歩を進めてくる相手には、鉄砲の一斉射撃で対するのが有効だろう。もしかしたら、織田軍の軍備はいざというとき三河武士に対抗するために編み出されたものなのかもしれない。一代前でこれだけ殴り合っていれば、意識しない方が無遠慮だ。

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風は山河より 第二巻
風は山河より 第二巻
カテゴリ:時代・歴史小説 | 10:39 | comments(0) | trackbacks(0)

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