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子産・下 宮城谷昌光

 すげぇ!鄭国の一年間に5回盟主変えだぁ!!
 他の国にはできないことを平然とやってのける!そこにシビれる!憧れない!

 外交の乱動が頂点に達した。極めて優れてみえた子駟をもってしても、この惨状……子皮の元でもっとも安定していた時代を経ても大国になれなかったのだから、鄭が置かれた立場の苦しさは尋常ではない。
 魯や宋など他の小国もよく滅びなかったものだ――鄭よりは楚から離れていたおかげだろうか。鄭より楚に近い上に、君主や大臣に恵まれなかった陳については、限界が訪れてしまっていた。

 上巻では戦争の連続から始まった物語が、下巻では大きな兵力の激突はなく、外交の場がいくつか繰り広げられるだけになっている。君主よりも大夫が実権を握っていく時代の変化は、外交の方がわかりやすかった。
 鄭の場合は大臣もみな、穆公から生まれた氏なので、単純な下克上には見えないのだけど。
 楚の共王や晋の悼公、そして鄭の簡公など優れた君主に限って壮年で死去していることも権力構造が変化した原因であろう。
 ほとんど物語の外にいる――たまに晋に挑戦していたが――秦はそれゆえに安定して見えるのだった。

 叔向や趙武など主人公になっている作品を読んだことのある人物が、子産の目から客観的に評価される立場になっていることが興味深かった。それぞれの人物よりも晋のシステム自体に問題を求めたくなる。

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子産(下) (講談社文庫)
子産(下) (講談社文庫)
カテゴリ:時代・歴史小説 | 00:02 | comments(0) | trackbacks(0)

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