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草原の風・上 宮城谷昌光

 1P目から劉秀が登場していてたまげる。三国志に比べて非常に主人公の登場が早い。文字が大きいこともあって、かなり読みやすかった。
 内容も戦乱の足音は聞こえても姿は見えない状態で進んでいるので、あえていえば学園物に近い雰囲気で読むことができる。劉秀の勉学への姿勢や首都で学んだことの様子など、高校生の内に読んでおきたかったし、読ませたい話である。
 主人公が主人公だけに対象年齢を下げているのかもしれない。

 劉秀が交わった人々の中でも印象的だったのが、一緒に商売をした韓子だ。もしも彼があえなく死んでいなければ、政府の重要な位置を占めていたのではないか。そんな想像がいくらでも出来てしまう。
 人生は何があるか分からない。そんな教訓を与えてくれる物語でもある。

 王莽の政治は当然のように悪い。劉氏と民衆を同時に敵に回してしまったことは、特に大きな間違いであった。どちらか一方を満足させている間に、一方を潰しておけば火種と燃料は離れて燃えひろがりにくいものを――まぁ、民衆を潰しておくのは不可能だが。
 同じ姓が二度繁栄することはないとする春秋戦国時代の「常識」からすれば、反乱軍が劉氏を戴くことに違和感があるのだけど、そこへの説明はなかった。諸国に広がる劉氏の勢力を思えば、衰退しているとはとても思えないから、王莽が無理矢理玉座を奪っただけと思われていたのであろうか。

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草原の風  上巻
草原の風  上巻
カテゴリ:時代・歴史小説 | 01:23 | comments(0) | trackbacks(0)

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