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賢治と鉱物〜文系のための鉱物学入門 加藤碵一・青木正博

 幼いころは石っ子賢ちゃんと呼ばれ、石に関して造形が深いことでよく知られた童話作家、宮沢賢治。彼の作品に出てくる石について、鉱物学的な見地から解説していく一風変わった文学研究の本。
 賢治の文章表現がとても新鮮で、美しい石の写真とあいまって、とても良い刺激になった。作品の中に出してくる関係で色彩で石が分類されており、とりあげられている標本のグレードも高い。
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 石に関わる文章の抜粋をみて、非常にメジャーな童話作家である宮沢賢治の作品に、こんなにマニアックな比喩表現を多用していたのかと驚かされた。石の知識がない大多数の読者にとってはチンプンカンプンだったはずだが、その訳のわからなさも一つの魅力であるのかもしれない。
 まったくの法螺を吹いているわけではなく、読者が知らないだけで知識に裏打ちされたことを語っている点が重要である(確かさよりも文章表現を優先させている場合もけっこうあるみたいだけど)。

 また、当時の宮沢賢治が触れられたであろう鉱物関係の資料を押さえたうえで解説してくれている点も興味深かった。賢治が鉱物陳列館で観た鉱物標本は関東大震災で焼失してしまったけれど、作品の中で生き続けることができている。

 ちなみに解説に頻出する「楢ノ木大学博士の野宿」については、作品と標本を上手く使った展示が静岡県の奇石博物館にあるので要チェックや!

宮沢賢治はなぜ石が好きになったのか 堀秀道  感想
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