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太公望・上 宮城谷昌光

 商王受に一族を襲われ、子供たちたった6人になってしまった太公望が、復讐のため商を倒さんと流浪の旅を始める。商側から殷周革命を描いた「王家の風日と補完しあう関係にある。太公望の諜報組織は、それだけ出されると反則に思えたので、創設から描いてくれると助かる。

 全般的に人の気配が濃厚とは言えず、遊牧の民が多く存在している古代中国の様子が新鮮だった。
 農耕の民が優越しているとは限らず、遊牧を行う民でも中原で活躍している――太公望の見るところ流れは穏やかに遊牧をする羌族の生き方を受け入れてくれない方向に進んでいるとはいえ。
 「悪い羌族」である馬羌族はいたって遊牧民族らしい人の扱いをしていたので、商のような農耕民族が一方的に悪だと言い切れる風でもない。周を味方にするのだから当たり前か。

 馬羌族と鬼公軍の戦闘が上巻では最も印象的だった。
 商王が太公望の一族を襲った時にも似た、機動力を活用して、敵を思った方向に誘導する戦い方をしている。兵が大きく広がるので、完全に敵の動きを読める策士がいた場合は手薄になった本陣を直撃される危険のある戦法だ。
 まぁ、商王も鬼公も圧倒的な兵力差があったからこそ、ああいう作戦を採ったのであって、敵が一飲みにできないほど大きければ、また別の手段を講じるのかもしれないな。

 剣が非常に特別な商王家だけにしか扱えないものとして描写されているところも印象的だった。荘厳なのに中二臭いというか何というか。

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太公望〈上〉
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カテゴリ:時代・歴史小説 | 08:00 | comments(0) | trackbacks(0)

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