<< ありのままの自然 平山健 | main | カピバラ 渡辺克仁 >>

俊英 明智光秀【才気迸る霹靂の知将】歴史群像シリーズ戦国セレクション

 明智光秀の霞みがちな実績と、本能寺の変関連について掘り下げた本。
 冒頭の明智光秀に関連する城や地域のカラーイラストに見応えがあって良かった。説明は政略に偏っているので、城の防御能力を気にしだすと物足りないけど。

 個別の記事では山崎の合戦における「山崎の町」が果たした役割を論じたものが興味深い。経済力と政治力をもつ町が戦争に翻弄される存在に甘んじるどころか、歴史すら変えかねない主体をもった存在であったことが分かる。
 いっそ焼き払って阻止線を構築してしまったらと思わないでもないが、それで秀吉の進撃を食い止められても領内がまとまらないだろうなぁ。本能寺の変後に光秀がおかれた戦略的環境はいかにも苦しく、それが本能寺の変が衝動的なものであったと感じてしまう。秀吉の大返しが予想不可能な速さであったことも留意しなければなるまいが。

 後半にはトンデモ系の記事が集まっており、本能寺の変の黒幕説を信頼のおける史料で検証する対談の余韻をぶち壊しにしていた。
 特に光秀=天海説記事の妄想小説っぷりが凶悪で、かえって天海説の説得力を貶めていた。

 浄瑠璃や歌舞伎に描かれた光秀まで行くと素直に面白いんだけどな――現代の荒唐無稽な珍説も同じような扱いを受ける日が来るのかもしれない。

俊英明智光秀―才気迸る霹靂の智将 (歴史群像シリーズ戦国セレクション)
俊英明智光秀―才気迸る霹靂の智将 (歴史群像シリーズ戦国セレクション)
カテゴリ:歴史 | 23:24 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 23:24 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1655
トラックバック