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戦略戦術兵器事典6〜日本城郭編 [歴史群像]グラフィックスシリーズ

 日本の城郭を軍事的な視点から解説した本。グラフィックスシリーズと銘打っているだけに、イラストも充実しているが、大判にぎっちり詰まった文章は、さらに充実している。
 ただし、1997年の刊行で最新の研究成果からは離れて来ている面があるのは否めない。また、担当する執筆者によって見解に相違がある部分も多く見られた。
 天守が正式名称で天守閣は俗語と解説されたあとに、堂々と天守閣と記述している記事があるのだから、参る。

 土で構成された山城も、石垣の城も、扱われているものの、石垣の城の方にやや比重があった。天守についての解説が充実していたため、そう感じるのかもしれない。逆に城の地域性をみる記事の東北、そして水戸藩の扱いが酷かったこともある。
 望楼型と層塔型の分類は覚えておきたい。天守台の整形技術と天守の建築技術が強く影響を及ぼし合っていたことが分かった。

 明治時代に本来の目的である戦争に使われ失われた城や「象徴」として破城の憂き目にあった城はまだしも、戦災で多くの優れた城が失われてしまっている現実は悲しい。姫路城が歴史遺産になっていることを考えれば、名古屋城や岡山城、広島城にも十分に可能性があったのではないか。

 戦例は5例中、2例が幕末のものとなっていて、築城年代と使用年代の差が著しい(五稜郭の戦いは載っていない)。築城者が想定していた規模の人数が展開していない印象を受けた。
 銃や大砲の射程が伸びたことと合わせてみると、その辺りも興味深い。

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戦略戦術兵器事典 (6) (〈歴史群像〉グラフィック戦史シリーズ)
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