<< 戦略戦術兵器事典6〜日本城郭編 [歴史群像]グラフィックスシリーズ | main | アメリカ独立戦争・下 友清理士 >>

アメリカ独立戦争・上 友清理士

 七年戦争(フレンチ・インディアン戦争)の時代から丹念にアメリカ独立戦争の経緯を追っていく歴史本。あまりに丹念なので独立戦争勃発が上巻の終わりになってしまったほどだ。
 まぁ、ウルフやモンカルムが活躍するフレンチ・インディアン戦争も楽しかったからよし。アメリカ大陸の人口でいれば、フランス人が6万で、イギリス人が百数十万と隔絶している割に、インディアンや本国からの派遣部隊の要素がからんでいるおかげで戦いになっていた。植民地とイギリス本国の戦力差よりも大きいから、流石に勝利は厳しかったようだが。

 ピット(チャタム伯)の戦争指導力は大したものだが、それゆえに莫大な戦費が掛かって、アメリカへの課税に繋がった点が気にかかった。反対をするならば、別の財源なりなんなりを確保しておいてほしかった。結果的にフレンチ・インディアン戦争は、アメリカ人のために領土を確保してやったみたいになっている。
 国王の意をうけた連中の強硬姿勢には呆れるが、同じ時代に植民地を力づくで維持するよりも通商を行った方がいいと主張する人々がイギリス議会に存在したことも覚えておきたい。


 独立戦争が勃発して、とりあえず目立った戦いはバンカーヒル。
 肉薄攻撃をしかけるイギリス正規軍に対して、ギリギリまで敵を引きつけて射撃するアメリカ民兵という構図だ。三段に分けてかわるがわるに射撃させる戦術がまるで長篠の合戦だった。
 ただ展開は長篠と同じにはならず、アメリカ軍の右端に攻撃を集中したイギリス軍がピュロス王的勝利を得ている。戦闘経験を積み、自信をもった敵を多く生みだしてしまった点でも、イギリスの失点は大きかったと思う。

関連書評
南北戦争〜49の作戦図で読む詳細戦記 クレイグ・L・シモンズ/友清理士
スペイン継承戦争〜マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史 友清理士


アメリカ独立戦争〈上〉 (学研M文庫)
アメリカ独立戦争〈上〉 (学研M文庫)
カテゴリ:歴史 | 07:02 | comments(0) | trackbacks(0)

スポンサーサイト

カテゴリ:- | 07:02 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://sanasen.jugem.jp/trackback/1706
トラックバック