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七都市物語 田中芳樹

 地球の地軸が大転倒し、北極圏と南極圏が居住可能になった世界。月面基地から降りてきた人々の子孫である七都市が空に上がることを許されないまま相争う。
 500メートル以上の飛行を不可能にするオリンポス・システムの設定と、地球人口が7都市あわせて5000万人ていどであることが、未来であるにも関わらず第二次世界大戦やナポレオン時代にも似た戦いを惹起しているのだった。

 現実だったら出てきそうなロボット兵器が出てこなかったり、戦場に人間が露出しすぎている印象はあるが、お話としては面白い。
 作者の筆が乗りまくっていて、文字の密度が高く、都市やキャラクターが多いにも関わらずスムーズに読むことができた。政治への皮肉が好きなのは、こうでなければ田中芳樹先生じゃないと思うべきか。

 架空の歴史をいろどる将軍たちも魅力的で、特にギュンター・ノルトが気に入った。悲劇的な運命に落ち込みそうだったところを回避できて良かった!けど、ブエノス・ゾンデがひたすら哀れなことに……身から出た錆にしても厳しい。
 まぁ、もっと悲劇的な落城が歴史上にはいくらでもあるからなぁ。これから独立運動に励んでもらうとしよう。

 あと、クンロンの影の薄さは異常。これでブエノス・ゾンデに出兵さえしていなければ、お幸せな都市になれただろうに。

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七都市物語 (ハヤカワ文庫JA)
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