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NHKスペシャル四大文明[中国] 鶴間和幸

 黄河ではなく中国としているところに歴史学の進展が見てとれる。長江の存在だけではなく、黄河と長江の間にある二つの河川もくわえて4つの河によっていた文明圏とみる考えかたもあるらしい。
 商以前の王朝は「さまよえる首都」状態になっているので、文明の中心が見抜きにくいんだよなぁ。

 他のシリーズとの兼ね合いから、紀元前2000年ごろの様子を中心に取り上げてほしかったのだが、なまじ情報が豊富なだけに春秋戦国時代という最近に話題が引っ張られていることが残念だった。ものによっては前漢武帝の時代にまで言及してしまっている……。
 それでもテーマによっては発祥に迫ろうとする姿勢がみられ、都市の規模と人口の推定など興味深い記述も多かった。商時代には灌漑が必要とされず、森の給水力に頼っていられたことも驚きである。
 始皇帝のせいもあって黄河流域の荒廃が進むが、武帝時代の方針転換のおかげで他のインダスやメソポタミアほど荒れることは避けられたようだ。それでも塩害はあって、塩池ができているみたい。
 いろいろとイメージが変わる話が多かった。

 インダスとエジプトが王者の顔をもってきている中で、中国が一兵士の顔をもってきていることが面白い。それも専制的で民衆の個性を殺しかねない印象のある始皇帝が兵士一人一人の顔を後世に遺させることになったのだから奥が深いと思う。

 毎回楽しみになっている対談は中国に好意的なことが多いように感じる。やっぱり日本といちばん文化が近いからかなぁ。他の文明は流れを直接受け継いでいる社会を残せていないので、現代の宣伝塔がいなくて価値観が異質になりやすいせいもあるかもしれない。

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