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のうりん4巻 白鳥士郎

 ご結婚おめでとうございます!

 故郷の愛生村に返ってきた耕作と農のけしからん結婚式が行われる。衰退の最前線である農村の姿にはいろいろと考えさせられるものがあった。現実には商や工みたいな可愛い幼女もいないかもしれないし……。
 村社会の陰湿さや女性への風当たりの強さについては、それでもマイルドにされている気が……実際に知っているわけじゃないから、印象だけで語るのも良くないな。愛生村みたいな村も日本のどこかにはあるのでしょう。一人だけの医者を三年連続で追い出す村は確実に存在するけどな!

 農が受けていた跡継ぎを産めプレッシャーは実際シャレにならないものだったと想像しちゃう。どうしてもできなくて、狂わされる――すでに手遅れな気もするが――よりは姉妹に産んでもらった方がええよ?ここはやはりレビラト婚しかないな!!
 耕作は農のことを母親代わりだと言っていたが、今回の話を読んだ印象では、もっと凄まじい何かだ。疑似家族ごっこを済ませていたとは大したラノベ主人公だ。
 父親代わりだった耕作がガチで好きな工は、作中のキャラでもかなり危ない部類だと思った。まぁ、多少の変態はベッキーの飛び抜けた数値を前にしてしまえば人類の誤差範囲内にすぎない!
 むしろ美濃柴犬の方がベッキーより人類の仲間に近い……そんな惨状を呈してきた。誰かベッキーを嫁にして!!なんか山の神様に若い男を生け贄にささげる感じがする。

 喜一おじさんたちの「まだトマトを三十回しか育てていない」という考えには胸を打たれた。人間は本能では三以上を数えられない生き物なのかもしれないが、この姿勢には明らかな哲学がある。
 手法をオープンにして全体を変えようとする姿勢は、資本主義の枠内で村おこしを計っている士姉ちゃんより先を行っていると思うんだけどなー。

 耕作の両翼発言には笑った。婚活の参加者には非常に得るべきものの多い演説をしてくれたと思う。農村で浮気はダメ絶対!
 お盆で帰省する時期にあわせて、この話をもってくる白鳥先生が恐ろしい。帰っていろいろ話したくなった人もいるのだろうが……。ごちそうの法則が母方の実家に――味は良かったけど傾向として――けっこう当てはまっていて妙に嬉しくなった。

白鳥士郎作品感想記事一覧

のうりん 4 (GA文庫)
のうりん 4 (GA文庫)
ゆかたんと長良川鉄道をまったり乗りたいなぁ。
カテゴリ:文学 | 10:21 | comments(1) | trackbacks(0)

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コメント
お前達が俺の翼だ!
イケメンの早乙女アルトならともかく
畑耕作では...
| pon | 2013/09/03 1:15 PM |
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