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古代メソポタミアの神々 三笠宮崇仁・岡田明子・小林登志子

 副題は、世界最古の「王と神の饗宴」。三笠宮が監修をつとめ、1950年代に中東で撮影された貴重な写真が収録されている。40年後の劇的な復元をうけたジグラットの写真をみると、20世紀以前の1000年よりも、ここ最近の50年の変化の方が大きいことが予想できる。
 たとえ復元されず放置された状態であったとしても大昔のものが形を留めて今に残っていることには感動せざるをえない。メソポタミアの乾燥した気候風土のおかげもあるのだろう。

 内容はタイトルどおり神について詳しいが、政教一体の時代のことゆえ、神について言及すれば自然と歴史や王の伝記を語ることになっている。
 現実の政治情勢とリンクしたマルドゥク神やアッシュール神の「出世」が非常に興味深い。マルドゥク神の息子である書記の神「ナブ」のことも覚えておきたい。
 またシャムシ=アダド1世の家族がマリと関わりの深い神の名前を名乗っていることも印象に残った。やはり繋がりがあるんだなぁ。彼がマリを占領するのは、イシンがウルを占領するのに似ていたのかもしれない。
 都市や土地そのものが神であるアッシュール神のありかたは、国家を擬人化させて萌える昨今の動きを遥か先に行っている気がした。ひとりひとりについている個人神も興味深いところである。守護霊と結び付けて考えてしまう。

 シュメルやアッカド、アッシリアの神々だけではなく、エラムやミタンニの神々にも簡単ながら言及があった。丹念に読めば神々が習合させられていく系譜が見えてきそうだ。口絵も多く、図版も豊富で飽きずに読み進めることができた。

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メソポタミアの王・神・世界観 シュメール人の王権観 前田徹

古代メソポタミアの神々 世界最古の「王と神の饗宴」
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