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湖底の城〜呉越春秋3巻 宮城谷昌光

 父と兄の死をみた伍子胥は、公子子木をおって宋から鄭へ旅をする。どこもかしこも火種に事欠かない様子で、激動の世情を感じずにはいられなかった。
 まぁ、晋は楚とまともにやりあうつもりがないので謀略をしかけてきたわけだが――二つの超大国が対立をやめたせいで、小国が国内であらそいを頻発させているとすれば、冷戦後の光景そのものだ。
 晋と楚にとっても対立は必要なだったのかもしれない……民衆には、どっちが幸せなのかなぁ。

 最終的に伍子胥がたどりついた呉では、呉王僚よりも、季札や公子光が輝いていた。とくに季札は完璧な聖人に祭り上げられてしまっている。
 彼の態度からは呉という国家にたいする穏やかな愛が感じられた。大きな実権と責任を持った王よりも、「国家の象徴」に向いた人物だったのかもしれないな。

 公子光は名前の通りギラギラしていて――未来を知っているせいで余計にそう見えるのかもしれない――着々と伍子胥や他の実力者と友誼を結んでいる。
 呉の内情なんてどうでもいいからさっさと復讐させろ、と暴れ出さない宮城谷先生の伍子胥は行儀がいい。公子光に楚を攻めろという献策を妨害されたところで、癇癪起こしても良かったのよ?
 霊王本人が生きている内に復讐できなくなってしまう可能性を考えたら、もっと焦ってもいいんじゃないかな。この伍子胥はゆとりがあるところが凄い。旅は人を成長させるのは、伍子胥本人にも言えることなのか。

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呉越春秋 湖底の城 第三巻
呉越春秋 湖底の城 第三巻
カテゴリ:時代・歴史小説 | 15:40 | comments(0) | trackbacks(0)

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